心電図
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28 巻, 4 号
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  • 萩原 誠久
    2008 年 28 巻 4 号 p. 261-262
    発行日: 2008/08/08
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 戸田 直, 芦原 貴司, 渡辺 淳, 白土 邦男, 池田 隆徳, 中沢 一雄
    2008 年 28 巻 4 号 p. 263-272
    発行日: 2008/08/08
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    【目的】心室細動 (VF) のcritical mass仮説をコンピュータシミュレーションを用いて検討し, VFの持続に必要な条件を明らかにする.【方法】哺乳類心室筋細胞の数学モデルであるLuo-Rudyモデルを用いて均質等方性の仮想心筋を構築し, critical massの測定およびcritical massに対する心筋形状の影響を検討した.【結果】critical massは立方体形状で8.8cm3であったが, 直方体形状では直交する3辺の長さに応じてcritical massの値は変化した.心筋体積が8.2~30.9cm3では心筋形状によって停止, 二次元的なスパイラルリエントリーとして持続, もしくは三次元的に持続する場合とに分けられた, VFの持続に関与する心筋形状の因子は心筋の厚みと最大断面積で, 厚みが薄くなるにつれてVFの持続が困難となり, その際に心筋の最大断面積が十分に広いと二次元的なスパイラルリエントリーとして持続した.【結論】VFの持続は単純に心筋量によってのみ規定されるのではなく, 心筋形状に大きな影響を受けることが明らかとなった.この結果は, 新しい細動性不整脈の治療戦略を開発する際の理論的基盤になるものと考える.
  • 佐久間 一郎
    2008 年 28 巻 4 号 p. 273-274
    発行日: 2008/08/08
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 河田 宏, 三田村 秀雄, 長谷川 祐, 庄司 容子, 平田 直己, 國廣 崇, 中川 晋, 宇井 進
    2008 年 28 巻 4 号 p. 275-282
    発行日: 2008/08/08
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    Brugada症候群は器質的心疾患がないにもかかわらず, 致死的心室性不整脈を起こすことで知られるが, その特徴的な前胸部誘導V1~V3のST上昇は種々の刺激によって変動する.今回, われわれは発熱によりST上昇が顕在化したBrugada型心電図を有する症例を3例経験した.3例のうち2例はウイルス性上気道感染を契機とした発熱で, 1例は蜂窩織炎が原因であった.STは体温の上昇とともに上昇し, 解熱とともに回復したため, ST上昇の程度と体温の上昇の程度の関連性が示唆された, これらの所見はBrugada型心電図を示す症例におけるチヤネル異常が体温依存性に変動することを示すとともに, 発熱の程度によっては致死性心室性不整脈が誘発される可能性も示唆される.発熱によってBrugada型心電図を示す症例では, 原因にかかわらず, 速やかな解熱がすすめられる.
  • 平岡 昌和
    2008 年 28 巻 4 号 p. 283-284
    発行日: 2008/08/08
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 箕浦 慶乃, 近藤 誠太, 塚本 茂人, 小貫 龍也, 河村 光晴, 浅野 拓, 丹野 郁, 小林 洋一
    2008 年 28 巻 4 号 p. 285-292
    発行日: 2008/08/08
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    失神の既往のある35例 (46.5±20.0歳) と対照10例 (39.4±8.0歳) にホルター心電図とインピーダンス心機能自動計測器 (Task Force Monitor) を用いてheadup tilt test (HUT) を施行した.HUTのみでは10例が陽性で (単独失神群; 44.6±23.2歳) , 薬剤負荷後 (イソプロテレノール0.01μ/kg/min, またはイソソルビド1.25mg/kg) では8例が陽性であった (負荷失神群48.9±21.3歳) , 薬剤負荷後も陰性であったのは17例であった (陰性群) 、HUT中安静時, 失神群 (単独失神群, 負荷失神群陰性群) は対照群に比べHFnuが高値 (p<0.01) で, LFnu, LF/HFは低値 (p<0.05) であった.対照群は起立後HFnuが低下し, LFnu, LF/HFは上昇した.単独失神群では安静時と比べそれらに差は認めなかった.負荷失神群ではHFnuが低下し (p<0.05) , LFnuが上昇したがLF/HFに差はなかった.ホルター心電図では, 単独失神群では夜間のHFが日中に比べ高値であった (p<0.05) .
