環境感染
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11 巻 , 3 号
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  • 丸井 あゆみ, 大野 章, Armando Alberto BENITEZ R., Ernesto SANZETENEA C., 樫谷 総子 ...
    1996 年 11 巻 3 号 p. 169-175
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    我々は国際協力事業団 (JICA) の南米ボリビア国消化器疾患対策プロジェクトに参加し, 1995年6月から8月にかけての3ヵ月間にわたり, ラパス市内の3歳以下の下痢症患者を対象に下痢症の原因調査を行った. また河川の糞尿汚染と下痢症発生との関係を調べるため, ラパス市内の河川について細菌学的検査を行った. またその河川水を利用して栽培されている野菜についても同様に細菌学的調査を行った.
    調査の結果, 対象患者の48.4%から下痢原性大腸菌, 赤痢菌, サルモネラ, カンピロバクター, ロタウイルスが検出された. また河川調査では人家密集地域で106CFU/ml, 下流域で105CFU/mlの総細菌数が検出され, その中に腸管毒素原性大腸菌; 5株, 腸管侵襲性大腸菌; 2株, 腸管病原性大腸菌; 2株, サルモネラ04グループ; 3株が含まれていた. 野菜調査では3種類の野菜から19あたり106-108CFUの総細菌数が検出され, そのうちのワカタヤ (三つ葉の一種) から分離された31の乳糖分解コロニーを同定した結果, 14コロニーが小児下痢症の原因となるAeromonas cauiaeであった.
    これらの結果は, 直接的証拠を得るまでにはいたらなかったものの, ラパス市内でみられた細菌性下痢症の多発に, ラパス河川の濃厚な細菌汚染が関与している可能性を示唆するものであった. 今後の小児下痢症対策に水系糞尿汚染防止に向けた技術協力が必要であることを示したものと思える.
  • 北島 浩美, 花園 淳, 勝野 久美子, 浦田 秀子, 田代 隆良, 松田 淳一, 平潟 洋一, 上平 憲
    1996 年 11 巻 3 号 p. 176-182
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) による病棟の汚染状況を把握するため, 細菌学的環境調査を行った.併せて病室の消毒方法についても検討した. 調査箇所は長崎大学医学部附属病院内科病棟のMRSA保菌者病室, 非保菌者病室, 処置室, 看護室および廊下である. 室内の消毒についてはMRSA保菌者退室後, 自動噴霧器による噴霧および雑巾・モップによる清拭の2方法で消毒を行い, その効果を比較検討した.
    結果は以下の通りである.
    (1) 検出総菌数はMRSA保菌者病室のほうが非保菌者病室よりも多い傾向であった.(2) 歩行不可能のMRSA保菌者病室ではベッド横の床からMRSAが検出された.(3) 歩行可能のMRSA保菌者病室では調査した多くの箇所からMRSAが検出され, 患者による伝播が示唆された.(4) 処置室, 看護室では水道栓と入口の床からMRSAが検出され, 医療従事者による伝播が示唆された.(5) 病室の消毒では噴霧法, 清拭法ともにMRSAは消失した. 清拭法による消毒後は検出総菌数が著明に減少した箇所, 逆に増加した箇所があり, 総菌数の変化にばらつきがみられた.
  • 特にMRSAの拡散状況について
    花園 淳, 北島 浩美, 勝野 久美子, 浦田 秀子, 田代 隆良, 松田 淳一, 平潟 洋一, 上平 憲, 佐々木 豊裕, 今西 建夫
    1996 年 11 巻 3 号 p. 183-188
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    新病棟への患者移転に伴う病棟内の細菌数の推移, メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) の拡散状況を把握するため細菌学的環境調査を行った. 新病棟への移転前にMRSAの感染が確認された患者は, スリッパのはきかえ, ガウンの着用, 消毒剤による手洗いなどの感染防止対策が実施される隔離病室に入室した. 患者移転1週間前, 1週間後, 1ヵ月後に隔離病室2室, 一般病室2室, 看護室・処置室の各室内と入口前廊下から滅菌綿棒による拭い取り法にて検体を採取した. また, 病棟スタッフのシューズの底からも拭い取り法により検体採取を行った.
