心電図
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24 巻, Suppl4 号
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  • 平岡 昌和
    2004 年 24 巻 Suppl4 号 p. 3
    発行日: 2004/11/19
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 相澤 義房
    2004 年 24 巻 Suppl4 号 p. 5-11
    発行日: 2004/11/19
    公開日: 2010/12/10
    ジャーナル フリー
    心臓に器質的疾患の認められない特発性心室細動では, 軽度の心電図変化が認められており, このなかから特徴的なBrugada症候群が確立された.本症はJ波, ST部分の奇妙な上昇からなり, 細胞電気生理学的にもNa+チャネルの異常とこれによるItoの変化で説明ができるようになった.この心電図変化は自律神経, 抗不整脈薬および心拍数などで修飾される.一方, 我々はJ波を主徴とする特発性心室細動を報告した.その特徴は, Brugada症候群の様なST上昇は認めず, J波を下壁と左側胸部誘導に認め, また徐脈依存性にJ波が増大することであった.なかにはJ波は一過性に出現し週の単位で消失していく例があった, その後同様な症例の報告が散見されている, 徐脈依存性のJ波の増大には徐脈依存性の伝導異常も考えられるが, 現時点ではItoとの関連で最も良く説明できると思われる.今後多様と思われる特発性心室細動において, J波, ST上昇および不整脈の発生におけるItoを中心にした統一的な成因や機序の解釈が待たれる.
  • 高木 雅彦, 相原 直彦, 横山 泰廣, 青沼 和隆, 平岡 昌和
    2004 年 24 巻 Suppl4 号 p. 12-22
    発行日: 2004/11/19
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    特発性心室細動研究会 (J-IVFS) にご登録いただいた105例のBrugada症候群症例の安静時12誘導心電図について解析し, 有症候性Brugada症候群 (58例) と無症候性Brugada症候群 (47例) の比較検討を行った.有症候性群では無症候性群に比べ, V1, V2誘導でのr-J間隔 (r波の開始点からJ点 [S波以降で最も高い点] までの間隔) , V3誘導でのr-T end間隔 (r波の開始点からT波終了点までの間隔) とそのRR間隔による補正値 (×1/√RR) が有意に延長し, V6ではQRS幅とS波幅が有意に広かった.Coved型とsaddle-back型の比較では, 有症候性群では, coved型の症例はsaddle-back型の症例に比べ, 心室の伝導遅延と再分極異常が, 無症候性群では一部の再分極異常がcoved型の症例でより顕著であった.以上の結果より, 有症候性群では無症候性群に比べ, 心室の伝導遅延がより顕著化し, coved型の症例ではさらに再分極異常も顕著化する可能性が示唆された.
  • 中沢 潔, 岸 良示, 高木 明彦, 桜井 庸晴, 長田 圭三, 三宅 良彦
    2004 年 24 巻 Suppl4 号 p. 23-28
    発行日: 2004/11/19
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    Brugada症候群は右側胸部誘導心電図に特異なST上昇がみられ, 心室細動による心臓突然死を起こす症候群である.現在のところ, 心室細動発現性を示す心電図上のマーカーは不明で, 無症候性例では治療方針に苦慮することが多い.そこで, 2002年に発表されたEuropean Society of Cardiology (ESC) の診断基準と自験例を検討し, Brugada症候群の心電図診断の問題点を考えた.その結果, (1) 右側胸部誘導のJ点のとり方によっては, ESCの診断基準を満たさないものが存在する, (2) Na+チャネル遮断薬負荷によるcoved型ST上昇の誘発は, ESCの診断基準を満たさない波形でも認められる, (3) ―肋間上の記録では, 通常の標準12誘導心電図より診断効率が高くなる, ことがわかった.Na+チャネル遮断薬負荷はBrugada症候群のスクリーニング法として位置付けられるべきであり, また, Brugada症候群診断の際の心電図記録部位として, ―肋間上も加えるべきと考えられた.
