21世紀の科学技術分野,とくに基礎的研究で創造的な貢献をなし得る人材を育成するためには、現行の日本の教育のあり方と,大学の入学選考制度を抜本的に改革せねばならぬ。科学技術が急テンポで変革し,科学者・技術者の役割と責任が重くなる世界のすうせい(趨勢)に対応して,広い見識と基礎科学の学力を十分に身につけた理工系学生を養成することが肝要であり,カリキュラムの充実,とくに教養科目と基礎科学科目の強化が望まれる。
わが国の大学の質を国際的レベルに高めるためには,日本の大学のみに存在する極端なインプリーディングを除去し,厳格なる評価制度を導入することが必須である。さらに現行の官僚的な大学運営を改め,時代に即応した教育研究環境を築き,正常に機能する大学組織を確立するためには,アカデミックアドミニストレータの選出・任期・権限等を根本的に検討する必要がある。
自主管理能力に欠ける現行の大学を改革すべく,大学人の奮起を促すとともに,産業界からの支援としった(叱咤)激励を望むものである。
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