心電図
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32 巻, 2 号
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Editorial
原著
  • 八島 正明, 加藤 貴雄, 吉田 朱美, 小杉山 亜衣, 関口 清治, 水野 杏一
    2012 年32 巻2 号 p. 137-144
    発行日: 2012年
    公開日: 2015/07/01
    ジャーナル フリー
    近年,日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)-E14ガイドラインが厚生労働省から公表,規制化されたことにより,臨床試験において正確で信頼性の高いQT間隔計測システムが求められるようになった.われわれは独自に開発したコンピュータ補助接線法QT間隔計測システムの信頼性を,検査技師研修プログラム(4週間)の成績から検証した.健常者20例の12誘導心電図を用い,全誘導のそれぞれ2心拍,計480心拍の計測を2回行い,2名の熟達技師の計測平均値を基準に,基準値との差(計測者間差)と2回の計測値の差(計測者内差)における平均値,標準偏差,相関係数(R2)を求めた.熟達技師2名の計測者間差は0.01±7.02msec,相関係数(R2)は0.93であった.研修技師3名(A,B,C)の計測値と基準値との差は平均0.76±6.22msec,0.13±5.70msec,2.05±6.53msecであり,各研修技師の2回の計測値の相関係数(R2)は0.94~0.97であった.本研究で用いた半自動計測システムは,接線を引くパターン認識作業に習熟することでT波終末部決定の精度と再現性を確保する方式であり,短期間の技師研修でも高い信頼性が確認できた.
症例
  • 眞木 高之, 里見 和浩, 高木 雅彦, 越田 俊也, 宮廻 英司, 山下 晋, 山口 雄大
    2012 年32 巻2 号 p. 145-151
    発行日: 2012年
    公開日: 2015/07/01
    ジャーナル フリー
    症例は57歳,男性.10年前に心不全で入院した際,心房細動(AF)および拡張型心筋症(DCM)と診断された.その後,永続性AFにより心不全入院を繰り返していたため,心機能の改善目的にカテーテルアブレーションを施行したが,術前同様左肺静脈は巨大共通幹を呈していた.同側両側拡大肺静脈隔離術による左肺静脈隔離後,隔離された左肺静脈内に左房とは独立して持続する頻拍(pulmonary vein tachycardia : PVT)を認めた.PVTは,3D mappingとentrainment studyにて,マクロリエントリー性頻拍と証明された.
  • 澤崎 浩平, 佐藤 照盛, 高山 洋平, 横田 成紀, 森田 康弘, 小林 正和, 武藤 真広
    2012 年32 巻2 号 p. 152-159
    発行日: 2012年
    公開日: 2015/07/01
    ジャーナル フリー
    症例は79歳の女性.20歳頃より時々動悸を自覚していたが,78歳時より急激に悪化した.今回,呼吸困難をきたし急性心不全に陥ったため,入院となった.入院後のモニターでは,Wide QRS頻拍が頻回に出現し,心機能が低下していたことから頻拍誘発性心筋症が疑われた.電気生理学的検査を施行すると,副伝導路は順伝導,逆伝導ともに左側壁が最早期であったため,左側壁の副伝導路と診断された.高位右房および右室からの期外刺激により,容易にWide QRS頻拍が誘発された.この頻拍は,洞調律時と似たQRS波形を呈し,心室波の最早期興奮部位がCS1-2,逆伝導が長く最早期心房興奮部位が冠静脈入口部であることより副伝導路を順伝導し,遅伝導路を逆伝導する房室回帰性頻拍(atrioventricular reciprocating tachycardia : antidromic AVRT)と考えられた.また,偶然出現した心室期外収縮により房室結節を順伝導し,副伝導路を逆伝導する房室回帰性頻拍(orthodromic AVRT)も誘発された.アブレーションを行い,WPW症候群の治癒により心機能の改善が認められた.
心電学マイルストーン
モデル解析の視点
心電図講義
循環器フォーラム2011 不整脈薬物治療フォーラム
  • 清水 渉
    2012 年32 巻2 号 p. 187-189
    発行日: 2012年
    公開日: 2015/07/01
    ジャーナル フリー
    特発性心室細動(IVF)は,明らかな器質的心疾患を認めない患者にみられる心室細動である.この範疇には,Brugada症候群,早期再分極症候群(ERS),狭義のIVF(心電図異常なし)などが含まれる.Brugada症候群では右側胸部誘導においてJ点およびST上昇,ERSでは後下壁誘導で早期再分極またはJ波といった特徴的な心電図所見が認められる.近年,これらの心電図所見が同一の機序で出現しているとし,併せて「J波症候群」として取り扱うべきとの提唱もある.一方で,これら2つの疾患ではNa+チャネル遮断薬静注による反応が異なることから,心電図所見の出現機序は同一でない可能性も考えられる.
