環境感染
Online ISSN : 1884-2429
Print ISSN : 0918-3337
ISSN-L : 0918-3337
21 巻 , 4 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 戸田 すま子, 渡部 節子, 松田 智子, 松田 好雄, 原口 俊蔵, 池田 耕三, 奥田 研爾
    2006 年 21 巻 4 号 p. 231-235
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    二酸化塩素 (ClO2) は安全性の高い消毒薬として古くから用いられているが, 各種微生物に対する殺菌効果を検討した系統的で詳細なデータはこれまであまり発表されていない. そこで今回我々は, 二酸化塩素 (クリーンメディカル®) を用い, その殺菌および静菌的効果の検討を行った. その結果, 二酸化塩素 (600ppm) を用いた場合, Salmonella enteritidisは5分間, Pseudomonas aeruginosa, Esckerichia coliは10分間, Serratia marcescensは15分間, Staphylococcus aureus, Candida albicansは30分間, methicillin-resistant Stphylococcus aureusは60分間の作用で, 菌数が検出限界以下になることが明らかになった. 二酸化塩素は安全性が高く, 一般的な消毒薬の一つである次亜塩素酸のような刺激臭も無いため, 病院内・介護施設等における環境・機器の消毒薬として大変有望であると考えられ, 今後医療の現場への更なる応用が期待される.
  • 小林 晃子, 尾家 重治, 神谷 晃
    2006 年 21 巻 4 号 p. 236-240
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    Bacillus subtilisの芽胞をシリコンディスク上に付着させて乾燥させた後, 消毒薬を滴下して芽胞の殺滅に要する時間を検討した. 20℃において102 cfuレベルの芽胞を, 3%グルタラールは1時間, 0.3%過酢酸は1分, 0.1% (1000ppm) 次亜塩素酸ナトリウムは20分で殺滅効果を示した. しかし, 0.55%フタラールは殺滅に6時間以上を要した. また, シリコンディスク上で乾燥させた芽胞の上に0.1%アルブミンを添加して乾燥させた場合での消毒薬の殺芽胞効果は, 0.1%次亜塩素酸ナトリウムでは殺滅効果が遅延したものの, その他の薬剤では殺滅効果の遅延は見られなかった. 一方, 3%グルタラールの殺芽胞効果は, 30℃では30分で, 20℃では1時間で効果が得られるものの, 10℃では2時間が必要であった. また, 0.3%過酢酸は30℃では30秒で, 20℃では1分間で効果が得られるものの, 10℃では2分間が必要であった.
  • 森朝 紀文, 松本 朝美, 増田 紀子, 鈴木 千晶, 西 淳雄, 畑中 一生, 玉置 俊治
    2006 年 21 巻 4 号 p. 241-246
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    血液内科において発熱性好中球減少症 (febrile neutropenia: FN) に対して, 抗菌薬を発症順に使用するミキシング療法を導入した. 血液疾患に伴う感染症の原因菌として重要な緑膿菌について, 導入前1年間, 導入後1年間, 最近1年間の3期に分け, 病棟における検出率, 使用したセフェム薬・カルバペネム薬感受性率をレトロスペクティブに調査した. その結果, 緑膿菌検出率は有意に減少し, 多剤耐性緑膿菌検出数, 患者数も減少した. また, 感受性率は殆どの薬剤で改善した. 今回, ミキシング療法により感受性率が改善したことは, 耐性菌の出現を抑制することができる可能性が示唆された.
  • 山本 章, 稲田 しづ子, 中川 益枝, 萩原 栄子, 松本 直美, 黒川 芳恵, 塩谷 あけみ
    2006 年 21 巻 4 号 p. 247-253
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    公立の介護老人施設において1999年から7年間にわたり, 原則入所者全員を対象として毎年春1回と, そのときの陽性者並びにそれ以降の新入所者を対象として秋に追加で1回, 咽頭ぬぐい液を採取してメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の培養検査を行ってきた. MRSAと感受性菌 (MSSA) を含めた全黄色ブドウ球菌の検出率は各年度毎の値の平均で38.2±11.8 (16.3~59.5) %, MRSAのそれは11.1±4.0 (5.0~16.3) %であり, 黄色ブドウ球菌全体に占めるMRSAの比率は7年間を通しての値で28.9%であった.経年的にみて増加あるいは減少の一定した傾向は見られなかった. 自宅から, あるいは他の介護施設を通して受け入れた入所者におけるMRSA検出率はそれぞれ4.2±4.8%ならびに6.7±1.9%と低かったのに対して, 病院から受け入れた入所者における検出率は年により10.5~30.8 (平均22.9±7.1) %と高い値を示した. 当施設で複数回検査する機会のあった90例のうち, MRSA培養陰性から陽性に転じた者は76例中12例 (15.8%) で, 殆どすべては過去1年間に嚥下障害, 肺炎その他の感染を併発し, あるいは骨折を機に入院して抗菌薬の投与を受けていた. 逆に数年の経過中に陽性から陰性に転じたものは14例中12例 (85.7%) であった.初回検査で陽性であったこれら入所者のすべては病院への入院歴があった.
