心電図
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27 巻, 6 号
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  • 奥村 謙
    2007 年 27 巻 6 号 p. 579-580
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 山科 順裕, 八木 哲夫, 滑川 明男, 石田 明彦, 田淵 晴名, 住吉 剛忠, 伊藤 明一
    2007 年 27 巻 6 号 p. 581-587
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    【目的】Intracardiac echocardiography (ICE) は臨床心臓電気生理検査 (EPS) の際に心内の解剖を観察するために有用である.卵円窩 (Fossa ovalis: FO) とその辺縁 (Limbus=Lim) は心房において解剖学的に重要な部位を占める.今回ICEを用いて同部位の臨床的特徴を検討した.【方法】51例のカテーテルアブレーション実施患者に対して心房中隔穿刺を実施する際にICEを使用し, FOとそのLim, 心房中隔 (lntra atrial septum=IAS) の厚さを計測した.また, 心房中隔穿刺時にICE上最もtenting現象が確認された時のFOの角度を計測した.それぞれを若年者群 (49歳以下) と年長者群 (50歳以上) , 非高血圧 (Non-HT) 患者群と高血圧 (HT) 患者群, 非心房細動 (Non-AF) 患者群と心房細動 (AF) 患者群に群別して比較検討した.【結果】若年者群 (n=16) と年長者群 (n=35) で比較すると年長者群で, Non-HT群とHT群で比較するとHT群で, Non-AF群とAF群で比較するとAF群でFO, Lim, IASともに厚かった (p<0.05) .多変量解析の結果, 年齢, HTの有無, AFの有無の3因子のうちでAFの有無がFO, IASの壁厚の差を生み出す主因であった, TentingPointのCosθの計測では年長者群, HT群, AF群の各々で対照群に比較してCosθが小さかった (p<0.01) .【結語】FO, Lim, IASは年長者, AF患者, HT患者において有意に厚くなり, 心房中隔穿刺時のFOのtentingの度合いから, コンプライアンスが低下していることが推察された.
  • 加藤 貴雄, 上野 亮, 村田 広茂
    2007 年 27 巻 6 号 p. 588-595
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    【目的】アルツハイマ―型認知症治療薬であるドネペジル投与中に心電図QT間隔が延長するとの報告が散見されるが, 薬剤との関連性は明らかでない.そこで, 臨床第1相試験における心電図を収集しランダム化して詳細計測することによって, ドネペジルのQT間隔への影響の有無を評価した.【対象および方法】日本人健康成人男子41例を対象とした.32例ではドネペジル0.3, 1, 2, 5, 8, 10mgまたはプラセボを単回投与, 9例ではドネペジル2mg/日を20日間連続投与し, 投与前および投与後の5~8ポイントで心電図を記録した, 投与量, 心電図記録時期などの臨床情報を盲検化した状態で, 循環器専門医3名が200%拡大の心電図II誘導のRR, QT, PQ, QRS時間を計測し平均値を算出した.次にQTcB, QTcF, QTcFRをそれぞれ求め, (1) QT/QTc>0.5sec, (2) 観察期から0.06secを超える延長, (3) 観察期から0.03secを超える延長かつQTc≧0.45sec, (4) 観察期から15%以上延長のいずれかの有無を検討した.【結果】41例 (432ポイント) 中2例 (2ポイント) でQTcBが延長したが, それぞれドネペジル2mg単回投与9日後および11日後に観察期からの延長度が0.06secを超えたものであった.なおQTcB, QTcF, QTcFRの平均値はすべてのポイントで有意な延長はみられなかった.【結語】ドネペジルのTmax, T1/2を勘案すると, 本研究対象ではドネペジルはQT間隔に影響しないと結論された.
