日本食品工学会誌
Online ISSN : 1884-5924
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5 巻 , 1 号
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  • 松野 隆一
    5 巻 (2004) 1 号 p. 1-10
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    食品製造・加工プロセスの合理的な設計法確立を目指して, 大別して, 3つの方向の研究を行った.第一の方向の研究は, プロセスの上流の設計に関するもので, 食品関連物質の酵素合成を有機溶媒中で行うものである.対象物質として, 甘味料アスパルテームの前駆体, 必須アミノ酸よりなるオリゴペプチド, 可食性界面活性剤を取り上げた.第二の方向の研究は, プロセスの下流操作のうち, 分離操作である液体クロマトグラフ, 濃縮操作である凍結乾燥の設計法に関するものである.第三の方向の研究は, 目的達成型研究である.目的は, それ自身高い機能をもった脂質を, 可食性高分子を包括剤として粉末化し, 機能をさらに高めることとした.多価不飽和脂肪酸よりなる脂質の酸化を抑制するという, 脂質が主役をなす研究と, 中鎖脂肪酸よりなる脂質を油相とするW/O/W型エマルションを調製し, 内水相に閉じ込めた親水性機能性物質の腸管吸収を高めるという, 脂質が脇役となる研究を行い, 成果を得た.さらに, 上記の研究を含めた長い研究過程において頻繁に経験した, 共通的物理化学的現象について紹介した.それらは, 周囲の分子や官能基との多様な相互作用を伴う際の, 化学反応の物理化学的モデルとエンタルピー・エントロピー補償効果である.
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  • 橋本 朋子, 萩原 知明, 鈴木 徹, 高井 陸雄
    5 巻 (2004) 1 号 p. 11-21
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    エンタルピー緩和現象は, アモルファス物質における重要な基本的特性の一つである.高分子化学の分野においては, 緩和の進行と巨視的な力学的特性が関連していることから, その現象がアモルファス物質の安定性に深く関与している重要な因子であることが認識されている.一方, 食品科学の分野においても, 糖やデンプンなどのエンタルピー緩和に関する研究が進められており, 近年その重要性が認識されつつある.しかしながら, 食品のエンタルピー緩和に関する研究例は未だ少なく, とくに実際の食品系に対しての検討例は今のところ存在しない.既往の研究において, 我々はガラス状食品であるカツオ節が, DSC曲線においてエンタルピー緩和に起因すると思われる吸熱ピークを示すことを明らかにした.そこで本実験では, カツオ節のエンタルピー緩和挙動に関するより詳細な情報を得るため, 保存条件 (温度・時間) の違いが及ぼす影響についての検討を行った.同時に, 既往の理論式を用いて緩和過程の解析を試みた.さらに, 緩和の進行が巨視的物性に及ぼす影響を調べるため, 本実験では水分吸着特性に着目し, 保存条件がカツオ節の水分吸着能に及ぼす効果についての検討を行った.
    試料にはにんべん製のカツオ本枯れ節を用いた.あらかじめ昇温速度5K/minで150℃まで加熱して試料の熱履歴を消去した後, 冷却速度5K/minで-50℃まで冷却し, 再度5K/minで所定の保存温度 (25, 42, 60℃) まで昇温して, そのままDSC内で一定時間 (0-120h) 放置することによりエージング処理を行った.エージング終了後, 再度冷却・昇温測定を行い, 最終的に得られたDSC曲線における吸熱ピークの大きさ, すなわちエンタルピー緩和量 (ΔH) を算出した.また, 異なる保存時間・保存温度で処理したカツオ節を, 各種飽和塩を用いて湿度調整したデシケータ内に放置して水分吸着させ, 最終的な平衡水分含量から水分吸着能について調べた.
    エージング処理を施したすべての試料において, DSC曲線上にエンタルピー緩和に起因する吸熱ピークが観察された (Fig.3) .算出された緩和量ΔHの値は明らかなエージング時間依存性を示し, その挙動は他のアモルファス物質と一致していた (Fig.4) .さらなる詳細な情報を得るため, アモルファス物質の緩和過程を記述するのにしばしば用いられるKWW式により, カツオ節エンタルピー緩和過程の解析を行った.KWW式は以下のように記述される.
