本論文の目的は工業英語教育の問題点を総合的に観察し,その結果と,望まれる教材や学生の能力レベルの客観的な分析に基づいて,期待されるレベルへの指導を可能にする具体的な英語教育システムを提案することであり,さらに,そのシステムによる指導での成功の可能性を考察することにある。求められているのは,時間的に厳しく制限された教育機会のなかでの英語教育の改善である。また,入学してくる大学生の英語力レベルは極めて低いにもかかわらず,企業等から期待されている英語力が極めて高い。こうした現状を直視し,本研究では,2層からなる全く新しい指導システムの理論を独自に構築し,数多くの実験により各システムの使用効果を検証した。その上で,望まれている工業英語教育を大学4年間で成功させられる可能性は決して低くないことを示す。
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