日本食品工学会誌
Online ISSN : 1884-5924
Print ISSN : 1345-7942
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12 巻 , 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
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解説
  • 設楽 英夫, 尾辻 淳一, 川田 次郎
    12 巻 (2011) 4 号 p. 117-122
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
    食品の製造者にとって,品質の向上と安定化,新製品開発のために殺菌は重要な工程である.その殺菌工程では次々と新しい課題が生じるため,常に課題解決に向かって取り組んでいる.
    ここでは,連続式蒸気殺菌技術において,スチームインジェクション法の殺菌効果を算出するのに必要な殺菌時間を求めるために混合長さの測定方法の開発とCED解析を実施し実用機への応用を行った.また,インフュージョン式とプレート式の場合で同等の殺菌効果を得るための殺菌条件の決定法を提案した.さらに,チーズのような付着性,固化性のある高粘度製品にも取り組んだ.蒸気直接加熱を用いた溶融時のインラインでの粘度測定を実施し,チーズ物性の安定化についてシステム開発を実施した.
    このように,製造者という業務上の必要に迫られて実施した殺菌技術の研究を通して,蒸気直接加熱方式で装置や方法の改善,開発を進め,各食品に適合するようにシステムを構築した.
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  • 渡邉 義之
    12 巻 (2011) 4 号 p. 123-130
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
    アシルアスコルビン酸は両親媒性の抗酸化剤であるため,様々な状態における食品素材の品質保持に資することが期待される.また,酵素によるその合成は,その位置選択性が反応後の精製工程を容易化し,さらに温和な反応条件と生物分解性に優れた生成物の取得により環境負荷の低減にも寄与する.本解説では,アシルアスコルビン酸の酵素合成と食品素材の品質劣化を抑制する作用について解説する.槽型および管型反応器によりその連続生産が達成され,また高い生産性が11日間に渡り維持された.リノール酸またはカテキンの酸化分解安定性は,それらを含む系の形態(バルク系,水系およびエマルション系)や,添加されたアシルアスコルビン酸量およびアシル鎖長に依存することが速度論的解析により示された.このような食品成分の利用に際しては,食品素材の状態やその使用量などに留意し,適切な利用が求められると言えよう.
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  • 飛塚 幸喜, 宮脇 長人, 小林 康弘, 佐藤 文隆
    12 巻 (2011) 4 号 p. 131-136
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
    様々な果実から香気成分を採取し,これを香料素材として活用することを目指して研究を行った.香気成分には熱に不安定なものも多いため,非可熱操作である膜分離および凍結濃縮,とくに界面前進凍結濃縮法に着目して種々の検討を行った。
    西洋ナシ(ラ・フランス),モモおよびリンゴ果実から蒸留などにより香気成分水溶液を採取し,これを界面前進凍結濃縮(約11倍濃縮)したところ,多くの香気成分の回収率が9割前後となり極めて効率よく濃縮できることがわかった.また,同じ試料を逆浸透膜濾過濃縮したところ,多くの香気成分で溶質阻止率が80から90%前後となり,同様に効率よく濃縮できた.香気成分水溶液(果汁を減圧蒸留して得られる凝縮水)の浸透圧を測定したところ,ラ・フランス果実では果汁の約43分の1,モモ果実では果汁の約18分の1と小さかった.香気成分水溶液の浸透圧が低いため,香気成分が効率よく濃縮されたものと考えられた.
    これらの技術を応用して採取したラ・フランス果実香気成分を原料とした新しい香料を開発した.開発香料に対する食品メーカーや消費者の評価は高く,これを活用した食品や飲料などが既に商品化されている.
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  • 並河 良一
    12 巻 (2011) 4 号 p. 137-146
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
    高い経済成長を続けるイスラム圏の巨大な食品市場が,日本・欧米の企業の注目を集めている.しかし,イスラム圏の食品市場に参入するためには,イスラム教を基礎とする「ハラル制度」をクリアする必要がある.ハラル制度とは,イスラム教の禁ずる豚肉やアルコールなどの食材を含まない,衛生的で安全な食品の規準を定めて,不適合品の生産,流通,輸入などを制限する制度である.ハラル制度は,宗教を基礎とするため,非イスラム国の企業が違和感を抱く箇所,実施が困難な箇所がある.このため日本の食品企業はイスラム市場に十分に参入できないでいた.しかし,ハラル制度の体系・内容・運用を注意深く観察すると,同制度は,工業規格の性格を帯びており,食品工場等の技術者による理解が可能で,工場の現場マニュアルの作成の基礎となるように技術的に記載されている.したがって,技術力を有する日本企業は同制度を容易にクリアできると考えられる.
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原著論文
  • 邱 泰瑛, Tze Loon NEOH, 小林 敬, 安達 修二
    12 巻 (2011) 4 号 p. 147-154
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
    脱脂米糠を120℃~240℃の亜臨界水で処理して抽出物を得た.処理温度は抽出物の全糖およびタンパク質の含有率に影響を及ぼし,処理温度が210℃まではタンパク質含有率は全糖のそれより低かったが,240℃ではその関係が逆転した.抽出物のDPPHラジカル消去能は抽出温度の上昇とともに240℃まで増加し,全フェノール性物質の含有率と相関した.バルク系およびミセルへの可溶化系でのリノール酸の酸化に対する抽出物の抗酸化性を評価したところ,抽出物の抗酸化性は2つの系で異なっていた.ミセル可溶化系では,抽出物を加えない対照に比べて,いずれの温度における抽出物もリノール酸の酸化を遅延し,とくに240℃での抽出物の効果が大きかった.一方,バルク系でのリノール酸の酸化に対しては,240℃での抽出物のみが抗酸化性を示した.
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  • 小玉 郁子, 柴田 知佳, 藤田 直子, 石川 匡子, 高橋 徹, 中村 保典, 川本 朋彦, 加藤 和直, 佐藤 健介, 松波 麻耶, 秋 ...
    12 巻 (2011) 4 号 p. 157-162
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
    モチの製造工程において,その硬化工程は最も長い作業時間を要するため作業効率上重要な工程となっている.我々は,収率が高く加工特性にも優れた新しい糯品種の育成を目指しており,この目的のために糊化特性試験,尿素溶解法およびX線回折法を用いてモチ硬化特性を定量的に評価するための方法を検討した.本研究では,糯澱粉の尿素溶解速度を測定し,糊化特性値および相対澱粉結晶化度とモチ硬化性との関係について考察した.従来の尿素溶解法は,室温下で一定溶解時間後の溶解度のみでモチ硬化性の評価を行なってきたが,本研究では経時的に溶解度を測定しその溶解速度を評価指標とする方法を導入した.その結果,評価の精度と汎用性を高めることができたものと考えている.糯品種別溶解速度および相対澱粉結晶化度は糯品種の硬化特性と密接な関係があり,硬化特性が明らかになっていない糯品種の硬化ランクを推定するための有効なパラメータとなりうるものと考えられる.
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