日本食品工学会誌
Online ISSN : 1884-5924
Print ISSN : 1345-7942
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4 巻 , 1 号
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  • 大友 直也
    4 巻 (2003) 1 号 p. 1-9
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    食品はお互いに混ざり合わない成分が混在し, そこには無数の界面が存在する.食品用乳化剤はその界面に対して作用し, 単に油と水の乳化に留まらず様々な機能を発現する.また, 多くの場合乳化剤は何らかの複合体を形成し機能していると考えられる.乳化剤の食品中での機能を理解するには乳化剤の構造, 物性への理解が不可欠である.ショ糖脂肪酸エステルの分子形状をπ-A測定により調べた結果, モノエステルは親水基が大きな円錐状であり, ジ, トリエステルは円柱状に近い.この分子形状は界面膜の極率に影響し, 乳化型を決定する重要な因子となる.ポリグリセリン脂肪酸エステルは, 複雑な親水基構造に加え分子量分布を有するため, 特異な性質を示す.ポリグリセリン脂肪酸エステルについても分子形状の解析の試みがされている.これら乳化剤が, ミセル, ラメラ, 逆ミセル, キュービックなどの各分子集合体構造を以って食品の中で機能している例を解説した.
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  • 萩原 知明, 林 麗, 鈴木 徹, 高井 陸雄
    4 巻 (2003) 1 号 p. 11-17
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    氷結晶の形状, 大きさ, その分布は, 凍結食品の性状や物性に影響を及ぼすのみならず凍結操作を利用した製造・貯蔵工程の設計および制御とも深い関係がある.これまで, 凍結速度と生成する氷結晶の大きさの関係, 貯蔵中の再結晶化に伴う氷結晶の成長挙動など, 食品中の氷結晶に関する様々な事柄が多数の研究者によって調べられてきた.しかしながら, その多くは氷結晶の大きさ, 数についてのみ言及しており, 氷結晶の形状について詳細に調べた研究例は, あまり見当たらない.その理由としては食品中に生成した氷結晶は一見すると複雑かつ不規則であり, こうした構造を科学的に把握することが困難であったためと思われる.我々は, 先の研究で, 近年発達したフラクタル解析の手法を用いることにより, モデル食品系 (大豆カード) に生成した氷結晶の形状を定量的に把握することが可能であることを示した.本研究では, 実際の凍結食品に対しても, フラクタル解析が適用可能であるか検証するため, キハダマグロの凍結魚肉を用いて, 同様の検討を行なった.
    実験試料は-50℃でブライン凍結させ, 凍結置換法により観察用のプレパラートを作製し, 氷結晶形状の顕微鏡観察を行なった.観察画像の撮影プリントをスキャナーでビットマップ形式のデジタル画像として読み込み, 市販の画像処理ソフトウェアを用いて画像処理を行い, area-perimeter法により, 氷結晶の輪郭のフラクタル次元dpの算出を試みた.貯蔵温度, 貯蔵時間がフラクタル次元に及ぼす影響についても検討するため, -5℃, -20℃, -40℃, -50℃でそれぞれ30日, 60日, 80日貯蔵した試料中の氷結晶に関してもフラクタル次元の算出を行なった.
    その結果, キハダマグロの凍結魚肉氷結晶の輪郭はフラクタルとして認識でき, 輪郭のフラクタル次元dpを求めることが可能であった.また, 貯蔵時間が増すほど, フラクタル次元の値は減少する傾向にあり, 貯蔵温度が高いほど, 減少の速度は大きかった.これは貯蔵時間が長くなるにつれ, 氷結晶の表面構造が平滑化していくこと, そしてその進行は貯蔵温度が高いほど速いことを意味している.これらの結果は貯蔵中の氷結晶構造変化を視覚的に観察した既往の研究結果と一致した.以上の結果から, フラクタル次元dpは凍結魚肉中の氷結晶の表面構造の粗さを反映する定量的な指標として用いることが可能であることが判った.前述したように, 我々は既に大豆カードを試料に用いた場合でも, フラクタル次元は, 氷結晶形状を反映した指標として有用であることを示している.複数の食品素材で, 同様な結果が得られたことは, 多くの凍結食品において, 氷結晶のフラクタル性は共通に見られる性質であり, 氷結晶の形状把握のための手法として, フラクタル解析は有用であることを示唆している.また, 既往の研究により, 凍結条件に応じて, 氷結晶は様々な形状を取りうることが観察されており, 本研究と別の条件では, dpは異なる値をとることが十分考えられ, この点については今後検討すべき課題であると考えられた.
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  • 前田 淳史, 安達 修二, 松野 隆一
    4 巻 (2003) 1 号 p. 19-24
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    再生可能な資源であるセルロースを加水分解するとセロビオースやグルコースが得られる.これらの二糖または単糖は反応性がほぼ等しい複数の水酸基をもつ.そこで, Agrobacterium tumefaciensの有するグルコース3-脱水素酵素を用いて, グルコースまたはグルコース残基のC3位の水酸基をケト体に変換して, 3-ケトグルコースや3-ケトセロビオースを生産することが試みられている [1-3] .ケト体は反応性が高いため, 3-ケトグルコースや3-ケトセロビオースから有機合成的手法を用いて, ポリマーや界面活性剤を合成することができる.しかし, セロビオースから3-ケトセロビオースへの変換反応は完全ではなく, 未反応のセロビオースが残存したり, セロビオースまたは3-ケトセロビオースの加水分解によりグルコースと3-ケトグルコースが副生する問題点がある.