    夜間のHFがホルター心電図で高値を示す症例はHUT陽性になる可能性が示唆された.
  • 田邉 晃久
    2008 年 28 巻 4 号 p. 293-294
    発行日: 2008/08/08
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 三宅 誠, 長岡 伊織, 貝谷 和昭, 坂本 二郎, 樋口 貴文, 吉谷 和泰, 本岡 眞琴, 和泉 俊明, 泉 知里, 玄 博允, 小西 ...
    2008 年 28 巻 4 号 p. 295-302
    発行日: 2008/08/08
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    症例は生来健康な18歳男性.幼少時から水泳部に所属.16歳時, 水泳の練習直後に失神を起こし当院に搬送された.心電図にて心室性期外収縮やショートランを認めたため入院, 健診で心電図異常を指摘されたことなく, 心臓病や突然死の家族歴もなし.入院後は心電図モニターで非持続性心室頻拍 (非持続性VT) を頻繁に認めた.VT時の12誘導心電図が下方軸+左脚ブロックを呈したため, 右室流出路起源と考えた.心エコー図で右室・右房の拡大を認め, 右室造影検査でも右室拡大と右室流出路の壁運動低下を認めた.以上より不整脈源性右室心筋症 (ARVC) と診断した.β遮断薬内服治療によりVTは減少したが, ときにショートランを認めるため, 3カ月後にアブレーション治療を実施した.以後の病状は安定している.ARVCの遺伝子検査で, デスモゾームの構成蛋白の一つであるplakophilin-2の遺伝子PKP2の変異が発見された.
  • 萩原 誠久
    2008 年 28 巻 4 号 p. 303-304
    発行日: 2008/08/08
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 池田 隆徳
    2008 年 28 巻 4 号 p. 305
    発行日: 2008/08/08
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 三好 俊一郎, 板橋 祐史, 古田 晃, 吉良 真一郎, 佐藤 俊明, 福本 耕太郎, 西山 信大, 肥田 直子, 佐竹 正樹, 清水 達也 ...
    2008 年 28 巻 4 号 p. 309-315
    発行日: 2008/08/08
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    近年, 幹細胞からの心筋再生の研究が進み, 心筋再生療法が現実味を帯びてきた.しかしその実践には多くのハードルがある.その一つに, 移植した幹細胞の組織への生着効率の低さが指摘されている.幹細胞移植では幹細胞を培養で増殖させたうえで移植する.従来は移植直前に細胞を酵素反応によって単離した後移植していたが, 生着率の低い原因の一つとして酵素反応が細胞固有の接着因子や培養中に構築された3次元構造を破壊することが考えられていた.近年バイオテクノロジー技術を駆使して酵素反応を用いずに培養細胞を回収する方法が考案された.その代表的なものに低温度によって疎水性が親水性に変化するポリマーコーティングを培養皿表面に行うことで, 培養中に再構築された3次元構造や内因性接着因子を破壊せずに温度変化により回収する方法がある.この方法で回収された細胞は1枚のシート状の組織片となっているため細胞シート技術とよばれている.また移植後に過度な細胞集積がないため, 細胞死を生じにくく, 生着効率がきわめて高い特徴を有することが知られている.しかしこのような方法で移植した再生心筋組織が, ホスト心筋組織と同期しなければ, 心臓全体としての心機能改善には寄与しないため, 移植片とホストとの電気的同期現象の確立が重要な課題であった.そのためわれわれは心筋細胞と移植片が, 移植後にホストと同期して収縮するか否か, また移植後に不整脈などを生じさせるか否かを検討した.