  • 後藤 寛司, 池田 憲昭, 白鷹 増男, 宮原 英夫
    2007 年 27 巻 6 号 p. 596-607
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    日本人健康若年男子1, 031例の安静時心電図を対象にRR間隔 (RR) とQT間隔 (QT) の関係を調べ, QTの基準値の上限を定めた.上限の決定にはQTをRRの3乗根で除した商 (Fridericiaの補正値; QTcF) を使用した.この集団で得られたRRとQTcFの相関係数は-0.055で, 変換値QTcFを使用するとRRの影響を大幅に除くことが可能で, RRと独立にQTcFだけで上限を示すことができると期待された, 600 (心拍数100/min) ~1, 500ms (40/min) の範囲のRRを幅75msの12階級に分け, 各階級別にQTcFの平均 (m) , 標準偏差 (σ) , 基準値の上限 (UL; m+1.96σ) をブートストラップ法で推定した.症例数が多い800~1, 300msのRRに対してQTcF=433msが上限値として得られた, この値を全集団に対して適用すると慣用されているFridericiaの補正でQTcF=433msとおいて上限を定義した結果に一致する.
  • 有吉 真, 石橋 一哉, 長村 智子, 畔柳 彰, 山原 康裕, 松原 弘明
    2007 年 27 巻 6 号 p. 608-614
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    症例59歳, 男性, 平成16年12月ごろより透析中に動悸を自覚するようになり, 上室頻拍 (SVT) , 心房粗動 (AF) と診断された.抗不整脈薬を処方されたが, 発作が増加したためアブレーションによる頻泊の根治目的で入院となった.AFは持続しており, 電気生理検査にて, 三尖弁周囲を反時計方向に旋回する通常型AFと診断された, 解剖学的峡部を線状アブレーションし, 洞調律に復帰した, さらにブロックライン完成後, 冠静脈洞ペーシング下で下壁誘導にて後半に陽1生成分を伴う二相性P波を認めた.その後心房早期刺激にて, 右房内三尖弁周囲を反時計方向に伝導する興奮順序を示すSVTが誘発された.頻拍中の心電図では下壁誘導のQRS波終末部に陽性P波 (実際には陰性・陽性の二相性P波) を認めた.頻拍が房室結節リエントリー性頻拍 (AVNRT) であることを確認したうえで, 遅伝導路の離断を行った.本例では峡部アブレーションにより, AVNRT時の右房内興奮伝播が右房自由壁を下行する様式に変化したことが偽性陽性P波の成因であると考えられた.
  • 池主 雅臣
    2007 年 27 巻 6 号 p. 615-620
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 萩原 誠久
    2007 年 27 巻 6 号 p. 621
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 家庭用心電計の評価と適正使用に関する小委員会
    2007 年 27 巻 6 号 p. 629-630
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • ベプリジルによる薬理学的心房除細動後にQT延長から心室頻拍, torsades de pointesをきたした1例
    柴田 仁太郎, 小宮山 浩大, 櫻田 春水
    2007 年 27 巻 6 号 p. 633-634
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ベプリジルによる持続性心房細動 (AF) に対する薬理学的除細動後に, QT延長から心室頻拍, torsades de pointesをきたした1例を経験した.症例は74歳, 女性で, 2006年4月の心電図でAFが認められた.同年11月, AF頻脈となり, 同年12月に当科を受診した, 2007年1月半ばごろより, 浮腫, 息切れを伴うようになり, 同月入院.翌月, ベプリジルおよびアプリンジンの併用により洞調律に回復するも, その4日後に失神発作を起こした.直ちにべプリジルの投与を中止したが, 翌日, 再び失神発作を起こし, 心室頻拍, torsades de pointesを認めた, 潜在性洞機能不全およびベプリジルによるQT延長が, torsades de pointesを誘発したと考えられた.
  • ベプリジル投与, 洞調律維持による心房のリバースリモデリングがカテーテルアブレーション治療によい影響を与えたと考えられた1例
    冨樫 郁子, 副島 京子, 中溝 ひかる, 福本 耕太郎, 矢田 浩崇, 萩原 陽子, 谷本 耕司郎, 佐藤 俊明, 三好 俊一郎, 小川 ...