  • 清水 昭彦, 上山 剛, 江里 正弘, 亀谷 良介, 金本 将司, 沢 映良, 松崎 益徳
    2004 年 24 巻 Suppl4 号 p. 29-34
    発行日: 2004/11/19
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    Brugada心電図と健常人の右側胸部誘導ST部分に関する違いを明らかにすることを目的に以下の2点を検討した. [研究I] 検診連続826例を対象に通常心電図とV1~V3の右側胸部誘導の1および2肋間高位を記録した.〈結果〉late rの出現頻度は肋間が高位になるほど増加した.STJ (ST接合部) 上昇は男性が女性より高頻度で, 肋間が高位になるほど低くなった.STタイプは, Brugada型は1肋間高位V2で最も高頻度 (1.3%) に記録された, [研究II] : 器質的異常のない126例に塩酸ピルジカイニド (PIL=1mg/kg/10分間) 負荷試験を行った.〈結果〉PIL投与により, 右側胸部誘導のSTJは有意に上昇した.STJの最大変化値は50~100μV幅と250~400μV幅にピークを認める2峰性分布を示した.Coved型ST上昇を47例 (37%) に認めた. [結論] 健常人の右側胸部誘導では, 肋間を高位にするとlate rの出現頻度が増し, ST上昇頻度は減少した.PIL負荷試験によるST上昇の程度は2峰性の分布パターンを示した.Brugada心電図の診断には, 右側胸部誘導の高位肋間の記録とNaチャネル遮断薬負荷試験が必要と考えられた.
  • 櫻田 春水, 水澤 有香, 酒井 毅, 辰本 明子, 小泉 章子, 伊藤 晋平, 永島 正明, 山口 博明, 呉 正次, 岡崎 英隆, 手島 ...
    2004 年 24 巻 Suppl4 号 p. 35-38
    発行日: 2004/11/19
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    Brugada症候群に電気生理検査 (EPS) を行い, その特徴を心停止群, 失神群, 無症候群に分類し比較検討した.HV延長が心停止群で多く認められた.VF誘発率は, 心停止群8/9 (89%) , 失神群5/7 (71%) , 無症候群12/21 (57%) であり心停止群で高率であった.平均60カ月の経過では, 心停止群の6例, 失神群の1例でVFの発生がみられたが, 無症候群では不整脈事故は生じなかった、ネオスチグミンやプロプラノロールはVF誘発性を増し, イソプロテレノールはVFの誘発性を阻止したが, アトロピンには誘発阻止効果はなく, VF誘発性にはβ交感神経系の関与が考えられた.抗不整脈薬ではキニジンにVF誘発阻止効果が認められた.VF以外の不整脈では心房細動が最も高率に誘発されたが, アブレーションにて根治可能な不整脈 (心房粗動, 心房頻拍, 房室結節リエントリー性頻拍, 房室リエントリー性頻拍, 単形性心室頻拍など) の誘発も認められた.
