心電図
Online ISSN : 1884-2437
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37 巻 , 2 号
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Editorial
症例
  • 山本 博昭, 板本 智恵子, 三浦 英男, 林 充那登, 河野 恆輔, 松村 祐, 八巻 文貴
    37 巻 (2017) 2 号 p. 63-70
    公開日: 2018/04/16
    ジャーナル フリー

    症例は79歳女性.71歳時に胸痛にて当院初診,心エコー図で後側壁と心尖部を中心とした肥大を認め,心電図は陰性T波をともなう左室肥大所見があった.冠動脈造影では前下行枝の狭窄があり,狭心症と診断して経皮的冠動脈形成術を施行した.既往歴では,30歳時に糖尿病を発症し,インスリン治療中であった.家族歴では,母方祖母が63歳で心筋梗塞にて死亡.本例の兄弟6人は,急性心不全2人,32歳の心室細動死亡例があるが,糖尿病および難聴例はなかった.以上から,肥大型心筋症家系で狭心症を合併したものと判断して,外来経過観察とした.76歳時より心電図で前胸部がQSパターンとなり心肥大が進行,難聴が急速に進行したため,78歳時にミトコンドリア3243変異を調べたところ,heteroplasmy率が2%と判明し,かつ心臓MRI遅延造影にて広範囲の欠損が見られた.以上より,ミトコンドリア心筋症と診断した.高齢者でも,肥大型心筋症の鑑別診断には本症を考慮する必要がある.ミトコンドリア心筋症において,前胸部誘導でのQSパターンは診断の手掛かりとなる場合がある.また,ミトコンドリア心筋症の合併症として,血管平滑筋障害による狭心症を考慮する必要があることを示唆する症例と考えられたため,報告する.

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新連載開始にあたって
新連載 実臨床におけるデバイス関連の諸問題―ICDとペースメーカを中心に
新連載 心臓病の遠隔モニタリングシステム
これだけは知っておきたい!
忘れえぬ心電図
私の本棚
モデル解析の交差点
研究会レポート
追悼
心電学フロンティア2016(第51回理論心電図研究会)「J波の基礎と臨床」より
  • 丸山 徹, 入江 圭, 森山 祥平, 深田 光敬
    37 巻 (2017) 2 号 p. 111-117
    公開日: 2018/04/16
    ジャーナル フリー

    QRS波の終末部に記録されるJ波は,近年,特発性心室細動との関連が指摘されている.しかし,この波形が遅延脱分極波であるのか,早期再分極波であるのかについては,いまだ議論が多い.J波がアスリートに多く見られ,アスリートの心臓では乳頭筋の肥大や肉柱化,仮性腱索を認めやすいことから,J波とこれらの心内構造物との関連も指摘されている.乳頭筋や仮性腱索にはPurkinje線維が豊富で,心室筋への伝導が遅延して(PV delay),心室不整脈の基質となる場合がある.また,J波と心室遅延電位の関係性も指摘されており,これらはJ波が遅延脱分極成分であることを示唆する.一方,多くの基礎研究は,J波が早期再分極波であることを支持している.また,正常な貫壁性の心室興奮は,心内膜側から心外膜側へ向かうが,肉柱化した乳頭筋はこれを修飾して,反対側の心室壁が早期興奮症候群に近い興奮伝播を呈するようになる(ミニデルタ波).これは,早期興奮症候群でも認めやすいJ波は,早期に興奮を終了した部分から再分極も早期化して生じるためと考えられる.J波が脱分極成分であるか,再分極成分であるかを知るためには,これらの心内構造物の興奮伝播様式や心室全体の興奮との関連を明らかにすることが不可欠である.

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  • 小野 克重
    37 巻 (2017) 2 号 p. 118-125
    公開日: 2018/04/16
    ジャーナル フリー

