本研究は,臨床的にカテコラミン誘発性多形性心室頻拍(CPVT)が疑われる20例とその家族12例を対象に,心筋リアノジン受容体(
RyR2)の遺伝子解析を行った.また
RyR2遺伝子異常の有無による臨床症状の相違について検討した.発端者20例のうち9例(同定率:45.0%),家族12例のうち3例(同定率:25.0%)において
RyR2の遺伝子変異を認めた.
RyR2変異を認めたCPVT患者には二方向性心室頻拍(bVT)が有意に多く(感度:77%,特異度:72%),QT間隔の延長のないQT延長症候群(特にtype1)との区別に有用と考えられた.また
RyR2の遺伝子変異を有するCPVT患者において心房不整脈が有意に認められ,
RyR2と若年性の心房不整脈の関与が示唆された.
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