心電図
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28 巻, 1 号
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  • 堀江 稔, 奥村 謙
    2008 年 28 巻 1 号 p. 5
    発行日: 2008/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 小松 隆, 中村 元行, 奥村 謙
    2008 年 28 巻 1 号 p. 6-14
    発行日: 2008/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    【目的】発作性心房細動 (発作性AF) に対する予防効果をアンジオテンシン変換酵素阻害薬 (エナラプリル; 5mg/日) と他剤との併用の有無で比較し, さらに併用療法における有効例の臨床像ならびに構造的リモデリング進展の予防効果も検討した.【方法】対象は有症候性発作性AF 334例 (男性228例, 女性106例, 年齢69±12歳) であり, エナラプリル併用群 (A群) ならびに非併用群 (B群) に振り分けて比較した.第一選択薬としてジソピラミド (300mg/日) , アプリンジン (60mg/日) , シベンゾリン (300mg/日) を, AF再発例に第二選択薬としてピルジカイニド (150mg/日) , フレカイニド (150mg/日) , ベプリジル (150mg/日) を, AF再々発例に第三選択薬としてアミオダロン (200mg/日) あるいは他剤1群抗不整脈薬を投与した.本研究の平均観察期間は60±35カ月であった.【結果】 (1) 抗不整脈薬別の再発予防効果: 第一選択薬群ならびに第二選択薬群では, いずれの薬剤でも両群に有意差を認めなかった, 一方, 第三選択薬群では, アミオダロン内服後の観察期間12カ月ならびに24ヵ月目の非再発率がA群80%, 64% (n=25) , B群45%, 30% (n=33) で, B群に比しA群で有意に高率であった (p<0.05) . (2) 有効例の臨床像: AFの病歴期間が3ヵ月未満例 (A群; n=35, B群; n=69) における観察期間48カ月目の慢性化阻止率はA群97%, B群83%で, B群に比しA群で有意に高率であった (P<0, 05) .基礎心疾患を有する例 (A群; n=38, B群; n=64) における観察期間60カ月目の慢性化阻止率はA群94%, B群74%で, B群に比しA群が有意に高率であった (P<0.05) , 高血圧を合併した例 (A群; n=42, B群; n=61) における観察期間24カ月目の慢性化阻止率はA群96%, B群83%で, B群に比しA群が有意に高率であった (p<0.05) . (3) 構造的リモデリング進展の予防効果: 複数の1群抗不整脈薬とAFが再発したため投与したアミオダロンとの併用例 (A群; n=25, B群; n=33) における治療開始前後 (平均観察期間38±22カ月) の左房径は, A群ではそれぞれ39, 1±5.Omm, 41.0±5.Ommで有意な変化を認めなかったが, B群では35, 2±6.2mm, 40.2±63mmで, 治療開始前に比し治療開始後においては有意に高値であった (p<0.01) .【結語】発作性AFにおけるRAAS阻害薬の併用療法によりAFの慢性化阻止効果が示され, 特に病歴期間の短い例 (3カ月以内) , 基礎心疾患例ならびに高血圧合併例にその有効性が期待される.また, アミオダロンとの併用療法により, AFの再発予防効果のみならず心房筋における構造的リモデリング進展の予防効果も期待される.
  • 熊谷 浩一郎
    2008 年 28 巻 1 号 p. 15-21
    発行日: 2008/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    アンジオテンシンIIは, AT1受容体に結合し, G蛋白を介してCa2+過負荷をきたす.またPLCの経路からPKC, MAPKを産生し, 心肥大・間質の線維化のシグナルを活性化する, ストレッチにより, AT1の活性化が生じ, Ca2+過負荷をきたし, 撃発活動や異常自動能が発現すると推測される.RASの抑制は, 短期的な電気的リモデリングを抑えるだけでなく, 線維化のような長期的な構造的リモデリングに対しても抑制効果がある.また, ARBはreverse-remodeling作用, 抗炎症作用も有する.このように, RAS阻害は, 心内圧, 心筋壁ストレッチの軽減, イオン電流への影響, 交感神経系への影響, 電解質バランスの安定化, 心筋の電気的・構造的リモデリングの抑制, 抗炎症作用などにより不整脈を予防しうると考えられる.