    結果は以下の通りである.
    1. 総菌数は患者移転1週間後に増加したが, 1ヵ月後には多くの箇所で減少した. 2. MRSAは隔離病室だけでなく一般病室からも検出された. 3. 病棟スタッフのシューズ底面から高率にMRSAが検出された. 4. シューズ底面をアルコールで消毒した後はMRSAは検出されなかった.
    以上の結果より, 不顕性保菌者の存在, 病棟スタッフによるMRSAの伝播の可能性が示唆され, 病棟内清掃の徹底, シューズ底面のアルコール消毒など, 一般の看護においても感染防止対策が必要であると思われた.
  • 向野 賢治, 松尾 信恵, 奥園 夏美, 辻 佳子, 田中 敏子, 寺田 久子, 村上 紀之
    1996 年 11 巻 3 号 p. 189-192
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    電子式空気清浄機クリアベールを用い, 病室内の落下菌および空中浮遊菌に与える効果を検討した.
    (1) 個室における落下菌検査.個室内3ヵ所に寒天培地を置いて1日3回落下菌検査を施行した. 3ヵ所のプレートの菌数についてクリアベール設置前後で比較すると, 設置前は1プレート当たり平均10.1CFUであったが, 設置後は1プレート当たり平均6.1CFUと有意の減少 (P<0.05) がみられた.(2) MRSAを喀痰中に排菌している患者が収容されている個室においてクリアベールを設置し, バイオエアーチェッカーを用いて浮遊菌数の変動を調べた. 1日3回の菌数の平均は, 設置前で219CFU/m3, 設置後で103CFU/m3と有意の減少 (P<0.05) を認めた. MRSAの菌数も設置前25.3CFU/m3から, 設置後2.0CFU/m3と有意な減少 (P<0.05) を示した.(3) 化学療法中で血液疾患患者の感染防止目的として使用しているアイソレーターとクリアベール使用時の落下菌数を比較した. アイソレーター使用時のテント内落下菌は1プレート当たり平均8.3CFUであった. 一方, クリアベール使用時は1プレート当たり平均は9.3CFUとややアイソレーターを上回ったが, 有意差は認められなかった.
    これらのことからクリアベールは病室内などの空気清浄効果が著明であり, 院内感染防止において有用な器具であると思われた.
  • 岩沢 篤郎, 中村 良子
    1996 年 11 巻 3 号 p. 193-202
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    酸性電解水はpH3以下の強酸性電解水と, pH5~6の弱酸性電解水がある. この違いを殺菌効果と物性値 (pH, 酸化還元電位, 塩素・オゾン量) から比較し, 主にモップ・噴霧器使用時の適否を検討した.
    1. 強酸性電解水生成器2機種, 弱酸性電解水生成器1機種より生成される酸性電解水は, 殺菌効果に差が認められなかった.
    2. 酸性電解水の機種により, pH, 酸化還元電位, 塩素・オゾン量に差が認められ, 同一機種であっても採水日により差が認められた.
    3. 強酸性電解水は低温で空気層のない容器での保存が適していた. 弱酸性電解水は温度による違いのみが認められた.
    4. モップおよび噴霧器の使用には弱酸性電解水が塩素・オゾン量の減少が少なく適していた.
    5. 酸性電解水による消毒の際には適切な不織布を使用する必要があることが判明した.
    以上, 酸性電解水はモップ・噴霧器などを用いて環境清掃に使用する場合には弱酸性電解水を, 手洗いなどの使用目的としては強酸性電解水が適していると考えられた. 今後, 含有する酸素の解析, 酸性電解水実用化のための各種機器, 用具の開発が望まれた.
