心電図
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26 巻, 3 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 神谷 香一郎
    2006 年 26 巻 3 号 p. 193-194
    発行日: 2006/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 越前 宏俊
    2006 年 26 巻 3 号 p. 195-200
    発行日: 2006/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    循環器系薬物に対する応答性には大きな個人差がみられることが多い.この現象には多くの要因が関係するが, 薬物代謝酵素の遺伝多型も重要な要因の一つである.日常的に頻用される抗不整脈薬にもチトクロームP450 (CYP) など遺伝多型をもつ薬物代謝酵素の基質になる薬物は多く存在する, CYPの遺伝多型と抗不整脈薬の薬物応答性の個人差は通常, 有害反応発現のリスク増加として現れることが多い.CYPの遺伝多型と抗不整脈薬の副作用についてはフレカイニドやプロパフエノンの事例が有名である, 抗不整脈薬の応答性の個人差を薬物代謝酵素活性の個人差の観点から正しく理解するために, 本稿ではCYPの遺伝多型を抗不整脈薬との関点から総論的に述べることとする.
  • 立石 智則
    2006 年 26 巻 3 号 p. 201-210
    発行日: 2006/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    チトクロームP450 (CYP) 2D6はβ遮断薬や抗不整脈薬の代謝に関与するが, 代謝活性の個体差がこれら薬物の効果に影響する薬物代謝酵素として知られる, すなわち生体内CYP2D6活性には遺伝的多型があり, 活性が欠損するヒトをpoor metabolizer (PM) とよぶ.PMの頻度には人種差があり, 白人ではおよそ10%であるのに対し, 中国人や日本人では1%未満と低い.しかし, 中国人や日本人ではPMが少ないにもかかわらず, PMを除いた集団で比較すると生体内CYP2D6活性の平均は中国人や日本人では白人よりも低い.この原因として, 中国人や日本人には活性の低い変異型CYP2D6 (CYP2D610) が高頻度に存在するのに対し, 白人ではきわめてまれであることが考えられる.肝代謝型β遮断薬のメトプロロールやプロプラノロール薬物動態試験ではCYP2D610のホモのヒトはCYP2D61のホモのヒトに比べβ遮断薬のクリアランスが低下し, 血中濃度の上昇が認められた.その他, 日本人PMの原因となる変異型CYP2D6や他の変異, またCYP2D6で代謝されるいくつかの循環器治療薬について臨床薬理学の観点から留意すべき点を述べる.
  • 高橋 晴美
    2006 年 26 巻 3 号 p. 211-216
    発行日: 2006/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ワルファリン (WF) の投与量と抗凝固効果の関係には大きな個人差が認められ, さらにアジア人は白人に比較して投与量が少ないとする報告が多い, そこでWFの体内動態と感受性に関して個人差・人種差の原因となる影響因子について検討した.WFの体内動態の個人差には (S) -WFの肝代謝活性が影響し, この活性は主代謝酵素であるCYP2C9の遺伝子変異 (CYP2C93) を有する患者では低下していた.一方, 感受性の指標である (S) -WF濃度で標準化した抗凝固効果 (INR) の個人差にはWFの直接の作用蛋白であるvitamin K epoxide reductase遺伝子 (VKORC1) の変異が大きく影響していた.この変異を有する患者ではWFに対する感受性が高く, 維持量が少なかった, さらに, この変異の出現頻度は日本人で高く (89%) , 白人では42%にすぎなかったため, VKORC1多型が日本人におけるWFの感受性上昇に寄与しているものと考えられた.
  • 中島 美紀
    2006 年 26 巻 3 号 p. 217-222
    発行日: 2006/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ニコチンは喫煙によって肺から吸収された後, 肝臓においてコチニンへと代謝され薬理作用を失う.この代謝反応を触媒しているのはCYP2A6である.ニコチンの代謝能には非常に大きな個人差が認められており, CYP2A6の遺伝子多型との関連が明らかになった.日本人では遺伝子全欠損型であるCYP2A64や, アミノ酸変異を伴うsingle nucleotide polymorphism (SNP) を有するCYP2A67CYP2A610, またプロモータ領域にSNPを有するCYP2A69の変異型の遺伝子頻度が高く (2~20%) , これらの遺伝子型を組み合わせて2つもつ時, ニコチン代謝のpoor metabolizer (PM) となる.このようにニコチン代謝能の個人差の大部分はCYP2A6の遺伝子多型で説明できる.PMではニコチンの消失半減期が顕著に延長し, 体内からの消失が遅延する.CYP2A6の遺伝子多型は喫煙量および喫煙に関連する疾患リスクにかかわる可能性が考えられる.
  • 家入 一郎
    2006 年 26 巻 3 号 p. 223-228
    発行日: 2006/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    SNPsに加え, 表現型に多様性をもたらす遺伝子発現制御機構として, アレル不均等発現がある.2本の対立遺伝子が異なる発現レベルを示す現象である.ヒト肝臓におけるCYP3A4遺伝子の発現の偏りをみると, 2本の対立遺伝子が均等に発現する個体から父親あるいは母親由来の遺伝子のみが発現する個体まで幅広く分布する.2本の遺伝子の発現比率と肝臓に発現するCYP3A4総mRNA量やin vitro代謝活性との相関をみると, 両者には良好な正の相関が認められる, これよりCYP3A4の発現の偏りが, 個人差解明の指標となる可能性が示唆される.アレル不均等発現は, 新規の遺伝情報として期待される現象である.
  • 木内 信太郎, 寺岡 邦彦, 高田 紀世, 山田 昌央, 平野 雅春, 永井 義一, 高澤 謙二, 小泉 潔, 阿部 公彦, 山科 章
    2006 年 26 巻 3 号 p. 229-237
    発行日: 2006/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    【目的】前壁中隔心筋梗塞患者を対象に心臓磁気共鳴像のdelayed enhancement (DE) が示す壊死領域と心電図所見の関係を検討した, 【方法・結果】39例の左前下行枝を責任血管とする陳旧性前壁中隔心筋梗塞患者を対象とした.V1-V4誘導における心電図所見からグループA (Q波梗塞) , グループB (R波減高) , グループC (正常R波) に分類した.心内膜から心外膜への深達度よりDEを0から5までスコア化した, 総DEスコアはグループAが他のグループより明らかに高値であった.グループAにおけるΣQ (V1-V4誘導のQ波合計) は総DEスコアと高い相関を示し (r=0, 964) , DEスコア5のエリア数とも相関を認めた (r=0.673) .【結語】心筋梗塞におけるQ波梗塞は, 非Q波梗塞と比較して, より広範で深達度の深い梗塞である.特に, Q波梗塞は壁内深達度より梗塞範囲と高い相関を示した.
  • 大草 知子
    2006 年 26 巻 3 号 p. 238-244
    発行日: 2006/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 岸田 浩
    2006 年 26 巻 3 号 p. 245
    発行日: 2006/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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