わが国の戦後における工業化の進展は, 急速, かつ著しいものがあり, 現在では, 世界の先端を行く先進工業国となっている。
このような工業化を進めたのは, 京浜・阪神・中京・北九州といった大工業地帯以外の地方で, 工業開発が行われ, その発展に負うところが大きいと考えられる。しかし, 地域ごとの工業の発展過程は, 日本国内でもそれぞれの地方の特性により差異が見られる。
特に, 岩手県の場合, 地域産業の発達に大きな役割を果たすと言われている先行産業の開発が遅れていたため, 工業の発展経過は工業構造の面で全国的な趨勢と異なったものがあるので, その過程について述べる。
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