    2007 年 27 巻 6 号 p. 635-636
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ベプリジルの洞調律維持による心房のリバースリモデリングが, カテーテルアブレーション治療によい影響を与えた1例を経験した.症例は56歳, 男性で, 2000年より動悸を自覚, 2003年ごろより発作性心房細動 (AF) の頻度が高くなり, 近医にてI群抗不整脈薬の投与を受けたが効果なく, 2005年5月, カテーテルアブレーション治療を目的に当施設を受診した.持続性AFおよび左房径の拡大を認め, レートコントロールと抗凝固療法を開始した.さらにベプリジルを追加投与したところ, 洞調律に回復し, 左房径の縮小を認めた, 2006年9月, カテーテルにより左右の上下肺静脈同時隔離術を施行したが, 翌日, AFが再発したためベプリジル投与を再開した.カテーテルアブレーション施行後3ヵ月ほどで, 患者の自己判断にてベプリジルを中止したが, 以降, AFの再発を認めていない.ベプリジルによる洞調律維持によって心房のリバースリモデリングがもたらされ, カテーテルアブレーション治療によい影響を与えたと考えられた.
  • 上室性不整脈を認めるアスリートに対するピルジカイニドの効果
    祖父江 嘉洋, 奥田 健太郎, 内山 達司, 渡邉 英一, 加藤 千雄, 可児 篤, 尾崎 行男, 菱田 仁
    2007 年 27 巻 6 号 p. 637-638
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    上室性不整脈を認めるアスリートにおいて, ピルジカイニドが有効であった2症例を経験した.症例1は46歳, 男性.10年前より週3回程度, 水泳と重量トレーニングを行っている, 数年前より運動終了時に動悸を自覚, ホルター心電図にて発作性心房細動 (AF) を認めた, Upstream治療としてARBを投与するも, AFおよび上室性不整脈は抑制できなかったが, トレーニング前にピルジカイニド50mgを頓用することで改善を認めた.症例2は46歳, 男性.10年前より週3回程度の重量トレーニングを行っている.1年前よりトレーニング後に動悸を自覚.ホルター心電図にて心房期外収縮 (PAC) を認めた.ピルジカイニド50mg頓用後にトレーニングを行ったがPACは抑制できず, 150mgに増量し改善を認めた.アスリートに合併する上室性不整脈の予防にはピルジカイニドが有効であると考えられた.
  • 持続性心房細動のリズムコントロールに対する一考察―ベプリジルのリバースリモデリング作用vs早期の電気的除細動―
    笠尾 昌史, 新田 宗也, 野崎 みほ, 白井 徹郎
    2007 年 27 巻 6 号 p. 639-641
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    持続性心房細動 (AF) のリズムコントロールを目的とした治療戦略においてベプリジルを選択した場合, べプリジルの投与期間がその後の電気的除細動成功率に与える影響について検討を行った, 対象は持続性AF患者29例であり, 対象をベプリジル投与後4週以内に電気的除細動を施行した早期DC群 (20例) とベプリジル投与後4週以降 (5~37週) に電気的除細動を施行した晩期DC群 (9例) の2群に分け, 両群の電気的除細動成功率を後ろ向きに比較検討した.電気的除細動成功率は, 早期DC群で85%, 晩期DC群で44%と, 除細動成功率は早期DC群で高い傾向を認めた.
    本研究の結果は, 持続性AFのリズムコントロールを目的とし, ベプリジルによるリバースリモデリング作用を期待した治療を行う際に参考になる所見と考えられた.
  • 孤立性心房細動における心房細動周期の日内変動
    坂本 有, 藤木 明, 常田 孝幸, 西田 邦洋, 水牧 功一, 井上 博
    2007 年 27 巻 6 号 p. 642-644
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心房細動周期 (FCL) は主に心房不応期を反映し, また自律神経系の緊張は交感神経・副交感神経ともに心房不応期を短縮し, 心房細動 (AF) を誘発すると考えられる.今回, 心房不応期と自律神経の関係を明らかにするため, 基礎疾患を有しない持続性AF患者30例を対象にFCLの日内変動を検討した.FCLは, ボルター心電図の細動波を周波数解析し算出した.日中と夜間のFCLに差を認めなかったが, 心拍数は夜間, 有意に減少した.また, β遮断薬投与は日中, 夜間ともにFCLを延長したが, 日中よりも夜間にFCLが延長した症例が多く認められた.
    これらの知見より, 孤立性の持続性AFでは, 自律神経のうち交感神経が心房不応期を短縮する主な要因であり, またβ遮断薬投与はFCLを延長することが示唆された.
