環境感染
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17 巻 , 3 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 鈴木 里香, 鈴木 葉子, 大谷 智子, 杉原 茂孝
    2002 年 17 巻 3 号 p. 245-249
    発行日: 2002/08/28
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    気管支喘息患児に対する吸入療法は内服療法と共に重要である. 反面, 使用する吸入器具や薬液の不適切な管理状況下では微生物汚染による気道感染症の危険性が示唆される. 今回我々は, 在宅にて吸入療法を施行している気管支喘息患児の吸入器具および薬液の細菌汚染について調査を行った. 検出された菌は少量ではあるが, Pseudomonas属, Bacillus属, Corynebacterium属などであった. 吸入器具の消毒法を検討した結果, 次亜塩素酸ナトリウム (ミルトン®) 消毒による吸入器具には菌の検出を認めなかった. 吸入指導の際には吸入薬液の使用方法のほかに吸入器具の消毒や薬液の保管についての指導も行う必要がある. 次亜塩素酸ナトリウムは抗菌スペクトルが広く低残留性のため, 吸入器具の消毒に有用と考えられた.
  • 佐藤 延子, 阿部 裕子, 石井 恵子, 金光 敬二, 賀来 満夫, 佐山 恭子, 堺 武男
    2002 年 17 巻 3 号 p. 250-256
    発行日: 2002/08/28
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    NICUの入院患者におけるMRSAのキャリア化を防止する目的で経過を観察しながらムピロシン軟膏の外用によるコントロールを試みた. ムピロシン軟膏の外用は1日3回3日間連続投与を1クールとし, 1996年5月から9月を薬剤非投与の観察期間とした. ムピロシン軟膏を入院時と週1回の投与群 (1996年10月~12月), 入院時と月1回の投与群 (1997年1月~5月), 入院時と月2回の投与群 (1997年6月~10月), 対象を特定した入院時の投与群 (2000年1月~8月) およびポビドンヨード含有クリームの1日1回投与群 (1997年11月~1999年12月) についてMRSAの分離率, 保菌率, 感染率の比較検討を行った. コントロール群との比較でムピロシン軟膏投与群およびポビドンヨード含有クリーム投与群の間には保菌率の低下が認められ, 特に初期のムピロシン軟膏投与群では著明な効果が認められた. これらの経過中, ムピロシンに対する薬剤感受性検査を実施して耐性化の監視を行った. 1999年3月頃からMRSAがムピロシン耐性傾向となり1024μg/ml以上の高度耐性株も確認された. ムピロシンの外用はMRSAのキャリア化防止に有効ではあるが連用による耐性獲得が新たな問題として生じてくる. 定期的な細菌検査で予防効果を評価するとともに, ムピロシンに対する感受性の変化を監視することも併用して予防効果と耐性化防止の両面を考慮に入れて使用方法を検討していくことが重要である.
  • 第2報
    竹村 ひとみ, 土井 まつ子, 萱野 泰友, 河原崎 純, 椙山 委都子, 岩本 義久, 臼倉 幸宏, 志村 浩二
    2002 年 17 巻 3 号 p. 257-263
    発行日: 2002/08/28
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    1997年9月から11月の間, 3回にわたり, 新生児・未熟児病棟の1病室より, 床, 保育器, シーツと空気から検体を採取した. 同時に, 調査当日勤務していた医療従事者17名の鼻腔と手指から, さらに患児3名の鼻腔, 耳介, 1名の鼻腔, 口腔, 臍部, 肛門から検体を採取した. グラム染色, マンニトール分解性, コアグラーゼ産生, オキサシリン耐性により, メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) を同定した. 菌株38株の染色体DNAを制限酵素SmaIにより切断し, DNA切断片の電気泳動パターンから菌株間の関係を解析した. 併せて薬剤感受性試験を行った.
    耳介および鼻腔より多数の菌が分離された患児の保育器内からは, 患児から分離された菌株と同一のDNA型の菌株が分離された. 一方, 患児由来の菌株のDNA型と同一型の菌株が, 他の患児の保育器や病室の床から分離された. 以上のことから, 多数の菌が分離された患児が感染源に成り得ること, またその患児に接触することによって伝播が起こる可能性があることが示唆された.
  • 有馬 奈保美, 綱本 由紀子, 塚本 雅子, 伊藤 敬子
    2002 年 17 巻 3 号 p. 264-267
    発行日: 2002/08/28
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    CDCのガイドラインに沿って, 造血幹細胞移植での感染防止策を見直した際, 一番重要なものは何かということを検討した.その結果, すべてのものを滅菌したり, 無菌室を使用したりすることが重要ではなく, 感染経路を知ることであり, 手洗いを重視した標準予防策の徹底であることに注目した.そこで, CDCガイドラインを基に無菌室の簡略化をすすめたうえで簡略化による菌の増殖が認められないことを, 菌検査を行い実証していった.
  • 辻 明良, 李 秀華, 宮本 圭, 松嵜 英士, 宇良 俊二, 遠藤 英子
    2002 年 17 巻 3 号 p. 268-274
    発行日: 2002/08/28
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    1. 各種細菌 (6菌種48菌株) に対する手指消毒薬の最小殺菌濃度 (MKC), 手指消毒除菌効果及び手指消毒による手荒れについて検討した.