  • 坪井 直哉, 吉田 幸彦, 伊藤 昭男, 田嶋 一喜, 平山 治雄, 児玉 逸雄
    2004 年 24 巻 Suppl4 号 p. 39-40
    発行日: 2004/11/19
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 相原 直彦, 高木 雅彦, 横山 泰廣, 青沼 和隆, 平岡 昌和
    2004 年 24 巻 Suppl4 号 p. 41
    発行日: 2004/11/19
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 横山 恵理子, 小坂 利幸, 原田 将英, 竹本 芳雄, 山崎 正俊, 伊藤 厚士, 児玉 逸雄
    2004 年 24 巻 Suppl4 号 p. 42-49
    発行日: 2004/11/19
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心室細動 (VF) はスパイラル型リエントリーの興奮波面の分裂により生ずるとされるが, その発生基質に関する臨床的検討は少ない.本研究では3代で9人もの若年性突然死を認める特発性VFの一家系においてVFの発生基質を心室再分極の不均一性と動的不安定性の両面から検討した.【方法】対象は特発性VF3例, 心電図胸部6誘導においてQRSの始まりからT波の頂点までの時間 (QTp) , T波の終末までの時間 (QTe) , T波の頂点から終末までの時間 (Tp-e=QTe-QTp) を測定し6誘導の平均値を求めた.QTeの最大値と最小値の差をQTe dispersionとして求めた, 右室中隔より単相性活動電位 (MAP) を記録し, 330msから750msまで6.段階の刺激間隔 (CL) で定常状態における90%再分極時の単相性活動電位持続時間 (MAPD90) を測定した.早期刺激 (S1-S2) 法により先行拡張期間隔に対するMAPD90の回復過程を求めた (S1-S1=600ms) .基礎心疾患のない8例 (28±6歳) を対照とした.【結果】QTcP時間は対照群で310±19ms, VF群で308~324msと両群間で差を認めなかったが, QTce時間は対照群で408±21ms, VF群で426~473msとVF群で延長傾向を認めた.QTce dispersionは対照群で17±7msであったのに対しVF群では40~82msと著明に増加していた.Tcp-eは対照群で98±12ms, VF群119~149msとVF群で著明に延長していた.VF群のMAPD90はいずれのCLにおいても対照群に比し延長傾向を示した, CL600msにおけるMAPD90は対照群で258±21ms, VF群で262~274msであった, MAPD90の回復曲線の最大傾きは対照群で0.82±0.38であったのに対し, VF群では1.83~2, 00と急峻な値を示した, 【結語】心室再分極の不均一性の増大と動的不安定性を基質とする家族性特発性VFが存在することが示唆された.
  • ―特発性心室細動と考えられた症例とBrugada症候群との比較―
    鵜野 起久也, 永原 大五, 下重 晋也, 西里 仁男, 藤井 徳幸, 野田 亮輔, 土橋 和文, 島本 和明
    2004 年 24 巻 Suppl4 号 p. 50-54
    発行日: 2004/11/19
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    特発性心室細動 (IVF) は, 明らかな器質的心疾患を認めずに心室細動をきたすprimary electrical diseaseと考えられている.我々は当科において経験した, IVFと考えられた5例に対し加算平均心電図 (SAE) と87点体表面マツピング (B-map; QRST integral map) を施行し, Brugada症候群23例と比較検討した.SAEでは, 両群ともにRoot Mean Square値 (RMS) はより小さく, Low Amplitude Signal値 (LAS) はより延長傾向であったが有意差は認めなかった.QRST isointegral mapにおいて, widenegativeパターンは, IVFで5例中4例に認めた.Brugada症候群では9例に認め, 失神の既往例2例・VFが確認された症例1例・夜間突然死1例の, 計4例を含んでいた.IVFにおけるSAEやB-mapの意義は不明であり, 本検討では5例のみの検討であり本所見をもって臨床的有用性を示すことはきわめて困難である.しかし, あるサブセットのIVFにおける心電図学的異常を検出するうえでSAEやB-mapが有用な情報を与えてくれる可能性は否定できず, 今後のさらなる検討が必要である.
  • 大和田 真玄, 樋熊 拓未, 佐々木 真吾, 岩佐 篤, 木村 正臣, 小林 孝男, 足利 敬一, 奥村 謙
    2004 年 24 巻 Suppl4 号 p. 55-60
    発行日: 2004/11/19
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    症例は52歳男性.突然死の家族歴を有するも失神の既往はなし.前医で脳波検査の過換気負荷中に突然失神.モニター心電図 (ECG) では心室細動 (VF) が確認された.心肺蘇生中にVFは自然停止したが, 洞調律時の12誘導ECGでは右側胸部 (V1~V3) 誘導に右脚ブロック様のST上昇 (Brugada型心電図変化) を認めた.
