救急救命士ジャーナル
Online ISSN : 2758-8459
Print ISSN : 2436-228X
4 巻, 2 号
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特集:JPTEC協議会 創立20周年記念企画
総説
調査・報告
総説
総説
  • 福岡 範恭, 喜熨斗 智也
    2024 年 4 巻 2 号 p. 88-94
    発行日: 2024/06/20
    公開日: 2024/06/20
    ジャーナル フリー

    救急救命士が雇用される組織には,それぞれの職種における業務の専門性に応じた資格がある。消防機関の「救急隊員」,海上保安庁の「救急員」,そして自衛隊の「第一線救護衛生員」 といった資格であるが,医療機関に勤務する救急救命士には存在しない。今後,救急救命士が自律し,高度化した専門職を目指すにあたって,それぞれの職種に応じた専門化をすべきか,またはすべての救急救命士のさらなる高度化が必要なのか検討していく必要がある。医療従事者のなかでも,看護師はセミ・プロフェッションとして認知されていたが,現代ではプロフェッションとして認知され,近年でもその専門性の高度化に関する取り組みが行われている。そこで本稿は,セミ・プロフェッションであった看護師の専門性の高度化についてどのような制度を創設してきたのか,これまでの文献などを参考に概説し,今後の救急救命士の専門性と認定制度の検討課題について考察する。

原著
  • 萱沼 実, 匂坂 量, 田中 秀治, 原 貴大, 堀川 浩之
    2024 年 4 巻 2 号 p. 95-101
    発行日: 2024/06/20
    公開日: 2024/06/20
    ジャーナル フリー

    【目的】本研究の目的は,通信指令員が通報者とコミュニケーションを図る際に重要と考えられる共感度の客観的指標を作成し,信頼性と妥当性を検証することである。【方法】Hojatらによって開発された共感度を測定する尺度(JSPE)を通信指令員用に改変し,全国消防本部の通信指令員252名を対象に調査を行った。【結果】通信指令員用JSPE因子分析では,尺度全体のα係数は0.83で調査票の信頼性が高いことが判明し,各因子のα係数は,第一因子と第二因子ではそれぞれ0.83,0.80と高く,第三因子では0.56と低かった。通信指令員の共感度は平均97,標準偏差11であった。【考察】本研究で試作した調査票は,総合的な評価ツールとして利用できることが判明した。本研究においては通信指令員の共感度が低く,共感度を高めるトレーニングが必要と考えられる。【結語】今後,本調査票を用いてコミュニケーション能力を評価しつつ,共感力を高める通信指令員トレーニングを行うことが重要と考える。

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