日本食品工学会誌
Online ISSN : 1884-5924
Print ISSN : 1345-7942
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11 巻 , 3 号
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解説
  • 鈴木 哲夫
    11 巻 (2010) 3 号 p. 117-123
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
    「食品の物性そして水」の一編として,ガラス状態(アモルファス状態)の糖によるタンパク質の熱安定化に関する実験と分子動力学(MD)シミュレーションの研究例を紹介した.最初に分子シミュレーション,とくにMDシミュレーションの概要を述べたのち,糖によるタンパク質の熱安定化についての実験とMD計算の事例を報告した.実験では,糖-酵素水溶液を凍結乾燥して得られた試料について,高温保存時の熱失活に関する実験結果から,同一の糖において,ガラス状態である方が結晶化した場合より熱安定化作用が強いことを示した.対応するMDシミュレーションの結果から,熱安定化作用は糖-タンパク質間の水素結合数だけでなく,水素結合の寿命にも依存していることが示唆された.分子シミュレーションは今後益々実験を補完する有用な道具となっていくものと考えられる.
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原著論文
  • 大森 智史, 今道 純利, 新谷 進, 松長 正見, 萩原 知明, 渡辺 学, 渡辺 尚彦, 﨑山 高明
    11 巻 (2010) 3 号 p. 125-132
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
    配管系CIPのファイナルリンス工程における洗浄水削減を目指して,空気と水から成る環状流の適用を試みた.すなわち,ステンレス鋼製の1S配管を水平と垂直に配置した場合について,水飴をモデル汚れとして,空気と水の二相流による洗浄を各種流速条件にて行い,残留汚れの経時変化を検討した.空気の流速が小さい場合には,完全な環状流は形成されず,管壁上部が洗浄困難となり,極めて低い洗浄効率となった.空気の流速を600 L/min以上に設定すると環状流が形成され,水のみの通常洗浄に比べて,洗浄効率を大きく低下させることなく,使用水量を10%程度にまで低減可能であることが示された.直管以外のT字管やエルボ,ダイアフラムバルブを含む配管系についても洗浄効果を検討した.この場合には,二相流洗浄の洗浄時間は通常の水洗浄の2倍程度必要であったものの,使用水量は20%程度にまで低減可能であることが示された.
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  • Pantira HEMPATTARASUWAN, Chotika VIRIYARATTANASAK, 松川 真吾, 渡辺 学, 鈴木 徹
    11 巻 (2010) 3 号 p. 133-138
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
    生食用マグロ肉の色調は商品価値にとって重要な因子である.新鮮なマグロ肉はオキシミオグロビンあるいはデオキシミオグロビンにより比較的明るい赤色を呈するが,保存期間中にミオグロビン色素のポルフィリン環の中心部に配座するFe2+が自動酸化を受けFe+3に変化し色調が暗褐色に変化するとされる.この現象は一般的な冷凍保管温度-18℃においても比較的急速に進行するため,マグロ流通では-50℃以下の保管温度が利用されている.しかしながら,凍結保管中におけるマグロ筋肉内における色調の変化についてはいまだに不明点が多く残されている.その原因の1つはメトミオグロビンの消長に関連する反応機構の全容が明らかにされていないこと,またメトミオグロビン自体の定量手法の不備が挙げられる.
    本研究では,これまで筆者らのグループで取り組んできたFe3+の検出を可能とする電子スピン共鳴(EPR)による凍結マグロ筋肉中のメトミオグロビンの定量研究[9]を発展させ,凍結保管中のマグロ筋肉内メトミオグロビンの消長,またフリーなFe3+量の変動についても同時に検討した.さらにそれらの挙動に与える筋肉内脂質の影響についても検討した.すなわち,未凍結生鮮メバチマグロ肉から脂質含量0.8%の赤身部と脂質含量7.4%の中トロ部を所定のサイズに切り出し-5,-10,-15℃で凍結庫に4ヶ月間保管し,その間,凍結状態(測定時温度-150℃)のまま試料のEPRスペクトルを測定した.EPR測定にはMn2+を基準物質(マーカー)として用い,JES-TE300(JEOS Co.,)にてX-bandで測定を行った.一方,あらかじめ種々な濃度に調整したメトミオグロビンおよびフリーなFe3+を含む標準溶液を調製し,試料測定時と同じ条件でEPR測定を行い,メトミオグロビンおよびフリーなFe3+由来のそれぞれのピークのMn2+ピーク強度に対する相対強度値を求め,それぞれの濃度とピーク強度の検量線を作成した.この検量線を用いて,試料中のメトミオグロビン含量およびフリーなFe3+の絶対量を求めた.
    その結果,-5℃,-10℃保管では赤身,中トロ肉いずれも初期にはメトミオグロビン量は増大するが,赤身肉では30日前後で0.1μmol/gを上限値として変化が無くなった.一方,中トロ肉ではメトミオグロビン含量は初期に急速な増加を示し,-5℃で約10日,-10℃で20日で最大値を示した後,急激な減少に転じることがわかった.しかし,-15℃保管では,赤身,中トロいずれの場合にも緩慢な上昇を示し,試験期間中には最大値,上限値に至らなかった.また,本研究ではいずれの温度でもフリーなFe3+が凍結保管中にも増加することが示された.この増加は保管温度が高いほど速いが,とくに脂質の多い中トロでは,その増大が著しく顕著であった.したがって,脂質の多いマグロ筋肉内では,ミオグロビンはいったんメトミオグロビンとなり,さらに脂質の影響によりFe3+の遊離が起きるためメトミオグロビンが減少するといった連続した反応機構があることが示唆された.これら知見は凍結マグロ肉の色調の変化を予測,保管条件を決定する上での基礎となると考えられる.
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  • 飛塚 幸喜, 安食 雄介, 野内 義之, 宮脇 長人
    11 巻 (2010) 3 号 p. 141-145
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
    凍結濃縮は加熱を伴わないマイルドな濃縮手法であるため,香気成分など熱に不安定な物質の濃縮に適している.そこで我々は界面前進凍結濃縮法による,モモ香気成分の濃縮を試みた.
    モモ果汁を減圧蒸留してモモ香気成分を含む凝縮水を採取した.得られた凝縮水を界面前進凍結濃縮し,モモ香気成分を濃縮した.凝縮水を体積比で11.6倍濃縮したところ,主なモモ香気成分(γ-デカノラクトン,(E)-2-ヘキセン-1-オール,1-ヘキサノール,(Z)-3-ヘキセニルアセテート,その他)の濃度は,およそ8~12倍前後となり,比較的理論値に近い濃縮率となった.一方,界面前進凍結濃縮操作で生成した氷に取り込まれた香気成分量は,最も多いものでも投入量の約0.5%であった((E)-2-ヘキセン-1-オール).界面前進凍結濃縮法により,モモ香気成分は効率良く濃縮されることがわかった.
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