    2. 各消毒薬のMKCは検討した菌株を短時間で殺菌し, その値は常用使用濃度以下であった. しかし, クロルヘキシジン製剤ではS. marcescens, B. cepaciaなどで大きな値を示し, 作用時間を長くすることにより小さい値となった.
    3. 手指消毒除菌効果は, クロルヘキシジン製剤でもっともよく, 次いで, ヨードホル製剤, トリクロサン製剤の順であったが, すべての消毒薬が95%以上の高い除菌率を示した.
    4. クロルヘキシジン製剤, ヨードホル製剤による手荒れ度は消毒回数が増えるに従い上昇した.
  • 第二報・各消毒薬の感受性測定
    清水 正樹, 奥住 捷子, 米山 彰子, 国定 孝夫, 荒明 美奈子, 小川 弘, 八代 純子, 木村 哲
    2002 年 17 巻 3 号 p. 275-280
    発行日: 2002/08/28
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    1995~1999年までに東京大学医学部附属病院で患者から分離されたSerratia marcescens 100株, Klebsiella pneumoniae 103株, Pseudomonas aeyuginosa 99株, Alcaligenes faecalis 19株, およびA. xylosoxidans subsp. xylosoxydans (A. xylosoxydans) 30株に対するポビドンヨード (PVP-I), グルコン酸クロルヘキシジン (CHG), 塩化ベンザルコニウム (BAC) および塩酸アルキルジアミノエチルグリシン (AEG) の殺菌効果を, 前報で報告した定性的な消毒薬有効性検討法を用いて検討した.
    すなわち消毒薬不活化剤として15% Tween ® 80, 1%lecithin from soybean および0.5%sodiumthiosulfateを含むtripticase soy brothを用い残存菌の有無を濁度により評価する定性判定法を用い, 以下の結果を得た.
    1) 0.2%PVP-Iおよび0.2%BACは, 全ての被験菌株に対して作用0.5分以内で優れた短時間殺菌効果があり, 新鮮分離株中に抵抗性株が存在しなかった.
    2) 0.5%CHGは, 0.2%PVP-Iまたは0.2%BAC作用と比較して, その短時間殺菌効果が弱く, 特にS. mamscens, A. faecalis およびA. xylosoxydansでは3分間作用で殺菌されない抵抗性株がみられ, その有効率は46, 52.6および26.7%であった.
  • 医療従事者と学生の麻疹抗体価測定と麻疹ワクチン接種
    新里 敬, 健山 正男, 比嘉 太, 大湾 知子, 佐久川 廣美, 上原 勝子, 津波 浩子, 齋藤 厚
    2002 年 17 巻 3 号 p. 281-284
    発行日: 2002/08/28
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    沖縄県では平成12年から13年にかけて麻疹の流行があり, 琉球大学医学部附属病院でも医療従事者と学生が麻疹に罹患, 肺炎を併発し入院したため, 医療従事者および学生における麻疹対策が急務となった. 594名の若年医療従事者および学生を対象に麻疹抗体価測定 (ゼラチン粒子凝集反応法) を行った結果, 陰性者は4名 (0.7%), 抗体価が16倍から128倍の低値であった者が27名 (4.5%) いた. このうちの1名を除く30名と抗体価が256倍でワクチン接種を希望した8名の計38名に対して, 麻疹ワクチン接種を施行した. 抗体価陰性あるいは低値の者は明らかなブースター効果が認められたが, 接種前の抗体価が256倍の者ではそれが認められなかった. ワクチン接種による副反応はなかった. 今回の抗体価測定とワクチン費用の合計は84万円であったが, その後は毎年新規採用者と学生の分の約40万円程度となる. 以上より, 若年の病院職員および臨床実習を行う学生に対しては麻疹抗体検査を実施し, 感受性者にはワクチン接種を勧奨すべきである.
  • 伊藤 重彦, 大江 宣春, 草場 恵子, 金子 裕子, 藤武 隆文
    2002 年 17 巻 3 号 p. 285-288
    発行日: 2002/08/28
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    病院職員の鼻腔内MRSA保菌率の推移とムピロシンによる除菌効果を検討した.隔年3回の保菌調査の参加者はそれぞれ407名 (1997), 54.名 (1999), 547名 (2001) である.職種別保菌率の推移では医師9.6%, 9.0%, 6.2%, 看護師6.9%, 3.2%, 3.6%で, 医師, 看護師以外の職員保菌率は3.98 (1999), 0.8% (2001) であった, 看護師の保菌率は初回調査後に手洗いの励行および感染対策マニュアルの遵守, 徹底を図ることで有意に低下した.保菌者に対するムピロシン軟膏による除菌率は3回の調査全体で94.4% (68/71) であった.除菌効果の持続時間を検討するため, 医師保菌者7名に対して完全除菌後3ヵ月後に再調査を行ったところ再保菌者は1名 (再保菌率14.2%) であった.保菌率調査は職員の感染予防への意識を高める良い機会であるが, それを契機に感染対策マニュアルの遵守を継続的に行うことがより重要である.
  • 日本病院感染サーベイランスの現状
    森兼 啓太, 小西 敏郎, 西岡 みどり, 埋田 聖子, 大久保 憲, 岡 裕爾, 粕田 晴之, 草地 信也, 向野 賢治, 永井 勲, 西 ...
    2002 年 17 巻 3 号 p. 289-293
    発行日: 2002/08/28
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
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