    以上の結果から, 当施設では経年的にMRSAの分離率はほぼ一定であり, 増加傾向はみられなかった. 複数回培養された症例のうち, 施設や家庭を行き来している内に (入院歴なしで) 新たに陽性となった入所者は2例のみで, それぞれ副鼻腔炎, 下肢の蜂窩炎織によると思われる発熱に対して抗菌薬治療を受けていた.
  • 高橋 利弘, 丸山 久美子
    2006 年 21 巻 4 号 p. 254-257
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    Clostridium difficile関連下痢症 (以下, CDAD) は文献的に15~20%の再発が報告されており, 患者のquality of lifeの低下や, 在院日数の延長, 医療費の増加など様々な問題が生じている. そこで今回は, 当院で2005年4月~7月の期間 (観察期間は9月まで) にCDADと診断された患者29名を対象とし, CDAD再発患者 (9例) の臨床データ, VIDAS Assay kit CDA2を用いたToxin Aの測定値をまとめ, 単回発症患者 (20例) と比較することにより, これらからCDADの再発が予測できるかどうかを検討した. その結果, 単回発症群と再発群では臨床データに明らかな違いは見出せなかったが, 診断時のToxin Aの測定値は単回発症群: 8.3±2.2, 再発群: 20.9±2.2であり, 再発群で有意に高かった (p<0.05). 菌量を同一にするため, McFarland 3.0の菌液に調整後の測定では両群間に有意な差はなく (3.0±1.0, 2.8±1.8), 菌量の差が再発に影響している可能性が高いことが示唆された. 以上の結果より, VIDAS Assay kit CDA2を用いたToxin Aの測定は再発の予測に役立ち, 適切な治療に結びつくと考えられた.
  • 藤瀬 清隆, 春日 葉子, 鈴木 憲治, 内藤 嘉彦, 小林 正之, 久保 政勝
    2006 年 21 巻 4 号 p. 258-262
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    ヒト培養細胞由来の沈降B型肝炎(HB)ワクチンを当院附属看護専門学校学生(看護学生)と当院職員の集団接種へ新規導入を検討するため, 従来当院で用いてきたHBワクチンと獲得HBs抗体価および副反応につき比較検討を行った.
    2000年度のHBワクチンの集団接種を看護学生にはヒト培養細胞由来HBワクチン(M群)を, 職員には従来通り酵母由来組換えHBワクチン(B群)を0, 4, 24週目に筋肉内接種を行った. 3回の接種を完了した看護学生56名(女性, 19~32歳, 平均20.9歳), 職員23名(女性, 21~32歳, 平均23歳) を対象として解析を行った.
    最終獲得HBs抗体価を両群間で<100, 100~599, 600~1999, 2000~3999, ≧4000mIU/mLの5層に分けて比較すると, M群では≧4000に50%以上が, B群では<100と100~599に50%以上が分布し, M群がp<0.001で有意に高抗体価であった. 一方, 副反応の発現数と発現率の比較では, 各回の接種毎のアンケート調査で回答が得られたM群のべ168名とB群のべ54名において, 全身症状はM群10名 (6.0%), B群3名 (5.5%) に, 局所症状はM群11名 (6.5%), B群10名 (18.5%) に各々みられ, 局所症状においてB群がp<0.05で有意に高頻度であった.
    以上のことから, ヒト培養細胞由来HBワクチンの有用性が示された.
  • 安岡 砂織, 小椋 正道, 矢野 久子, 和田 順子, 寺島 宏, 岡本 典子, 脇本 幸夫, 溝上 雅史, 森 雅美, 奥住 捷子, 大楠 ...
    2006 年 21 巻 4 号 p. 263-268
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    耳鼻咽喉領域の診察時には鉗子孔が無い鼻咽喉軟性内視鏡が繁用されるが, この機器の洗浄・消毒に関する検討はほとんどなされていない. そこで, A病院耳鼻咽喉科病棟処置室で使用している (1) 鼻咽喉軟性内視鏡 (以下, 内視鏡) と (2) 消毒に使用するグルタラール (以下, GA), および (3) 用手法にてこの機器を洗浄・消毒する看護師を対象とし, 同病院における現状の洗浄・消毒方法での内視鏡器具を介した病原体伝播の可能性について検討した. 方法は (1) GAの濃度・pH測定,(2) 内視鏡本体と (3) 28日間使用後のGAからの細菌学的検索,(4) 内視鏡洗浄・消毒時間測定と看護師の個人保護具 (Personal Protective Equipment) 装着の有無 (直接観察法) である.その結果, 28日間連続使用したGAで消毒した内視鏡先端部からBacillus psychroduransが1回検出された. 使用開始時のGA平均濃度は3.5±0.07%, pH8.00±0.01, 28日間使用後のGA平均濃度は2.2±0.1%, pH7.71±0.05であり, GAからの細菌検出はなかった. 内視鏡洗浄・消毒は8名の看護師が行い, GA浸漬前の合計洗浄平均時間は24.6±25.8秒で, 最短3.0秒, 最長130.0秒であった. 消毒効果が期待できるGAの条件であったにも関わらず, 消毒後の内視鏡先端部からB. psychroduransが検出されたのは, 洗浄時間が不十分であったことが要因と示唆された. 洗浄や消毒の工程において, 特に丁寧な洗浄を行うように周知徹底することが感染予防上きわめて重要である. 鉗子孔が無い鼻咽喉内視鏡の洗浄・消毒に関しても, 消化器および気管支内視鏡と同様にガイドラインの作成とその遵守が急務と考える.
