日本食品工学会誌
Online ISSN : 1884-5924
Print ISSN : 1345-7942
ISSN-L : 1345-7942
最新号
選択された号の論文の1件中1~1を表示しています
ノート
  • 田中 孝明, 丸山 康太, 嶽石 郁弥, 落合 秋人
    2024 年 25 巻 3 号 p. 59-64
    発行日: 2024/09/15
    公開日: 2024/09/15
    [早期公開] 公開日: 2024/07/31
    ジャーナル フリー HTML

    生物由来の生分解性プラスチックであるポリヒドロキシアルカノエート(PHA)とセルロース繊維との複合膜をデプス濾過のために開発した.複合膜はセルロース繊維製のリント布上にPHAのジメチルホルムアミド溶液をコーティングした後に,相分離を行うことによって作製した.PHAの多孔質層の約半分がリント布のセルロース繊維層と複合化していた.酵母懸濁液の濾過を行ったところ,リント布側から濾過を行うとPHA側から濾過した場合の5倍の平均速度で濾過を行うことができた.PHA側から濾過した場合の濾過の挙動はケーク濾過モデルに従い,濾過後には密な濾過ケーク層が複合膜のPHA側に形成していた.一方,リント布側から濾過を行った場合,酵母はセルロース繊維の網目構造に捕捉されており,濾過抵抗の増加が低減されたことが示唆された.この複合膜は食品・バイオプロセスにおける,持続可能な社会の実現のための効率的な濾材として役立つことが期待される.

feedback
Top