日本食品工学会誌
Online ISSN : 1884-5924
Print ISSN : 1345-7942
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16 巻 , 4 号
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解説
  • 王 政, Neves Marcos A., 礒田 博子, 中嶋 光敏
    16 巻 (2015) 4 号 p. 263-276
    公開日: 2016/04/10
    ジャーナル フリー
    エマルションとは水-油のように,互いに混じり合わない2種の液体で,一方が他の液体中に分散しているもののことをいう.互いに混じらない水-油を乳化剤の作用で細かい液滴として分散させる操作を乳化といい,乳化する作用をもつ物質を乳化剤という.同一組成のエマルションにおいては,分散液滴径と液滴径分布がエマルションの諸特性に大きく影響を与える.分散液滴の液滴径が小さく,液滴径分布が狭くなるほどエマルションの安定性が向上する.エマルションの粒子径は通常0.01~100μm程度であり,20~200 nm程度の微細な粒子径のエマルションはナノエマルションとよばれている.水-油系エマルションを形成する場合,油滴が水に分散する水中油滴(O/W)型エマルションと,水が油に分散する油中水滴(W/O)型エマルションなどがあげられる.また,水中に分散している油滴がさらに水を内包しているような状態はWater-in-Oil-in-Water(W/O/W)型エマルションといい,これに対して,油中に分散している水滴がさらに油相に分散させた状態をOil-in-Water-in-Oil(O/W/O)型エマルションという.ナノエマルションは食品機能性成分送達システム(FDS)やドラッグデリバリーシステム(DDS)として食品,医薬品,化粧品分野への応用が検討されている.普段摂取した食品は,消化管で様々な消化液と混合し細かく分解され,体内に吸収された後に主として生体膜における生体反応に関与するが,摂食から吸収までの消化過程においては,O/Wエマルション粒子として運搬されている.とくに,吸収直前では,粒子サイズがナノメートル程度のナノエマルションから混合ミセルまで粒子サイズが微細化すると考えられている.混合ミセルへの機能性を有する成分の取込率が高いことを体内吸収性が高いとみなせる.ポリフェノール類やカロテノイド類を含む食品機能性成分は,健康の維持や病気の予防に有効であることが知られているが,その多くは熱,光,酸素などに対して不安定であり,また脂溶性のものが多いため,生体利用性が低いのが現状である.エマルション化することで,脂溶性の食品機能性成分の生体内への吸収性が改善できると知られているが,ここで,近年,食品機能性成分を含有するマイクロ/ナノエマルションの作製法の事例およびその特性評価について紹介する.なお本稿は,Foods & Food Ingredients Journal of Japan(FFIジャーナル)219巻4号312-323頁(2014年)に掲載された原稿を,許可を得て,英訳したものである.
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原著論文
  • 末原 憲一郎, 亀岡 孝治, 橋本 篤
    16 巻 (2015) 4 号 p. 279-288
    公開日: 2016/04/10
    ジャーナル フリー
    食品の品質を客観的に評価することは,食品加工プロセスの制御はもとより,日本の特産物として高品質な農産物や加工食品を輸出する際の品質保証データとしても重要である.本研究では,日本の伝統食品であり戦略的輸出品として重要度を増している日本酒に着目し,銘柄,すなわち味が異なる日本酒の赤外分光特性の把握を行った.FT-IR/ATR法にて日本酒30銘柄の中赤外スペクトルを取得した.主要成分であるエタノールの情報を差し引いて,銘柄の違い,とくに原料米の精米歩合,特定名称分類,日本酒度,アミノ酸度の違いに注目して日本酒を特徴づける4つの波数領域(950~1200,1300~1450,1500~1700,および2850~3000 cm-1)を抽出した.これらの領域のスペクトルパターンの違いについて,味覚関連物質としての糖,アルコール,アミノ酸とその他の有機酸に着目して解析を行った.日本酒の味や品質は成分バランスの違いによって生じると考えられるが,一方で解離成分であり味覚関連物質である酸類のスペクトルパターンはpHに依存する.