  • 蒔田 直昌
    2012 年32 巻2 号 p. 190-192
    発行日: 2012年
    公開日: 2015/07/01
    ジャーナル フリー
    先天性QT延長症候群(LQTS)は,心電図上にQT時間の延長とtorsade de pointes(TdP)と呼ばれる重症心室性不整脈を生じて,失神や突然死をきたしうる疾患で,現在までに13の遺伝子型(LQT1~13)が報告されている.このうちLQT1,LQT2,LQT3の3つの遺伝子型の頻度が全体の75%を占めており,それぞれ原因遺伝子であるKCNQ1,KCNH2,SCN5Aの異常が報告されている.先天性LQTSでは,あらかじめ遺伝子型を知ることが,TdPの予防および治療において重要であり,鑑別にはエピネフリン負荷試験が有用である.遺伝子型特異的治療として,LQT1ならびにLQT2では,β遮断薬が第一選択であり,LQT3ではIb群のNaチャネル遮断薬(メキシレチン)の投与やペースメーカ治療が有用とされている。
  • 福田 恵一
    2012 年32 巻2 号 p. 193-195
    発行日: 2012年
    公開日: 2015/07/01
    ジャーナル フリー
    ヒト線維芽細胞から作製される人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った研究が,さまざまな領域で注目を集めており,循環器領域でも再生医療・心疾患の病態解明・創薬ツールとして期待が寄せられている.われわれは末梢血中のT細胞を用いることにより,非侵襲的に1ヵ月でiPS細胞を樹立し,心筋細胞へと分化誘導させることに成功した.さらに現在,遺伝性QT延長症候群患者の血液から疾患モデル心筋細胞を樹立し,疾患の病態を解析する多施設共同研究を行っている.この解析では,各イオンチャネルに対する抗不整脈薬の直接作用の観察に加え,不整脈の疾患モデル心筋細胞を試験管内に樹立し,遺伝性不整脈の病態解析,薬物に対する効果判定を行っている.iPS細胞に関連する種々の技術は,遺伝性心筋疾患の病態解析や創薬,治療法開発に大きく寄与するものと考える.
  • 中里 祐二
    2012 年32 巻2 号 p. 196-198
    発行日: 2012年
    公開日: 2015/07/01
    ジャーナル フリー
    持続性心房細動(AF)に対して洞調律維持治療(リズムコントロール)を行う場合の第一選択薬であるベプリジル,アミオダロン,ソタロールの有効性とベプリジルの安全性について考察した.持続性AFに対する3剤の有効性を検討した複数の臨床試験を概観すると,除細動率はベプリジル69%,アミオダロン27%,ソタロール24%であり,ベプリジルの高い有効性が示されている.一方,ベプリジルによる治療中は,torsade de pointesや間質性肺炎といった致死的な副作用が発現することがあるため,十分な観察を行いながら慎重に投与することが重要である.
    保険適用なし
  • 池田 隆徳
    2012 年32 巻2 号 p. 199-201
    発行日: 2012年
    公開日: 2015/07/01
    ジャーナル フリー
    心房細動(AF)の治療においては,心拍数調節治療(レートコントロール)と洞調律維持治療(リズムコントロール)に差がないことが複数の大規模臨床試験で示されて以降,レートコントロールの重要性が再認識され,治療薬としてβ遮断薬が注目を集めている.レートコントロールで使用されるβ遮断薬は,β受容体遮断作用が強く,内因性交感神経刺激作用を有さず,脂溶性であることなどが望ましい.なお,自覚症状のあるAF患者に対しては,リズムコントロールが有用である.AFに対する治療においては,症状の有無や発症要因を考慮し,適切な薬剤を選択することが重要である.
  • 是恒 之宏
    2012 年32 巻2 号 p. 202-204
    発行日: 2012年
    公開日: 2015/07/01
    ジャーナル フリー
    心原性脳塞栓症は心房細動などの基礎心疾患が原因で形成された血栓が脳動脈を閉塞させる疾患で,病巣が広範囲にわたり重症化することが多い.心原性脳塞栓症の予防には抗血栓療法が重要であり,抗凝固剤ワルファリンがその中心である.しかし,ワルファリンによる抗凝固療法は有効性が高い一方で出血リスクも高く,食事や併用薬との相互作用も懸念されるなど,安全性や利便性に関する指摘もある.近年,ワルファリンに代わる新規抗凝固剤として経口抗トロンビン剤が発売され,また,FXa阻害剤の開発が進んでおり,今後,心原性脳塞栓症予防のパラダイムシフトが期待される.
  • 熊谷 浩一郎
    2012 年32 巻2 号 p. 205-207
    発行日: 2012年
    公開日: 2015/07/01
    ジャーナル フリー
    心房細動(AF)に対する薬物治療が奏効しない場合,カテーテルアブレーションによってAFを根治できる可能性がある.また近年は,AF停止効果が認められているピルシカイニドやニフェカラントとカテーテルアブレーションを組み合わせたhybrid therapyにより,高い洞調律維持率が得られるようになった.カテーテルアブレーションと抗不整脈薬によるhybrid therapyは,難治性AFに対する治療戦略のひとつとして有用であると考えられた.
  • 三田村 秀雄, 杉 薫, 中里 祐二, 池田 隆徳, 是恒 之宏, 熊谷 浩一郎
    2012 年32 巻2 号 p. 208-211
    発行日: 2012年
    公開日: 2015/07/01
    ジャーナル フリー
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