環境感染
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20 巻 , 4 号
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  • 本田 順一, 小川 節子, 野田 順子, 大城 暁子, 中野 峰子, 安達 康子, 衛藤 弘寿, 廣川 雅士
    2005 年 20 巻 4 号 p. 231-236
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    ICT活動が, 速乾式手指消毒薬消費量とMRSA検出数に及ぼす影響を評価したICT活動を以下のように改善した.(1) リンクナースによる毎月の速乾式手指消毒薬消費量チェック (2) チェック表を用いた病棟巡回 (点数評価). 巡回時, パームスタンプ法実施 (3) 手洗い宣言ポスターを作成し配布. その結果, 速乾式手指消毒薬の消費量 (月平均) は2001年から2004年まで順調に増加し, 2003年: 7,085mLから2004年: 11,636mLと著明に増加した. MRSA検出数 (月平均) は2001年39.5人, 2002年39.7人, 2003年39.3人, 2004年32.7人で, 2004年において有意に減少していた. 上記 (1),(2),(3) の活動を開始することにより, 速乾式手指消毒薬消費量の有意な増加と, 新規MRSA検出数の有意な減少 (P<0.03) が認められた. 速乾式手指消毒薬使用の有意な増加により新規MRSA検出数が有意に減少することが判明した. リンクナースに対するアンケート調査の結果, 速乾式手指消毒薬を適正に使用させるには, 巡回結果の点数化や, パームスタンプ, 手洗い宣言ポスターなどの視覚的フィードバックが有効であると考えられた.
  • 小阪 直史, 国府 孝敏, 杉岡 信幸, 山田 幸司, 京谷 憲子, 廣瀬 有里, 倉橋 智子, 木村 武, 小森 敏明, 高岡 みどり, ...
    2005 年 20 巻 4 号 p. 237-242
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    当院では2003年4月より, 抗菌薬適正使用の推進を目的とした抗菌薬適正使用推進チーム (Antimicrobial Management Team: AMT) を発足し活動を開始した. AMTの活動は, 抗MRSA薬使用症例および血液培養陽性症例を対象とした病棟ラウンドを実施し, 抗菌薬の選択, 投与量, 投与期間およびTDM等の相談指導を行っている. また活動にあたりラウンド対象患者の処方歴・検査結果などをオーダリングシステムより抽出しデータベース化することで, サーベイランスや病棟ラウンドでの資料作成・記録の効率化を図っている. 今回, 抗MRSA薬使用症例の菌検出状況, AMT活動後のTDM, 投与期間等について検討した. 結果, AMTラウンド前後でのTDM実施率は56%から83%へと増加した. また定常状態到達後のトラフ値は, バンコマイシン, テイコプラニン共に広い分布を示し, 適切なトラフ値のコントロールのため多くの症例において投与量・投与間隔の再設計が必要であった. AMTラウンド後, 投与期間14日以内が全体に占める割合は2003年度前期71%に対して後期81%と増加, 15-28日間では前期25%に対して後期10%へと減少を示し, AMT活動の経過に伴い投与期間の短縮傾向を認めた. これらの結果より, AMT活動が抗MRSA薬の使用適正化や投与期間短縮につながることが示唆された.
  • 山本 恭子, 桑本 志保, 鵜飼 和浩
    2005 年 20 巻 4 号 p. 243-248
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    強酸性電解水手洗いの連続施行による除菌効果と皮膚への影響について調べるために, 15秒間手洗いを1日5回連日5日間または1日10回5日間行い, 手指の細菌数, 角質層表面の細胞形態, および経皮水分蒸散量 (TEWL値) の変化を調べた.
    手洗い前および手洗い後の手指表面の細菌数を調べたところ, それぞれの日の1回目手洗いと比較してほとんどの場合で, その日の最終手洗いである5回目および10回目で細菌数の減少が見られた. すなわち, 1日5回以上手洗いを施行した場合は1回目手洗いと比べて除菌効果が高くなると考えられた. さらに, 手洗いの連日施行による皮膚表面の細菌数への影響を見るために, 各日1回目の手洗い前の細菌数について1日目を基準にして3日目, 5日目手洗い前を比較すると5回, 10回手洗い群共に有意差はなく, 連日手洗いによる皮膚表面の細菌数, すなわち通過菌への影響は翌日まで及ばないと考えられた. しかし, 1日10回5日間の手洗い施行により手指の常在菌数については有意な減少が認められた.
    皮膚への影響については1日10回5日間の手洗いを行い調べたところ, 角質層表面の細胞の細胞形態値, 重層値はともに手洗いを重ねるほどに低下し細胞変性が認められたが, 経皮水分蒸散量の上昇は認められず, 角質層のバリヤー機能への影響は無いと考えられた.