    Ca拮抗薬, 抗不整脈薬の投与が為されるもST上昇は持続し, 心室性期外収縮からVFが頻発した, 当院で植込み型除細動器 (ICD) の植込みを行った, しかし, 発作時に認められたBrugada型心電図変化は数日後には自然消失した.以後, 過換気負荷試験, ピルジカイニド負荷試験, 経口血糖負荷試験を行ったが, 発作時のような心電図変化は誘発されず, Late potentialsも検出されなかった.
    VFの発症機序に右室流出路の電気的不安定性の関与が予想された特発性心室細動の1例を報告する.
  • ―Short coupled variant of torsades de pointesとの比較検討―
    渡辺 敦之, 森田 宏, 伴場 主一, 西井 伸洋, 永瀬 聡, 中村 一文, 斎藤 博則, 草野 研吾, 江森 哲郎, 大江 透
    2004 年 24 巻 Suppl4 号 p. 61-67
    発行日: 2004/11/19
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    既往歴, 家族歴を認めない若年男性で睡眠中に突然, 心室細動 (VF) を認めた特発性心室細動と考えられた2症例を経験した.当院で経験したShort-coupled variant of Tdp (SCTDP) と考えられた2症例との比較検討を行い, 文献的考察を加えて報告する, 症例1は26歳男性.早朝, VFを認め心肺蘇生後に当科入院.症例2は29歳男性.早朝, うめき声にて家族が発見.VFを認め, 救急隊員による心肺蘇生後に入院.いずれの症例も安静時心電図にてQT延長, Brugada型心電図は認めず, ピルジカイニド負荷にてもST上昇は認めなかった.入院後は心室性期外収縮 (PVC) , 心室頻拍 (VT) を認めず, 冠動脈造影, 心筋生検でも有意な所見は認められなかった.その他の器質的心疾患の存在は否定的であった.電気生理検査では異常電位は認めず, 多形性心室頻拍 (PVT) , VFは誘発されなかった, 症例2に対してはICD植込みを施行した.現在のところ, ICDの作動は認めていない.
  • 高木 明彦, 中沢 潔, 岸 良示, 長田 圭三, 桜井 庸晴
    2004 年 24 巻 Suppl4 号 p. 68-73
    発行日: 2004/11/19
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    迷走神経興奮の亢進が潜在的な心室細動 (VF) 閾値の低下に寄与したと考えられる特発性VF症例を経験した.症例は63歳の男性.既往に小児麻痺による歩行障害がある.片道2時間の通勤を要するビル管理業に就職先を変え, 心身ともにストレスがたまっていた夜間にVF発作は起きた。心電図は非典型的な右脚ブロックを呈していたが, ST上昇やQT延長は認めなかった, また, 明らかな器質的心疾患も認めなかった.VF発症直後と慢性期に心拍変動解析および電気生理検査 (EPS) を施行した.心拍変動解析では, 慢性期に比較し発症直後の高周波成分が明らかに上昇していた.発症直後のEPSでは, 単発の心室期外刺激で再現性をもってVFが誘発されたが, 慢性期におけるVFの誘発は困難であった.VF閾値の低下を伴う一時的な迷走神経興奮の亢進が観察された, 迷走神経興奮の亢進がVF発現に寄与する電気生理的特徴を変化させる傍証と考えられた.
  • 伊藤 誠, 八尾 武憲, 小澤 友哉, 堀江 稔, 杉本 喜久, 八木 崇文, 武田 晋作, 福原 怜, 藤田 真也, 玉井 秀男
    2004 年 24 巻 Suppl4 号 p. 74
    発行日: 2004/11/19
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 吉田 健太郎, 堀米 仁志, 高橋 実穂, 重田 治, 磯部 剛志, 山下 正夫, 久賀 圭祐, 青沼 和隆, 榊原 謙, 山口 巖, 松井 ...
    2004 年 24 巻 Suppl4 号 p. 75
    発行日: 2004/11/19
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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