本論文では,平成6年度より,工学院大学で開講している「テクニカルコミュニケーション(以下TCと略)」科目で使用している教材の内容と受講生からみた教材の有効性について報告する.
TCは人に技術的な情報をわかりやすく伝達する「書く,話す」の技術である.TC講座では,「技術的な情報をわかりやすく伝達するポイント」を理解させるのに,受講者が日頃,目にしている新聞記事の内容を教材として,事件や事故の原因を「日本語の曖昧さ」などの観点から解説している.TC科目を実施した結果,受講生にとって,新聞記事の内容を教材として使用したことは,「技術的な情報をわかりやすく伝達するポイント」を理解するのに有効であり,また,「書く,話す」に関して自信をつけるなど期待する教育効果が認められた.
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