各種心疾患患者の心室性頻拍症 (VT) の特徴をHolter心電図法を用いて検討した。
VTの平均rateは160.7±2.3心拍/分で, 先行洞調律のrate (81.8±1.0心拍/分) と中等度の正相関 (r=0.61, p<0.01) を示した。VTの持続は3~4連発のものが過半数 (73%) を占め, 大部分のVTは心拍数100/分以下の日常労作に伴って認められた。
VTのprematurity indexは1.118±0.015で, 過半数 (58%) が1.0以上の値を示し, VTのrateと中等度の負相関 (r=-0.64, p<0.01) を示した。VTのvulnerability indexは0.713±0.009で, 98.1%が1.1以下の小さい値を示した。
VTは昼間に最も多く (昼型>夜型>混合型) , 夜間のVT発生数は昼間の約%で, 頻発型VTはすべて昼型に属していた。この頻発型VTは単発例に比べてVTのrateが速く, vulnerability indexが大きくなる傾向を示し, 本症の予後を考える場合, VTのsubgroupによる詳細な検討が必要と考えられた。
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