JANISサーベランスによれば
Klebsiella pneumoniaeと
Klebsiella oxytocaは4:1の割合でよく分離される.今回,3総合病院(総ベッド数2,603)の2008年8月~2009年7月の分離頻度を比較し,A病院の胆汁から
K. oxytocaが高頻度に分離されることを見いだした.生化学性状およびantibiogramによる疫学解析によれば,A病院胆汁由来の
K. pneumoniae株に少なくとも2つ,
K. oxytoca株に4つの小アウトブレイクが見いだされた.各種材料由来の両菌種それぞれ12株についてヒト胆汁に対する耐性を調べたところ,尿由来の
K. pneumoniae 1株が耐性であることを除き両菌種の胆汁感受性に差が無かった.これは
K. oxytocaが胆汁から高頻度に分離されたことと胆汁耐性とは関係がなく,むしろ院内感染の集積が関係していることを示唆する.
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