  • 迷走神経緊張型発作性心房細動とムスカリン受容体遮断作用を有する抗不整脈薬―心拍変動のスペクトル解析を用いての検討―
    宮越 睦, 池田 隆徳, 三輪 陽介, 榊 桂, 石黒 晴久, 阿部 敦子, 塚田 雄大, 米良 尚晃, 中村 健太郎, 柚須 悟, 吉野 ...
    2007 年 27 巻 6 号 p. 645-647
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    シベンゾリンは, ムスカリン受容体遮断を介した作用およびIK, AChチャネルを遮断する作用によって抗コリン作用を発揮する.本研究では, 迷走神経緊張型発作性心房細動 (AF) を対象に, 薬物投与前後の心拍変動のスペクトル解析によりシベンゾリンの効果を定量的に評価した, 対象患者25例にシベンゾリン300mg/日を投与したところ, 19例 (76%) でシベンゾリンが有効と判断された.また, スペクトル解析の結果, シベンゾリンが有効であった症例では, 投与前の高周波 (HF) 成分のパワー値が高い傾向がみられ, 投与前後のHFのパワー値の変化量が有意に大きいことが示された.
    以上より, HFのパワー値の変化量は, 抗コリン作用を有するI群抗不整脈薬の効果を評価する指標として有用と考えられた.
  • 発作性心房細動に対するベプリジルの有効性の比較―夜間発症型vs日中発症型―
    河村 光晴, 小貫 龍也, 伊藤 啓之, 三好 史人, 箕浦 慶乃, 浅野 拓, 丹野 郁, 小林 洋一
    2007 年 27 巻 6 号 p. 648-650
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    近年, ベプリジルが難治性の心房細動 (AF) における洞調律回復効果および洞調律維持効果を有することが報告されている.今回われわれは, 発作性AFでベプリジルを投与している連続55症例を対象に, AFの発症時間に基づき日中発症型群 (30例) と夜間発症型群 (25例) の2群に分類し, AFの発症時間によってベプリジルの効果が異なるかどうかを検討した.その結果, ベプリジル投与により, 夜間発症型群に比べ日中発症型群で洞調律維持効果が有意に高く, 長期間にわたり洞調律が良好に維持された.これらの知見より, ベプリジルが日中発症するAFの洞調律維持に有効である可能性が示された.
  • 当院における低左心機能患者に対する心房細動への治療
    沢 映良, 清水 昭彦, 上山 剛, 吉賀 康裕, 鈴木 慎介, 杉 直樹, 大宮 俊秀, 大野 誠, 松崎 益徳
    2007 年 27 巻 6 号 p. 651-653
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    当科における低左心機能 [左室駆出率 (LVEF) ≦50%] 患者の心房細動 (AF) について, 連続57症例を対象に長期観察し, レトロスペクティブに検討を行った.心機能別に分類した, 中等度心機能低下群 (40%≦LVEF≦50%) と高度心機能低下群 (LVEF<40%) の間の生存率, 新規脳梗塞発症率に有意差は認められなかった, また, AFの発症様式別に分類した, 発作性AFとして登録観察された発作性群, 発作性AFから慢性AFに移行した慢性化群, 慢性AFとして登録観察された慢性群の間の生存率に有意差はなかったが, 慢性化群で低い傾向がみられた.新規脳梗塞発症率については, 慢性化群でやや高めであった.
    本検討より, 低左心機能患者でAFを併発している場合, 発作性AF発症後, 慢性化する症例の経過には特に注意する必要があることが示された.
  • 心腔内除細動および肺静脈隔離術後の心房細動再発予測における高感度CRPの有用性
    大久保 公恵, 渡辺 一郎, 奥村 恭男, 芦野 園子, 小船 雅義, 橋本 賢一, 進藤 敦史, 杉村 秀三, 中井 俊子, 平山 篤志
    2007 年 27 巻 6 号 p. 654-656
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    当施設における慢性および発作性の心房細動 (AF) 例を対象に, 高感度CRP (hs-CRP) がAFの再発予測に有効か否かを検討した, 心腔内除細動 (IACV) および体外除細動 (DC) を施行した慢性AF患者12例を検討したStudy 1では, 7例 (58%) がAFを再発し, 非再発群に比べhs-CRPが有意に高値であった (p<0.04) .肺静脈隔離術 (PVI) を実施した発作性AF患者23例を検討したStudy 2では, 7例 (30%) がAFを再発し, hs-CRPは非再発群より有意に高値であった (p=0.02) .
    hs-CRPは, 慢性AF患者のIACVおよびDC後, または発作性AF患者へのPVI後におけるAF再発の予測に有用であることが示唆された.
