開心術後の患者60例の術直後から24時間連続心電図を記録し, 不整脈の解析を視覚的に行った.対象は, 男30例, 女30例で, 年齢は, 5歳~61歳 (平均40.8歳) で, その基礎心疾患の内訳は, 先天性心疾患 (CHD) 22例, 弁膜症 (VHD) 29例, 虚血性心疾患 (IHD) 9例であった.対象全例に何らかの不整脈を認め, 最も多くみられた不整脈は, 心室性期外収縮 (VPB) で, 60例中59例 (98.3%) であり, すべて多源性であった.VPBの2連発 (couplet) , および, 心室性頻拍 (VT) (3連発以上のVPB) は, 各々VHDの62.1%, 48.3%, 各々IHDの66.7%, 44.4%に認められ, CHDに比べて, 多く発生した.心房中隔欠損症, 僧帽弁狭窄症では, 上室性期外収縮 (SVPB) が, 多く発生した.VPB, および, SVPBの出現様式は, 早期多発型, 中期多発型, 後期多発型, 平坦型に分類でき, いずれの疾患群においても, 早期, および, 中期多発型が多かった.VTは, 術後早期に多くみられた.不整脈多発時の血清K
+値は, やや低下傾向を認めた.
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