成犬の左心室を用いて, anodal刺激による心室細動閾値とstrength-interval曲線で表される心筋興奮性から, Ca拮抗薬の3薬剤, verapamil, prenylamine, bepridilの抗心室細動効果, およびその作用機序をprocainamideと比較し, これら3薬剤の抗細動作用の特徴を臨床使用量に近い量を用いて検討した.心室細動閾値は, procainamide 10mg/kgで48%, prenylamine 5mg/kgで127%, bepridil 5mg/kgで104%の上昇が生じ (p<0.01) , prenylamine, bepridilはprocainamideを上回る抗心室細動作用を示した.一方, verapamil 0.5mg/kgは心室細動閾値に有意な変化を与えなかった.
ProcainamideはS-I曲線上, 拡張期閾値, dip閾値不変で, 有効不応期のみを平均30msec延長させた (p<0.01) .Prenylamine, verapamilも同様であった.Bepridilは有効不応期を延長させ, dip閾値を373±267μAから812±257μAへ上昇させた (p<0.01) .Prenylamineの抗細動作用はprocainamideと同様, 心筋の不応期延長によるものと思われ, bepridilの作用機序は不応期延長とdipにおける心筋の興奮性低下によるものと推定された.
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