  • 肺静脈隔離術後患者における心房細動の早期再発パターンと自覚症状―イベント心電図による検討―
    中澤 優子, 芦原 貴司, 稲垣 菊代, 八尾 武憲, 城日 加里, 伊藤 英樹, 杉本 喜久, 伊藤 誠, 堀江 稔
    2007 年 27 巻 6 号 p. 657-659
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    自覚症状を有する発作性および持続性の心房細動 (AF) 患者で, 肺静脈隔離術 (PVI) を施行した連続37症例を対象に, 携帯型心電計を用いて, PVI後, 早期のAF再発パターンと自覚症状の関連性, および携帯型心電計によるイベント心電図記録の有用性を検討・評価した.その結果, 有症候時記録のうちAFを検出したのは21%にすぎず, 洞調律が39%, 心房期外収縮 (PAC) が40%を占めた.一方, 無症候時記録では, 頻度は低いものの, 5%でAFがとらえられていた, また, 有症候性AFでは動悸などの自覚症状を伴っていたが, 有症候時記録におけるPAC, 洞調律でも同様の自覚症状を伴っており, 自覚症状が必ずしもAF再発を示してはいないことが明らかとなった.
    本研究から, AF患者に対するPVI後のAF再発の評価において, 携帯型心電計による連日の心電図記録が有用であると考えられた.
  • 発作性心房細動における脳性ナトリウム利尿ペプチド変動の意義
    鈴木 誠, 岩塚 良太, 水上 暁, 熊坂 礼音, 長堀 亘, 大野 正和, 荒川 鉄雄, 眞崎 暢之, 松村 昭彦, 橋本 裕二
    2007 年 27 巻 6 号 p. 660-662
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    発作性心房細動 (AF) における脳性ナトリウム利尿ペプチド (BNP) の変動について, 器質的心疾患を有さず強い自覚症状のある発作性AF患者30例を対象に検討を行った, 心電図所見により, 1カ月以上発作がなく外来受診時も洞調律であった群 (SR群) , 受診時AFであった群 (AF群) , 受診後1週間以内に発作を自覚したが受診時洞調律であった群 (AF-SR群) の3群に振り分け, BNPを比較した, SR群は, AF-SR群およびAF群に比しBNPが有意に低値であったが, AF-SR群とAF群の間には有意差はみられなかった.いずれの外来受診時でも洞調律であった症例におけるBNPには有意な変動は認められず, 再現性は良好であった.
    AF発作とBNP上昇には関連性があり, リズムコントロールを試みているAF患者のリズムマネージメントに, BNPの変動が参考になる可能性が示唆された.
  • エビデンスに基づいた心房細動リズムマネージメントの展望
    小川 聡
    2007 年 27 巻 6 号 p. 663-667
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心房細動 (AF) を対象に海外で実施されたこれまでの臨床試験では, レート治療に対するリズム治療の優位性が示されていない.そうしたなか, 日本独自のガイドラインに従って実施されたJ-RHYTHM試験では, 発作性AFにおけるリズム治療群でレート治療群に比べ有意に優れたイベント回避生存率が得られた.また, 死亡および心・血管系イベントは, 発作性AF, 持続性AFともにリズム治療群とレート治療群で差はみられなかったが, 「被験者の基本的治療法に対する忍容性」の改善効果はリズム治療群で有意に優れていた, 本試験の結果から, 発作性AFにはQOL重視の観点からリズム治療が推奨されることが明らかとなった.
  • 総合討論心房細動: 基礎病態と発症パターンに応じたリズムマネージメント
    2007 年 27 巻 6 号 p. 668-670
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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