  • 大石 智洋, 水島 ひとみ, 辻 明良, 砂川 慶介
    2005 年 20 巻 4 号 p. 249-253
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    速乾性手指消毒薬を用いた手指消毒を毎日継続して行なうには, 手荒れの少ない製剤が望まれる. そこで, 2種類の速乾性手指消毒薬, グルコン酸クロルヘキシジンアルコール製剤 [SWK] および塩化ベンザルコニウム・エタノール液 [RBN] の皮膚に対する作用を比較検討した.
    両腕の前腕内側に, どちらの薬剤かわからならいように配布された各薬剤を, 23名の対象者に2週間塗布してもらった. 使用感については, SWKがよいと答えた者が11名, RBNがよいと答えた者が10名とほぼ同数で, 自覚症状 (刺激性, 発赤, 掻痒感など) を訴えた者が, SWKで6名, RBNで8名存在し, RBNを使用した群において, 自覚症状により試験を中止せざるを得なくなった者が2名存在した. 角質表層の水分量の指標となる皮膚表面コンダクタンス (SSC) および角質層のバリアー機能をみる指標となる経皮水分喪失量 (TWL) についての, 試験終了時と開始時の差 (ΔSSCおよびΔTWL) の検討では, ΔSSCではSWKが有意に優れた結果となったが, ΔTWLでは有意な差を認めなかった. 以上より, 11月~12月にかけ, SWKおよびRBNを使用した際の皮膚の影響について, 使用感や角質層のバリアー機能保持には差を認めないが, 皮膚角質表層水分量の保持の面ではSWKの方が優れているという結果が得られた.
  • 鈴木 昌代, 境 富美子, 麻生 幸三郎
    2005 年 20 巻 4 号 p. 254-258
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    院内感染対策の一環として, 重症心身障害児者 (重心) 病棟の入院利用者と直接処遇職員の麻疹既往歴・予防接種歴を調査し, 入院利用者110名および測定を希望した職員52名のHI抗体価 (HI) を測定, 希望者に麻疹ワクチンを接種した. ワクチンを接種した利用者では, ワクチン接種後に麻疹抗体価HIとEIA法IgG (EIA-IgG) を測定, 抗体獲得の有無を確認した. その結果, 麻疹の罹患歴・予防接種歴は入院利用者の半数以上 (65%) で不明であった. 利用者のHI抗体陽性率は59%で, 麻疹罹患歴がある利用者でも陽性率は73%にとどまった. ワクチン接種した利用者43名中9名で接種後のHIが陰性であり, この9名のうち3名はEIA-IgGも4以下でありvaccinefailureが推察された. 一方, 残りの6名はEIA-IgGが6.5以上であり, HIによる偽陰性と考えられた (偽陰性率15%). 麻疹罹患歴・予防接種歴が不明の職員は17%で, 測定を希望した職員中23%でHIが陰性だった. HI陰性の職員のうち職歴から抗体保有の可能性が高いと推測された5名ではEIA-IgGを追加測定, 全員EIA-IgGが7以上であっため予防接種はおこなわなかった. 最終的に予防接種を行った職員は8名のみであった. 不必要な予防接種をおこなってしまう可能性がある程度はあるが, コストのことも含めて考えると, 麻疹の選択的予防接種を行う際にHIは最適な指標といえる.
  • 井川 順子, 竹下 麻美, 橋本 陽子, 飯沼 由嗣, 一山 智
    2005 年 20 巻 4 号 p. 259-263
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    当院における安全装置付き針刺し防止器材の経年的な針刺し防止効果の評価を行った. 当院では2000年より安全装置付き器材の導入を行っているが, 翼状針においては, 安全装置なし器材を使用していた1999年と比べて導入年には10万本使用あたりの針刺し発生率は12.4から5.0へと有意に低下したが, その翌年には再び7.0へと上昇し有意差はなくなり, その後更に安全と考えられる器材の導入も行ってもほとんど変化はみられなかった. 静脈留置針は2000年に安全装置付き器材が導入となり, 当初Activeタイプが, 次にPassiveタイプの器材が用いられたが, 病院内での使用率は40%を越えず, 安全装置なし器材と比べて有意な針刺し発生率の低下もみられなかった. このため, 更に使用感が良好なPassiveタイプ器材を導入したところ2004年には使用率は84%に達し, 針刺し発生数は0件となった. 発生率の比較では, 安全装置なし器材 (10万本使用あたり27.6) と比べて有意に発生率が低い結果となった. 静脈留置針全体でも2000年の8件から2004年では3件と62.5%の減少となった. PassiveタイプはActiveタイプよりも安全かつ導入が容易な器材と考えられ, 安全装置付き器材の選択の際には優先的に考慮すべき性能と考えられた.