  • 蔦本 尚慶, 林 優, 田中 俊成, 西山 敬三, 山本 孝, 山路 正之, 藤井 応理, 伊藤 誠, 堀江 稔
    2008 年 28 巻 1 号 p. 22-31
    発行日: 2008/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    RALES (Randomized Aldactone Evaluation Study) 試1験やEPHESUS (Eplerenone Post-AMI Heart Failure Efficacy and Survival Study) 試験の結果, 慢性心不全や急性心筋梗塞患者においてACE阻害薬などの標準治療薬に抗アルドステロン薬を併用することが心不全死や突然死の改善につながることが証明された.左室駆出率 (LVEF) 低下と左室リモデリングは心室性不整脈の主要な原因である, われわれは, 抗アルドステロン薬の左室リモデリング抑制効果を慢性心不全患者, 急性心筋梗塞患者で検討した.すでにスピロノラクトン (Spi) 以外の標準治療を受けている心不全患者を対象に, 無作為にSpi投与群, 非投与群に割り付け4カ月観察した, 4ヵ月後に, Spi投与群においてのみLVEFの改善, 左室拡張末期容積の減少, BNP濃度の低下, 皿型プロコラーゲン濃度の低下を認めた.したがって, RALES試験の予後改善効果に左室リモデリング改善作用が示唆された.最近, 急性心筋梗塞患者で入院時のアルドステロン濃度が高い患者は, 致死的不整脈による死亡率が高いと報告された.われわれは, 134名の急性心筋梗塞患者を対象にACE阻害薬などの標準治療群とSpi併用群で急性期と, 1ヵ月後の左室機能を比較検討した.その結果, Spi併用群で1カ月後のLVEFは保持され, 左室拡張末期容積は小さくなり左室リモデリングが抑制された.またSpi併用群では心筋線維化の生化学的指標とされる皿型プロコラーゲン濃度も有意に低下していた.したがって, 急性心筋梗塞後の左室リモデリングは従来のACE阻害薬などの標準治療にSpiを併用することで改善する可能性があり, EPHESUS試験においても予後改善効果に左室リモデリング抑制作用の関与が示唆された.抗アルドステロン薬は, 左室リモデリング抑制作用などにより致死性不整脈を減少させる可能性がある.
  • 大草 知子
    2008 年 28 巻 1 号 p. 32-40
    発行日: 2008/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心筋細胞のギャップ結合構成蛋白であるconnexin (Cx) の変化は興奮伝播異常を引き起こし, リエントリーの重要な原因になることがしられている.さまざまなストレスにより活性化されたレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系 (RAAS) は, 心臓の構造や心筋細胞の電気生理学的特性を変化させる.RAASのギヤツプ結合リモデリングへの関与と, RAASの制御は不整脈のupstream治療となりうるか否かを, in vitro実験系で検討した, (1) 新生仔ラット培養心筋細胞を用い, Cx43の遺伝子, 蛋白質発現量, 発現分布, およびmulti-electrode extra-cellular mappingシステムによる興奮伝播速度 (CV) の解析を行った.その結果, 培養心室筋細胞への高頻度電気刺激は, 短時間で心筋細胞のアンジオテンシンII (AngII) 産生をきたし, MAPK系の活性化を介してCx43発現量を増加させた.同時に, CVが増加して重要な不整脈基質となることが証明された.また, losartanによりこれらの変化は抑制された. (2) AngIIの下流であるアルドステロン (ALD) のCx43に及ぼす直接的な影響を検討した.10-8MALDの添加にてCx43遺伝子, 蛋白質発現量およびCVは24時間後に有意に増加したが, 10-6~10-4MALDはCx43発現量を減少させた.ALDは鉱質コルチコイド受容体または糖質コルチコイド受容体に作用することがしられている.各受容体拮抗薬の効果を検討した結果, 10-8MALDのCx43増加作用はMR拮抗薬であるエプレレノンのみにて抑制された.一方, 10-6~10-4MALDのCx43発現量抑制作用にはいずれの拮抗薬も影響を与えなかった.ALDは10-6M以上の濃度でapoptosisを誘導するという報告もあり, 濃度依存性に異なるギャツプ結合リモデリング作用を有することが示された.以上より, RAAS活性化は直接的に心筋細胞Cx43発現量を調節し, 細胞の興奮伝播特性に変化をきたして不整脈発生基盤となるため, RAAS拮抗薬はギャップ結合リモデリングを制御する不整脈のupstream治療となる可能性があると考えられた.
  • 永田 浩三, 小畑 孝二, 許 京欄, 加藤 まゆ子, 宮地 正朗, 矢澤 宏樹, 坪井 公司, 山田 高資, 西澤 孝夫, 野田 明子, ...
    2008 年 28 巻 1 号 p. 41-52
    発行日: 2008/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    不整脈は心不全患者における主要な死因となっている.われわれはミネラロコルチコイド受容体 (MR) 拮抗薬が低アルドステロン性高血圧ラツトにおいて心肥大・心不全を抑制するか否かを検討した.Dahl食塩感受性 (DS) ラットに対して, 非降圧量のエプレレノンを心肥大期から心不全期まで経口投与した.未治療心不全群では血漿レニン活性およびアルドステロン濃度は対照群と比べて約50%低値であったが, 冠血管周囲のマクロファージ浸潤とともに心肥大・心線維化は著明に増加した.また, 心筋のMR, monocyte chemoattractant protein 1およびosteopontinのmRNA発現量も増加したが, エプレレノン投与により冠血管炎症および心不全とともにこれらの遺伝子発現の変化が抑制された.さらに, 少なからず認められた突然死例はエプレレノン投与により消失した.エプレレノンは不全心筋において認められる還元型と酸化型グルタチオンの比 (GSH/GSSG) の減少およびNADPHオキシダーゼ活性の増加をともに抑制した.以上の結果より, 低アルドステロン性高血圧ラットにおいてエプレレノンを用いたMR遮断により, 降圧効果とは無関係に心肥大・心不全が抑制されることが示された.エプレレノンの心臓に対する有益な効果のうち少なくとも一部はグルココルチコイドによって活性化されるMRによって誘導される心筋酸化ストレスと冠血管炎症の抑制に起因すると考えられた.また, MR拮抗薬は心不全患者の不整脈死の抑制にも有効である可能性が示唆された.