  • 土橋 直子, 竹浪 裕見子, 笹田 真紀子, 小貫 三枝子, 南山 絹江, 高橋 百合子, 一ノ瀬 直樹, 芝崎 健志, 内田 寛
    2006 年 21 巻 4 号 p. 269-271
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    当院においてベッド上排泄患者に対してはプラスチック製の陰部洗浄ボトル (陰洗ボトル) を使用して洗浄などの陰部ケアを行っている. しかし, このボトルの取り扱い方法については各病棟の判断に委ねられており, 院内で統一されていなかった. 今回, 陰洗ボトルによる感染伝播リスクの低減を目的に各病棟の使用現況を調査し, 洗浄後のボトルについては細菌学的検査を実施した. それらの結果をふまえ「陰洗ボトルの取り扱い方法の院内基準」の統一化を試みた. 使用現況把握のために使用方法, 洗浄方法, 保管方法の3点について聞き取り及びラウンドによる調査を行った. 細菌学的検査としては使用後のボトルを, 「洗浄のみ」4例と「洗浄後消毒薬を使用」2例の2群に分けて細菌学的検査を行った. その結果, 使用方法は病棟により「患者個別」と「数名の患者での共有」に分かれていた. また, 保管方法において多くの病棟でボトルの乾燥が不十分であった. 細菌学的検査としては, 拭き取り検査による培養検査を行った結果, 「洗浄のみ」のボトル4例中全てからFlavobacterium species (200-500cfu/swab) が, 4例中2例からAcinetobacter species (100-200cfu/swab) が検出されたが, 「洗浄後消毒薬を使用」のボトルから細菌は検出されなかった. 一般的にノンクリティカルな器具は十分に乾燥することで消毒の必要はないとされているが, 今回の陰洗ボトルについては, 形状や乾燥に要する時間など, 使用する現状を考慮した場合, 消毒薬を使用することの有効性はあると考えられた.
  • 休波 茂子, 浅尾 淑子
    2006 年 21 巻 4 号 p. 272-277
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    医療処置に伴う看護行為が多い外科系病棟における看護師のアルコール含有手指消毒薬を用いた手指衛生行動を明らかにするために調査を行った. 調査期間は2004年6月~8月, 調査日数は15日間であった.(1) ナースステーションの手洗いシンク場,(2) 観察室への入退室時,(3) MRSA感染症患者の病室への入退出時,(4) 創処置介助時における看護師の手指衛生行動の観察を行った結果, 手指衛生行動535場面に対して, アルコール含有手指消毒薬を用いた手指衛生行動が67場面 (12.5%) 観察された. それぞれの場面での看護師のアルコール含有手指消毒薬を用いた手指衛生行動は, 手術後患者収容の観察室への入退出時における手指衛生47回に対して2回 (10.0%) と少なかったが, MRSA感染症室への入退室時においては, 手指衛生45回に対して33回 (73.3%) であった. 59の創処置介助場面については, 看護師の手指衛生21回のうち, 15回 (71.4%) であった.今後, アルコール含有手指消毒薬を用いた手指衛生の推奨と同時に, 看護師の手指衛生行動を高めていくための方策の必要性が示唆された.
  • 高橋 美和
    2006 年 21 巻 4 号 p. 278-281
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    アルコール消毒方法に焦点を当て, 末梢静脈カテーテルの消毒方法の違いによる消毒効果を比較し, 有効かつ経済的な消毒方法を検討した. 対象は, 末梢静脈カテーテルを留置しヘパリンロック法を施行している患者121名とした. その121名をアルコール綿での清拭によるアルコール綿群 (66名) とアルコール噴霧法による噴霧群 (55名) に分け消毒効果を比較した. その結果, 三方活栓の菌検出率は, 外側がアルコール綿群13.6%, 噴霧群21.8%であり, 内側はアルコール綿群, 噴霧群共に0%であった. アルコール綿群と噴霧群の両群間の消毒効果に有意差は無かった (P=0.237). 両群間の属性構成に抗菌薬の使用に偏りが見られたが, 菌検出率に影響を及ぼさなかった. アルコール綿法と噴霧法のコスト比較の結果, 噴霧法はアルコール綿法より一ヵ月あたり1/6-1/8以下の計算となり, コストを削減することができた. アルコール噴霧法は, アルコール綿法と同等以上の消毒効果が得られ簡便かつ経済的な方法と考えられた.
  • 小林 寛伊
    2006 年 21 巻 4 号 p. 282
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
  • 土井 まつ子
    2006 年 21 巻 4 号 p. 283
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
feedback
Top