  • 李 鍾国
    2008 年 28 巻 4 号 p. 316-320
    発行日: 2008/08/08
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    再生医学の進歩により, 種々の幹細胞から心筋細胞への分化誘導が可能となり, 心疾患治療への応用が期待されている.これら幹細胞由来心筋細胞の生体への移植については, 従来細胞を局所に注入する方法により行われてきた, しかしながら, 比較的均一な細胞集団である心室や心房などの作業心筋と異なり, 洞結節などの組織においては, その機能を維持するために特異的な構造 (細胞配列) を有している.そのため, 幹細胞由来心筋細胞を用いて洞結節のような組織を構築するには, 生体が本来有している細胞配列を再現する必要がある.著者らは, 磁性微粒子による心筋細胞の標識, 磁場を用いた細胞パターニングなどの生体ナノ工学的手法を用いることで, 安定した興奮生成・伝導を示す心筋細胞シート作成法を確立した.
  • 小野 克重
    2008 年 28 巻 4 号 p. 321-327
    発行日: 2008/08/08
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心筋細胞は刺激伝導系に分布する特殊心筋と心房筋や心室筋を構成する作業心筋に分類される.このような機能による細胞の区別は心臓の発生初期から経時的かつ空間的に進行し, 最終的にイオンチャネルや受容体, あるいは収縮蛋白という細胞内小器官の発現の有無やその量的差異によって形成される.心室筋細胞は内向き整流K+チャネルの発現が豊富であるため深い静止膜電位を維持することができ, 洞房結節細胞は内向き整流K+チャネルの発現が乏しくT型Ca2+チャネルや過分極誘発内向き陽イオンチャネルの発現が多いために自動能を有する.一方, 肥大心や不全心などの病的心筋では形態的リモデリングに伴い, 細胞の電気的興奮性の変化が生じる.これを電気生理学的リモデリングとよぶ.リモデリングに伴う細胞のイオン電流の変化は単に発現チャネルの増減という量的変化にとどまらず, 本来の正常成熟心筋では認められないイオンチャネルが発現したり, 刺激伝導系細胞に特異的に発現するイオンチャネルが作業心筋細胞に発現するなどの質的変化も伴う.病的心筋細胞では胎生型遺伝子の再発現が認められる.このような胎生型遺伝子のpromoter領域には, 心筋の分化発生に重要な役割を果たす転写因子であるCsx/Nkx2.5, GATA4あるいはMEF2Cなどの結合部位が存在し, この転写因子群の複合作用によってあたかも心臓が未分化細胞から発生分化するような段取りで病的心筋はリモデリングを受ける.このような心筋特異的転写因子を心臓の特定部位で制御することで自身の心臓内の作業心筋細胞を自動能を有する結節型細胞に形質変換できる可能性がある.
  • 永谷 憲歳
    2008 年 28 巻 4 号 p. 328-332
    発行日: 2008/08/08
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    昨今の医療技術の進歩に伴い, 傷害を受けた組織や臓器の治療方法として幹細胞を用いた再生療法の応用が期待されている, 循環器領域の再生医療には血管再生治療と心筋再生治療が存在するが, 拡張型心筋症などの重症心不全には, 心筋と血管の両者を再生させることが理想である.近年, 心不全に対する再生医療として, 骨髄単核球 (mononuclear cells; MNC) , 骨格筋芽細胞, 間葉系幹細胞 (mesenchymal stemcells; MSC) などのさまざまな細胞系を用いた細胞移植治療が試みられるようになってきた.非自己の細胞を用いる場合には拒絶反応への対応が必要であり, 倫理的な問題がある.これらの問題を回避し得るものとして自己細胞を用いた再生医療, 特に骨髄由来の幹細胞や前駆細胞を用いた細胞移植治療が注目されている, 本稿では, 骨髄細胞, 特に自己の骨髄間葉系幹細胞を用いた心不全治療の可能性について述べる.
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