    陽イオン交換樹脂を用いた分離プロセスは, 反応終了液から3-ケトセロビオースを精製する手法として有望である.著者らは, 本分離における陽イオン交換樹脂の対イオン形と架橋度 (ジビニルベンゼン含有率) の影響を検討し, 対イオン形がK+形で架橋度が4%の樹脂がもっとも適していることを報告した [6] .しかし, 本分離プロセスを合理的に設計するには, 各溶質と対イオンとの複合体形成に関する詳細な知見が必要である.
    そこで本報では, 架橋度と対イオン形の異なる各種陽イオン交換樹脂に対するグルコース, セロビオースおよび3-ケトセロビオースの見掛けの分配係数Kappを測定した (Fig.2) .また, 各樹脂の固定イオン濃度CEおよび気孔率εpを測定した (Fig.1) .本報で得られた結果を, 著者らが提出している, イオン交換樹脂の膨潤圧と対イオンとの複合体形成を考慮した見掛けの分配係数Kappに対するモデル [7-9] に適用して, セロビオースおよび3-ケトセロビオースの各種対イオンとの複合体形成の強さについて検討した.以前の報告で, グルコースは各対イオンと複合体を形成しないと仮定できることが示されている [9] .そこで, この仮定のもとに二糖 (セロビオースまたは3-ケトセロビオース) の真の分配係数KDS, calを推算したところ, セロビオースのKappはこの値とほぼ一致し, 各対イオンと複合体を形成しないと仮定できることが示された (Fig.3) .一方, 3-ケトセロビオースのKappKDS, calより大きく, 各対イオンと複合体を形成することが示唆された.そこで, グルコースおよびセロビオースのKappから各樹脂の膨潤圧Пを推算し, 3-ケトセロビオースと各対イオンとの複合体形成の結合定数B3KCを算出した.このB3KCは対イオンの動的水和数nDHNと相関し (Fig.4) , nDHNの大きいイオンほど3-ケトセロビオースと複合体を形成しやすいことが示された.したがって, 式 (3) から理解できるように, 3-ケトセロビオース濃度が高い場合には, Kappを定数として取り扱うことができず, 濃度依存性を考慮する必要がある.
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  • 吉井 英文, 古田 武, 藤原 守, Pekka LINKO
    4 巻 (2003) 1 号 p. 25-31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    エイコサペンタエン酸 (EPA) やドコサヘキサエン酸 (DHA) 等のn-3系高度不飽和脂肪酸 (PUFA) は, 循環器系疾患の予防や, 記憶学習機能の向上などの特異な生理活性を示すことが, 近年の栄養科学的研究で明らかになっている.これらの高度不飽和脂肪酸は, 空気中の酸素によって容易に自動酸化されるため, 糖質や蛋白質などを包括剤として粉末化し, 耐酸化性を具備させることが重要である.液状のEPAやDHAおよびそのエステルの酸化速度に関しては反応工学的側面から種々の解析が行われている.本研究では, 包接機能をもつ環状オリゴ糖であるシクロデキストリン (CD) および各種糖質を包括剤とした, 粉末EPAの作成とその酸化遅延特性を測定すると同時に, 酸化速度定数の活性化エネルギーがガウス分布すると仮定した相関式を用いて, 酸化過程を相関した.
    湿式混練法によってα-, β-およびγ-CDとEPAエチルエステル (EPA) の包接粉末を作成した.包接粉末の一部は乾燥後エーテルで洗浄し洗浄粉末とした.包接粉末を温度50℃の空気恒温槽に静置し, 酸素と窒素の混合ガスを流して包接粉末の酸化実験を行った.CDにより包接されたEPAはいずれのCDを用いた場合にも, また洗浄粉末, 未洗浄粉末を問わず, その耐酸化特性が著しく向上した.洗浄したα-およびβ-CD包接粉末中のEPAは670時間後もまったく酸化されず, 残存率が100%を示した.未洗浄α-CD包接粉末の場合, 酸化初期に残存率が75%まで減少するが, 20時間以後はほとんど酸化が進行しなかった.これに対して未洗浄のβ-およびγ-CD包接粉末中のEPAは, 初期200時間に著しく酸化され, その後も時間経過につれ徐々に酸化された.また, γ-CD包接粉末の場合は, 洗浄粉末も酸化時間とともに著しく酸化され, 最終的に未洗浄の場合とほぼ同程度にまで酸化された.
    各種CDにプルラン, マルトデキストリン, マルトースをCDの重量に対して30%添加した混合粉体を用いて混練法によりEPA包接粉末を作成し, 酸化実験を行った.糖質を添加することによりEPAの耐酸化特性を飛躍的に向上させることができた.これはCDに包接されなかった未包接のEPAが, 糖によって被覆され, EPAの酸化が抑制されたためではないかと考えられる.CDと糖質の混合粉末を用いたEPA粉末の湿潤条件下における酸化過程を測定した.乾燥ガスを使用した場合に比較して酸化が促進され, 糖質の種類による差は見られなかった.
    粉末EPAの酸化過程を, 酸化速度の活性化エネルギーがガウス分布すると仮定した数学モデルで解析した.酸化過程はこのモデルでよく相関できた.
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  • 桑原 有司
    4 巻 (2003) 1 号 p. 33
    公開日: 2010/06/08
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