  • 中村 悦子, 森下 真澄, 小林 治, 谷内 光子, 望月 康弘
    2005 年 20 巻 4 号 p. 264-267
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    2002年7月, 感染制御チーム (Infection Control Team) の結成に伴ない, 同年8月より感染制御の観点から, ガーゼ用金属カストや鉗子立てを廃止し, ガーゼやセッシの単包化をおこなった.(ガーゼは単包化滅菌製品を購入し, セッシは院内の中央材料室で単包化と滅菌をおこなった.) 単包化は, 感染制御ばかりでなく, コスト削減の対策としても有効であると報告されているため, 単包化2年の経済効果について検討した. 単包化前の2002年2月から2002年7月までの6ヵ月間と, 単包化後の2002年8月から2004年7月までの24ヵ月間におけるガーゼとセッシの1ヵ月あたりの供給数から諸経費を算出し, 経済効果を評価した. 単包化によりガーゼ供給数は, 単包化前よりも1ヵ月あたり10,700枚減少し, 諸経費は78,000円減少した. また, セッシ供給数は, 単包化前よりも1ヵ月あたり1,800本減少し, 諸経費は14,300円減少した. 供給数と諸経費の減少から, 年間約110万円の経費削減が得られた. これは単包化供給により, 無駄な使用と供給が減少した為である. ガーゼ・セッシの単包化供給は, 感染制御の観点のみならず, 経済的にも有効であった.
  • 大石 毅, 高橋 一郎, 尾形 享一, 萱室 昌子, 飯島 昌美, 野口 美恵子
    2005 年 20 巻 4 号 p. 268-271
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    滅菌医療材料をディスポーサブル化, キット化することは, 医療現場において器材の再利用にかかる時間の短縮と, 患者毎に無菌保障された材料を提供できるメリットがある. しかし, 積極的な導入には購入コストが障壁となり実現しにくい. 今回, 我々はリユース製品を全面的に見直すとともに, ディスポーサブル製品への積極的な転換を実践し, 経済的効果が得られるかを検討した. まず, 2001年4月から2002年3月までの院内で再利用された手術部外の医療材料を調査した. 部門別構成比で60%は外科病棟が占めており, 材料別内訳の構成比率では, 構成比率90%を占める材料のうちガーゼカスト, 錨子立て, 万能つぼなどに収納した滅菌セット (以下, バルク滅菌品) が多く含まれていた. そこで外科病棟におけるセット滅菌品を廃止し, 独自のキットに転換した. キット導入前の外注滅菌費用, 材料費, 修理補充費用の月平均が55万円であったのに対し, キット導入後は53万円とほぼ同等であったため, 2003年10月よりキット化を全病院に拡大した. これにより年間支出は2931万円から2617万円へと削減された. 滅菌材料の品目数も約17万点から14万8千点へ12.5%の減少効果があり, 院内における物流量の減少にも繋がった. 綿密な計画の下に滅菌医療材料のディスポーサブル化, キット化を行うことで業務効率向上とコスト削減の両立が可能であった.
  • 頼岡 克弘, 大愼 昌文, 佐和 章弘, 尾家 重治, 神谷 晃
    2005 年 20 巻 4 号 p. 272-274
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    中心静脈ラインの三方活栓および閉鎖式注入デバイスの細菌汚染について調べた. 三方活栓では調べた148検体中17検体 (11.5%) が汚染を受けていた.
    おもな汚染菌種はStaphylococcus epideymidis, Staphylococcus capitisおよびPseudomonas aeruginosaなどであった. 一方, 閉鎖式注入デバイスでは調べた152検体すべてが汚染を受けていなかった (p=0.0005). 細菌汚染防止の観点から, 閉鎖式注入デバイスは三方活栓に比べて優れており, 輸液ラインの汚染防御対策の一つとして有用だと考えられる.
  • 森兼 啓太, 岡部 信彦
    2005 年 20 巻 4 号 p. 275-278
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    日本環境感染学会の事業であるJapanese Nosocomial Infections Surveillance (JNIS) システム参加施設に対し, 主に手術部位感染 (SSI) サーベイランスに関する実態調査および意見聴取を目的としたアンケートを行った. 合計42施設から回答が得られた. データ収集は記入者である外科医師や看護師が担当しているケースが多かった. 病棟ラウンドやSSI疑い症例の診察を行わず, SSI疑い症例の検知を臨床検体分離菌情報のみに頼る施設があり, SSIサーベイランスの正確性に関して問題があると思われた. 各施設での現場への結果フィードバックは概ね行われていたが, リスク因子調整を行なっている施設は少なかった. JNISシステムからフィードバックされるデータの種類に関するニーズも, リスク因子調整をしない手術手技別SSI発生率に高かった. 施設問比較にはリスク因子調整が必要であるが計算がやや複雑であり, JNIS側からリスク調整されたデータを計算してフィードバックする必要があると考えられる
  • 小林 寛伊
    2005 年 20 巻 4 号 p. 279
    発行日: 2005/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
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