    心電図におけるJ点とは,QRS群の終末部分とST部分の始まりの接合部(Junction)を指す.このJ点は,ときにnotch,またはslurとして観察され,このnotch(slur)全体をJ波と呼ぶ.心電図のST部分は,心室筋の脱分極が終了し再分極が始まるまでの間に,すべての心室筋がほぼ等電位にある時間帯であり,活動電位の第1~2相に相当する.ST部分は基線上に水平に位置することが原則とされるが,実際の心電図では脱分極の終了時点と再分極の開始時点が重なり合っている場合が多く,ST部分が基線に一致しないことも多い.このSTの上昇が1mm未満であるときは有意な所見であると見なされないが,心筋梗塞や心筋症の診断が否定されているにもかかわらず,著明なST上昇が認められる場合がある.この現象は心筋の早期再分極によるものとされ,早期再分極症候群(Early Repolarization Syndrome)と呼ばれる.Wasserburgerはその判断基準として,(1)ST接合部での1~4mmのST上昇,(2)凹状ST,(3)QRS波下行脚のnotch,あるいはslur,(4)ST上昇の認められる誘導でのT波増高所見,をあげている1).この早期再分極症候群に認められるQRS波下行脚のnotchはJ点そのものであるが,低体温症などの際に出現するOsborn波2)と極めて類似しており,両者は同一機序によって説明されるものと考えられている.本稿では,心電図のJ波の成り立ちを心筋の活動電位と膜電流異常によって概説する.

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  • 佐藤 伸之
    37 巻 (2017) 2 号 p. 126-138
    公開日: 2018/04/16
    ジャーナル フリー

    早期再分極症候群の発作誘発因子については,いまだ十分に明らかにされていない.低K+血症がBrugada症候群の発作誘発因子になりうることは知られていたが,電解質異常と早期再分極症候群,J波との関連性についての報告はほとんどなされていなかった.われわれは,低K+血症が心室細動(VF)発作の誘因と考えられた早期再分極の1症例を,続いてステロイド治療がVFの誘発因子と考えられた早期再分極症候群の3症例を報告した.それらのなかには,抗アルドステロン薬を長期投与したことにより,再発が抑制されたと推察される症例も存在した.また,われわれはJ波症候群において心電図上の再分極指標と血清K+, Ca2+, Mg+濃度との関連を検討した.その結果,VF発作を呈したJ波症候群では血清Mg+とQT dispersionの間に負の相関が認められ,Tpeak-Tend dispersion,activation recovery interval dispersionと血清Mg+の間にも負の相関傾向が認められた.以上から,早期再分極症候群のVF発作誘発因子として電解質異常が一部関与する可能性が示唆された.

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  • 箕浦 慶乃
    37 巻 (2017) 2 号 p. 139-143
    公開日: 2018/04/16
    ジャーナル フリー

    J波(または早期再分極:ER)は心電図で比較的よく認められる所見であるが,J波症候群(早期再分極症候群:ERS)症例のなかには,ごく少数例で致死性不整脈が出現する.一方で,失神は救急受診ではよく認められる症候であるが,その多くは神経調節性反射性失神(NMRS)である.失神患者でhead-up tilt試験(HUT)を施行し,心電図におけるJ波の存在とNMRSの関連性を調べた.下壁にJ波を認める症例では,HUTでNMRSの誘発率が高い.特にJ波とそれに続くhorizontal/descending型のST-T低下を認める場合は有意にNMRSの誘発率が高く,失神とJ波の存在には何かしらの関連性が認められた.

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  • 北村 健
    37 巻 (2017) 2 号 p. 144-151
    公開日: 2018/04/16
    ジャーナル フリー

    12誘導心電図における早期再分極所見は,この10数年の間に致死性心室不整脈の危険因子として認識されるようになった.冠攣縮性狭心症(VSA)は,特徴的な機序により発症する狭心症の一つであり,時に致死性心室不整脈を引き起こす.しかしながら,早期再分極所見や,その特徴がVSA患者において致死性心室不整脈と関連するか否かについては知られていない.さらに,早期再分極所見を有する冠攣縮性狭心症患者の長期経過観察や,VSA患者における早期再分極の機序についても知られていない.われわれは,265例の連続VSA症例について解析を行った.21例の心室細動(VF)蘇生後症例が含まれていた.全体で早期再分極は24.2%で認められた.早期再分極所見はVF蘇生例で観察される頻度が高かった(p=0.001).また,早期再分極所見は独立してVF蘇生と関連した.平均観察期間5.5年で早期再分極を有する症例でVFを起こす確率が早期再分極を有さない症例より高かった.また,早期再分極を有する症例のなかで,早期再分極の日差変動を有する症例で経過観察期間中の心室細動イベントが高かった.早期再分極は,VSA患者において致死性不整脈の予測因子となる可能性がある.ここでは,われわれの施設の結果と文献をもとに,VSA患者におけるERの機序および役割についてレビューし,考察する.

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