    Φ(t) =exp [- (t/τ) β]
    ここでΦ (t) は緩和関数, τは緩和時間, βは緩和時間分布・非指数関数パラメーターである.τの値が大きいほど, ガラス状態下における安定性が高いことを意味している.式 (3) および式 (4) を組み合わせることにより, 実験値のKWW式へのフィッティングを行った (Fig.5) .本実験により, カツオ節のエンタルピー緩和過程がKWW式により良好に記述可能であることが明らかとなり, 短時間保存のデータを用いて, 長期間保存した場合の緩和過程を予測することが可能となった.フィッティングによって得られた緩和時間τの値を換算温度に対してプロットし, 同手法で得られたデンプンおよびスクロースの値との比較を行った結果, カツオ節のτの値は両物質と比べると明らかに低く, カツオ節のガラス状態が比較的緩和しやすいものであることが示された (Fig.6) .このような低い安定性が食品系において一般的なものであるのか, またはカツオ節に特有のものであるのかは現段階では明らかでない.食品のガラス状態の安定性に関与する因子を明らかにするためには, 今後より多くの食品に対するエンタルピー緩和研究を進めていく必要がある.また, カツオ節の水分吸着能は保存時間および保存温度に依存し, 緩和の進行と共に水分吸着能が低下した (Fig.8, 9) .同様の結果はデンプンにおいてすでに報告されており, 吸着能の低下と緩和に伴う自由体積減少の関連性が指摘されている.カツオ節においても, 同様の機構で吸着量低下が生じたものと思われる.すなわち, 緩和の進行に伴う自由体積の減少が水分吸着のための空間を減少させ, 結果として水分吸着量の減少が生じたものと推察される.最大3週間という保存期間でも, 緩和の影響は明らかであった.したがって, 実際の食品の保存期間を考慮すれば, 緩和がその食品の物性に及ぼす影響というのは決して無視できないものであると考えられる.
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  • 潘 涛, 橋本 篤, 狩野 幹人, 中西 健一, 亀岡 孝治
    5 巻 (2004) 1 号 p. 23-33
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    食品加工分野ではバイオプロセスを利用することがしばしばあるが, そのバイオプロセスは代謝反応によって支配されている.また, 代謝反応には様々なイオン解離性代謝物質が関与しており, それらはきわめて重要な役割を果たしている.そして, イオン解離性代謝物質のイオン解離状態や分子構造は代謝反応場のpHに大きく依存するとともに, pHは生体内において空間的および時間的に変化している.さらに, イオン解離性代謝物質の挙動を把握するためには, 混合液中における各イオン解離成分を計測する必要があり, pHを考慮したこれらイオン解離性代謝物質の同時定量法の構築が重要となる.このような特徴を有するイオン解離性代謝物質の計測には, 中赤外分光法が有効と考えられる.そこでわれわれは, FT-IR/ATR (Fourier transform infrared spectrometer equipped with attenuated total reflection accessory) 法により取得した糖リン酸やアデノシンリン酸などのイオン解離性代謝物質の各水溶液スペクトルのpH依存性を解析し, 各イオン解離成分の中赤外分光スペクトルの抽出方法を提示した (Nakanishi et al., 2003) .さらに, われわれは, イオン解離性代謝物質の混合溶液の中赤外分光スペクトルのpH依存性を解析し, 各イオン解離性代謝物質間の相互作用を考慮したイオン解離成分の中赤外分光スペクトルの抽出方法を提示するとともに, その混合溶液中のpHおよびpHに基づいた各成分の定量手法を確立した (Pan et al., 2003) .ところで, FT-IR/ATR法を用いた代謝反応過程のモニタリングなどを想定した場合, 対象とする反応系には複数成分が含まれているため, Panらが提示した各成分間相互作用を考慮したイオン解離成分の中赤外分光スペクトル抽出方法 (抽出方法1) が好ましいと考えられる.しかし, このスペクトル抽出方法は, 対象とする反応系ごとにイオン解離成分スペクトルを抽出しなくてはならず, また反応系が多成分になるとその過程は煩雑になる.一方, Nakanishiらが提示したイオン解離成分の中赤外分光スペクトル抽出方法 (抽出方法2) は比較的容易ではあるが, イオン解離性代謝物質ごとの水溶液のpH依存性に基づいてスペクトルが抽出されるため, 各成分間の相互作用が考慮されておらず, 代謝反応系などの複雑系への適用には検討すべき点が残されている.一方, 実際の食品や農産物中には, 計測対象とする成分以外にも未知の成分が多数含まれている.そこで本研究では, 未知成分が含まれている反応系において既知のイオン解離性代謝物質のみに着目し, そのイオン解離成分スペクトルの抽出を試みた (抽出方法3) .そして, 各抽出方法によって得られたイオン解離成分の中赤外分光スペクトルを比較し, それらの中赤外分光スペクトルを用いることによりイオン解離性代謝物質の混合溶液中のpHおよび各濃度の定量を行い, 定量結果に及ぼすスペクトル抽出方法の影響について研究した.
