目的:重要な偶発病変の看過を回避するため,非常勤の放射線科医に週2回体幹のCT読影を依頼してきた。今回レポートの確認不足にも対応するため,1人の救急医がコーディネーターを兼任して主治医に情報提供する体制とした成果を検討する。方法:本体制とした2015年12月から1年4カ月間で,放射線科医が読影した1,684件(全患者1,068例うち外傷511例)を対象に,偶発病変の重要度を1(生命を脅かす病変)と2(退院後に精査を要する病変)に区分し,頻度,病態,主治医認識の有無,対処につき後方視的に調査した。結果:重要度1は43例(4.0%,大部分は悪性腫瘍),重要度2は79例(7.4%)に認められた。レポートのチェック前に重要度1の10例,重要度2の25例が転退院し,それぞれ9例,20例で主治医認識がなかったが,情報提供して対処した。結論:早期転退院例にも対応するには,コーディネーター体制が有効であった。
抄録全体を表示