【背景】学校心臓検診一次検診時には自動計測値とマニュアル計測値でのQT時間が混在しているものの,両者の差は検討されていない.また,QT時間は最も長い誘導での測定が推奨されるが,小児では検討されていない.【対象と方法】対象は,小・中・高校の各1年生男女それぞれ100名ずつとした.学校心臓検診時の心電図を用い,自動計測(微分法)とマニュアル計測(接線法)によるQT時間の差をV
5誘導で比較した.また,自動計測によるデータで最長のQT時間を示す誘導について検討した.【結果】微分法による平均QT時間は373~382msec,接線法による平均QT時間は351~361msecであった.QT時間は全群で微分法による測定値が接線法より有意に長く,その差は21~26msecであった.最長のQT時間を示す誘導は小・中学生ではV
4またはV
5誘導であり,高校生ではV
3またはV
4誘導であった.【考察】微分法と接線法の間に差があることを認識して,QT延長スクリーニングを行うべきと考えられた.最長のQT時間を示す誘導についてはマニュアル計測での検討も必要と考えられる.
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