    本研究においては, 解糖系の入り口にあたる異性化反応系に着目し, 基質となるグルコース6リン酸 (G6P) , 反応生成物なるフルクトース6リン酸 (F6P) , 溶媒となるTris緩衝液を使用した.抽出方法1に関しては, Panらの結果を用いることとし, 抽出方法2に関しては, 各水溶液スペクトルのpH依存性を検討し, Nakanishiらの方法に従って新たに各解離成分スペクトルの抽出を行った.また, 抽出方法3では, Tris緩衝液を未知成分とみなし, G6P-F6P-Tris混合溶液中からTrisスペクトルをバックグラウンドとして差し引き, G6PとF6Pのイオン解離性分スペクトルの抽出を行った.実験には, これまでの研究と同様にMagna 750 FT-IR (Nicolet Instrument Corp.) とIRE (internal reflection element) がダイヤモンド製のATRアクセサリー (Applied System, Dura Sample IR) を用いた.また, 298Kにおいてスペクトルを取得し, 測定範囲は4000から800cm-1, 分解能は4cm-1とした.
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  • イシダ ネイデミホ, 大嶋 孝之, 佐藤 正之
    5 巻 (2004) 1 号 p. 35-40
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    高電圧パルス殺菌のためのスパイラル形状電極処理槽の殺菌特性を実験的に検討した.この殺菌槽はパルス発生電源とアースに接続した2本のスパイラルワイヤーからなっている.殺菌対象として大腸菌K-12株を用い, ピーク電圧, パルス発生電源のコンデンサー容量, 懸濁液の導電率, 殺菌槽体積, および電極材質の影響を調べた.大腸菌の生存率はピーク電圧やコンデンサー容量を大きくすると低下したが, 生菌率の低下は印加電圧とコンデンサー容量から計算した電気的入力エネルギーに依存していた.印加電圧やコンデンサー容量に関係なく300J/mLの電気的エネルギーを入力した場合, 10-5の生菌率が得られた.懸濁液の導電率は生菌率に非常に大きな影響を与え, 導電率が4mS/cm以下の時に効果的なパルス殺菌が可能であった.殺菌槽の体積や電極の接続方法は生菌率に影響を与えることはなかった.
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  • Ryoji MITSUI, Toyoki OKADA, Tomoya SHIRAI, Mitsuo TANAKA
    5 巻 (2004) 1 号 p. 41-43
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    The hyaluronidase-mediated degradation of hyaluronic acid to hyaluronic acid oligosaccharides was investigated. The final products of the batch reaction were the tetrasaccharide and hexasaccharide only. In the reaction solution containing an inorganic salt such as NaCl, the yield of hexasaccharide was higher than that of tetrasaccharide. However, in the absence of inorganic salt, the tetrasaccharide was generated preferentially. The yield of each oligosaccharide depended on the nature of the inorganic salt used. In the batch reaction, the product yield was approximately 60%. However, a continuous reaction increased the yield to about 85% within the first 200 h of operation.
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  • 和田 誠
    5 巻 (2004) 1 号 p. 45
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
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