そこで,解離平衡理論に基づいてアミノ酸(グリシンとグルタミン酸)とその他の有機酸(クエン酸,酢酸,乳酸,コハク酸,およびリンゴ酸)について,pH変化に伴うスペクトル変化挙動を把握した.具体的には,それぞれの酸の水溶液についてpHを段階的に変えてスペクトルを測定し,pHとスペクトルパターンの変化について重回帰分析により解離成分のモル吸収スペクトルを抽出した.抽出した各成分の解離成分スペクトルを用いて,日本酒のpHの平均値,最小値および最大値におけるそれぞれの酸のモル吸収スペクトルを合成することで,特定した領域のスペクトルパターンがこれらの酸に由来することを確認した.さらに,日本酒モデルの主要な酸の成分組成に基づいてスペクトルを合成した結果,ピーク位置やスペクトルの変化が観察される波数帯は実際の日本酒と良く一致し,さらに日本酒がもつpHにおけるスペクトル変化幅が把握できた.すなわち,日本酒モデルスペクトルパターンのpH依存性を考慮して日本酒そのものに由来するスペクトルパターンの違いが観察できると考えられた.そこで,極めて特徴が似ている銘柄の日本酒について,その違いがスペクトル上で把握できるかを確かめた.その結果,精米歩合が50および55%の同一酒蔵の日本酒,および同じ日本酒でも熟成の有無が異なるのみの極めて特徴が似ている日本酒について,特定したスペクトル領域において特徴的差異が観察できた.赤外分光法は日本酒の品質評価や醸造プロセス管理への応用に有用であり,本研究の成果は,光指紋情報に基づいた食品の品質保証システムの構築や安定したケモメトリックスモデル構築のためのスペクトル解析,スペクトル情報に基づいた加工プロセス管理手法を開発する上で重要な意味をもつであろう.
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  • 佐合 徹, 山﨑 栄次
    16 巻 (2015) 4 号 p. 291-296
    公開日: 2016/04/10
    ジャーナル フリー
    デンプンの糊化特性評価機器を応用し,アイスクリームおよび氷菓の少量製造とフリージング工程の物性変化の可視化を試みた.10℃のミックスを一般的なバッチフリーザ容量の約1/100(25 g),撹拌速度15 rps,冷却速度1℃/minで製造を試みたところ-5.4℃で凍結が確認され,終了時の粘度およびオーバーランは,それぞれ5.4 Pasおよび19%となった.製造されたアイスクリームの食味は,バッチフリーザで製造されたものと同等であった.この製造技術は氷菓にも利用可能であった.撹拌速度の増加は,凍結後の粘度勾配の緩化,オーバーランを増加させることを明らかにした.さらに,冷却速度の増加は凍結後の粘度勾配を上昇させ,オーバーランを増加させることを明らかにした.フリージング工程の物性変化を数値化できた.本手法は,試作時の大量の廃棄物を削減できるだけでなく,新商品開発に貢献するものと期待できる.
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技術論文
  • 下嶋 賢, 比嘉 修, 比嘉 勝也, 比嘉 吉一, 嶽本 あゆみ, 安田 淳, 山戸 陸也, 中澤 稔, 井山 裕文, 渡邉 敏晃, 伊東 ...
    16 巻 (2015) 4 号 p. 297-302
    公開日: 2016/04/10
    ジャーナル フリー
    近年,日本において,さまざまな問題の解決手段として米粉の利用の促進が図られている.製粉時に加熱に伴い米粉の成分が劣化することや,米自体が硬いため大量生産の際には浸漬処理を行うことが多く,乾燥工程に多くのエネルギが必要とされる.
    一方,沖縄高専では,瞬間的高圧処理を用いた食品加工装置の開発を行ってきた.その装置は,非加熱にて食品を粉砕し,搾汁性の向上,殺菌,軟化,製粉などの効果を得ている.そこで,本報では,瞬間的高圧処理を用いた米粉製造装置を開発した.開発した装置を用いた実験によって浸漬処理を必要としない製粉の可能性を確認した.また,実機を用いた製粉実験にて毎時あたり1.5㎏の米粉が得られた.得られた米粉の成分分析を行い,気流粉砕装置によって製粉した米粉と比較した.比較した結果,損傷澱粉率は,気流粉砕式によって得られた米粉より低くかった.色味を比較した結果,本装置によって得られた米粉は黄色味が強い米粉であることがわかった.
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