  • 呉 紅, 森松 伸一, 島越 由紀子, 中野 隆史, 河邊 圭吾, 柿本 香, 花田 秋江, 中井 益代, 下川 樹也
    1996 年 11 巻 3 号 p. 203-206
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    食塩水を電気分解して得られる電気分解産物水 (電解水) を用いてH. pyloriに対する消毒効果をH. pyloriが有するウレアーゼ活性を測定することによって検討した. 採取直後の電解水原液の遊離残留塩素濃度は20ppmでpH6.8と弱酸性であった. 電解水原液とH. pyloriを1分以上接触させると菌の増殖は認められず, 100倍希釈液でも10分間の接触で菌の発育が認められなかった. このことから本電解水は原液で用いれば1分以内でH. pyloriを殺菌できることが明らかとなった. また本電解水100倍希釈液でも10分間でH. pyloriに対する殺菌効果が認められたことから, 本電解水は殺菌効果があると考えられた.
  • 辻 明良, 三野 宮文子, 八代 純子, 中島 祥吉, 五島 瑳智子
    1996 年 11 巻 3 号 p. 207-220
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    各種医療用消毒剤および主薬 (有効成分) のウサギ健常皮膚および損傷皮膚に対する一次刺激性と, 1日5回連続7日間塗布による累積刺激性を比較検討した. 製剤としてはポビドンヨード (PVP-I), 塩化ベンザルコニウム (BAC), 塩酸アルキルジアミノエチルグリシン (AEG), グルコン酸クロルヘキシジン (CHG), 塩化ベンゼトニウム (BEC) を用いた.またそれぞれの製剤に対応する主薬 (ただしAEGを除く) も供試した.
    その結果, 一次刺激性においては, 健常皮膚および損傷皮膚ともに製剤と主薬で同様な傾向を示し, その中でBACが他の試料に比較して有意に強かった. 一方, 累積刺激性については, 健常皮膚ではBACがPVP-I, CHGおよびAEGに比較し有意に強く, 痂皮形成を伴い, 塗布終了14日後においても回復性は認められなかった. また, PVP-IはBEC, AEGに対しても有意に弱かった. 刺激性の順位はBACが強く, ついでBEC, AEG, CHGで, PVP-Iは弱く消毒用EtOHとほぼ同程度であった. また, 損傷皮膚におけるBEC, CHGの刺激性は, 主薬に比べ製剤のほうに強く認められた.これは製剤に配合されている他の成分による刺激性が加わったためと推察された.
  • その生物浄化機構に関連して
    藪内 英子
    1996 年 11 巻 3 号 p. 221-227
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    現在使用中の45家庭, 3男子寮および3民宿の計51件の24時間風呂の湯を培養し, そのうち3男子寮と2民宿を含む37浴槽 (72.5%) からLegionella pneumophilaを検出した.L.pneumophila検出の有無にかかわらず, 寮および民宿以外の45家庭での1日の入浴人数は2-5人, 浄化機構は微生物を増殖させた担体を通過させて湯を沢過する生物浄化であった. 循環沢過後の殺菌機構付設がカタログに謳われている機種では熱, 紫外線, またはオゾンが用いられているとあった. 実測した生菌数は103台が21件 (57%) ともっとも多く, 104台が7件 (19%), 105台が4件 (11%) であった.菌種はL.pneumophilaのみで, 血清群別は分離菌株の40%がV群, 21%がIII群で, I群とVI群はそれぞれ16%であった. 200倍に濃縮した検水は明瞭な混濁を示し, 各検水の100μlを塗布した5%ヒツジ血液寒天とマッコンキー寒天培地平板には多種多様な集落が無数に発育した.マッコンキー寒天平板で乳糖発酵菌は出現しなかったが, 4検水から5×103CFU/mlPseudomonas aeruginosaが検出された.対照として用いた2家庭の従来型風呂の入浴前後の湯からはLegionella属菌は検出されず, 血液寒天平板培養でも入浴前には発育がなく, 3名入浴後に数個の集落をみたにすぎなかった.
  • CDC院内感染肺炎防止, 1994より抜粋
    藪内 英子, 斉藤 厚, 山口 恵三, 江崎 孝行
    1996 年 11 巻 3 号 p. 228-240
    発行日: 1997/01/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
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