  • 河村 光晴, 伊藤 啓之, 小貫 龍也, 三好 史人, 箕浦 慶乃, 浅野 拓, 丹野 郁, 小林 洋一
    2008 年 28 巻 1 号 p. 53-59
    発行日: 2008/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    今回われわれは難治性心房細動 (難治性AF) に対し高い洞調律復帰効果および洞調律維持効果を有するベプリジルとカンデサルタンおよびカルベジロールの併用が洞調律維持に有効かどうかを前向きに検討した.対象は発作性または持続性AFの患者133例.男性77例, 女性56例で平均年齢は67±12歳であり, 患者背景に有意差は認めなかった, 平均観察期間はべプリジル内服後15ヵ月で133例中81例 (61%) で洞調律維持可能であった.内訳はカンデサルタン併用群では44例中31例 (70%) , カルベジロール併用群では44例中29例 (66%) , ベプリジル単独群では45例中21例 (47%) で洞調律維持可能でありカンデサルタン併用群とベプリジル単独群間で有意差を認め, AFの洞調律維持に有効であった (p=0, 01) .持続性AFではカンデサルタン併用群力ルベジロール併用群ともにベプリジル単独群と比べ有意に洞調律維持可能であった.経過中にtorsades de pointesは認めなかった.
  • 森崎 倫彦, アブラ アブライテ, 五関 善成, 矢崎 義直, 荒田 宙, 小野 晴稔, 石山 泰三, 山科 章
    2008 年 28 巻 1 号 p. 60-66
    発行日: 2008/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    慢性心房細動 (CAF) 患者における心拍変動は予後予測に有用であると報告されているが, 時間領域解析の指標であるpRR50a (先行RR間隔より50msec以上長いRR間隔を示す割合) , pRR50b (同じく50msec以上短いRR間隔を示す割合) について充分な検討はなされていない.2003年1月~2005年12月にホルター心電図を施行したCAF患者94症例を対象とし, 平均RR間隔と時間領域解析の指標であるSDRR, pRR50, pRR50a, pRR50bを計測した.またpRR50bとpRR50aの比をb/a比と設定し, 時間帯による変動と内服薬との関係についても検討した.平均RR間隔, SDRR, pRR50はいずれも日中低下し夜間に増加した.b/a比はβ遮断薬単独内服群では無投薬群と比べ夜間帯に差を認めないものの, 日中の時間帯に有意に高値となった (1.452vs1.326, p<0.05) が, ジギタリス製剤単独内服群ACE阻害薬・ARB単独内服群においては無投薬群と比べ差はなかった.CAF患者において, 内服の有無により時間領域解析の変動パターンが異なることが示され, b/a比といった新しい指標が交感神経活性の何らかの影響を反映している可能性が考えられた.
  • 渡邉 英一
    2008 年 28 巻 1 号 p. 67
    発行日: 2008/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 杉山 裕章, 相良 耕一, 山下 武志, 大塚 崇之, 朝田 一生, 平野 景子, 山田 純也, 御厨 彰義, 田邉 大明, 澤田 準, 傅 ...
    2008 年 28 巻 1 号 p. 68-75
    発行日: 2008/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    症例は65歳, 男性.拡張型心筋症および慢性腎不全にて他院フオロー中であった, 2007年6月, 透析中に心室細動 (VF) を発症し電気的除細動で蘇生されたため, 植込み型除細動器の適応とされ当院へ紹介入院となった.著明な心拡大・心機能低下および心不全症状 (NYHAIII) を認めるため両室ペーシング機能付き植込み型除細動器 (CRT-D) 植込み術を施行した.同日に施行した除細動閾値 (DFT) テスト時に誘発されたVFは最大出力でも停止不能であり, 体外式除細動を要した.以後, 種々のプログラミング変更, 高出力デバイスへの交換, 皮下アレイ植込みなどを順次施行したが確実な除細動は得られなかった.重症心不全に加え左上大静脈遺残による右側胸部植込み, アミオダロン内服などがDFT高値に関与したと考えられた.本症例は今後ますます増加が予想されるCRT-D症例における対処につき示唆に富むと考えられたため報告する.
  • 清水 昭彦
    2008 年 28 巻 1 号 p. 76-77
    発行日: 2008/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 柴田 仁太郎, 小船井 良夫
    2008 年 28 巻 1 号 p. 78-79
    発行日: 2008/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 堀江 稔
    2008 年 28 巻 1 号 p. 80
    発行日: 2008/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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