日本食品工学会誌
Online ISSN : 1884-5924
Print ISSN : 1345-7942
6 巻 , 3 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 辻本 進
    2005 年 6 巻 3 号 p. 163-170
    発行日: 2005/09/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    食品製造における品質の作りこみに食品工学が果たす役割りは大きい.まず, 食品に求める「おいしさ」のレベルが発展を遂げ, 単なる呈味だけではなく, 香りを対象に加えた「風味」やテクスチャーを加えた「食味」の段階, さらには食感性が加わった総合的な評価が可能になり, より高い質を求めるようになってきている.これらのレベルのおいしさを作るのは工学的なアプローチが求められる.また, 食品製造では, 矢野俊正東大名誉教授が指摘されたように, 1) 原料の組織・構造が一定しない.2) 品質評価の客観性が低く官能評価だけに頼っている傾向がある.3) 食品加工プロセスでは同時に複数の変化を食品に与えるなど食品工学的な課題も多い.本稿では, 1) パン生地の混練状態の定量的把握, 2) レトルト殺菌の殺菌強度に与える因子の定量化, 3) 噴霧乾燥におけるフレーバー散逸の定量化を例に食品プロセスにおける食品工学の品質向上への役割りを示した.
  • 並河 良一
    2005 年 6 巻 3 号 p. 171-179
    発行日: 2005/09/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    行き詰まっていたWTO農業交渉は2004年8月に枠組み合意が成り, モダリテイ合意, 協定締結に向けて動き始めた.しかし農業交渉の3つの論点―市場アクセス, 国内助成, 輸出競争―のいずれにおいても主要国の利害が多岐に分かれており, また, 論点により利害関係の構図が異なっている.このような利害関係の錯綜の故に, WTO枠組み合意は, 利害関係国 (グループ) の主張を矛盾しないように組み合わせたにとどまり, 対立点の解決を今後の交渉に委ねて, 先送りに近い形になっている.2005年12月香港閣僚会議までにあまりにも多くの交渉事項が残されている.複雑な利害関係以外にも, WTO多角的貿易交渉における価値観の多様化, FTAの急増など交渉の遅延につながる要素がみられる.今後も, 農業交渉の動向から目を離せない状況が続くであろう.
  • 五十部 誠一郎, 富田 哲司, 永井 光男
    2005 年 6 巻 3 号 p. 181-187
    発行日: 2005/09/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    食品廃棄物を含めて副産物・廃棄物の再資源化技術は非常に重要である.副産物の再資源化のための多くの試みが実施されているが, ほとんどの試みは, 再資源化処理のコストと処理素材の品質などから実用化されていない.再資源化処理として生分解性素材への変換が検討されているが, やはりコストの面と品質 (特に耐水性) の面が課題となっている.副産物からの生分解性素材への再資源化について, 低コスト化と耐水性付与した素材製造のために, 水不溶性タンパクの1種であるゼインを含むコーングルテンミールを主原料として射出成形処理を用いて固形成形物を製造することを試みた.この開発は昭和産業, 日本製鋼所, 食品総合研究所の3機関で共同で実施された.処理方法は材料をエクストルーダでペレット化し, 射出成形装置のスクリュ部位で溶融し, 金型内に射出するものである.水不溶性成分の多いコーングルテンミールを材料とし, また射出成形機を改良することで, 射出成形処理の持つ低処理コストや成形物の形状の自由度などの利点を生かして, 低コストで耐水性を有する育苗ポットの開発に成功した.現在, 幾つかの用途への実用化に向けた成形物の品質改善を検討している.
  • 高富 哲也, 伊東 章, 城 斗志夫, 渡辺 敦夫
    2005 年 6 巻 3 号 p. 189-196
    発行日: 2005/09/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    前報では, 静置した固形および高粘度食品のマイクロ波加熱処理における, 均一加熱の一つの手法を報告した.本報では, その研究をさらに進め, 工業的実生産を考慮した連続加熱装置の設計指針を示すことを目的とした.
    従来の加熱技術では, 温度不均一の問題が残されているが, MW発振器を複数台設置し, 短い照射距離で, 移動させながら加熱することで, 固形食品内部のマイクロ波の電界分布が分散され, 均一加熱に有効である事が判明した.
    ここでは成分調整したモデル溶液を使用し, 移動中の内部温度を均一にさせる方法として以下の知見を得た.
    1) 照射距離45mmの比較的近距離における連続加熱では, モデル溶液を移動させながら加熱することで, 複数のMW発振器の異なる加熱特性のため, エッジ効果が低減され, 内部温度の均一化に効果があった.
    2) マイクロ波を照射する導波管は, モデル溶液の全上面を走査する配向に設置することで, 比較的高密度の電界領域を通過することになり, 温度の均一化に効果があった.
    3) エッジ効果低減のための蒸留水浸漬手法は, 水の膜厚を2mmとする条件が好適であった.
    これは, 精度の高い温度管理を必要とする食品の連続高温短時間殺菌において, 必要に応じて蒸留水に浸漬する手法が, 実製造に有効であることを示している.
    これらの連続加熱装置の設計指針をふまえ, 今後は100℃以上の高温における固形食品の連続殺菌システムを設計するとともに, 種々の固形食品におけるマイクロ波特性および殺菌の研究を進める予定である.
  • 松長 正見, 角田 智良, 城 斗志夫, 伊東 章, 渡辺 敦夫
    2005 年 6 巻 3 号 p. 197-204
    発行日: 2005/09/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    環境中に浮遊する微生物を含む空気の清浄度管理の方法として, その直接的な測定は, 培養含めそのハンドリングに多くの手間を要する.一方, 浮遊微粒子と浮遊微生物の濃度関係から, 浮遊微粒子濃度を測定して, 浮遊微生物濃度のモニターとして使用する方法は, 1) 測定が簡便なこと, 2) リアルタイムの測定が可能なこと, さらに, 3) NASA規格に記載されたデータが, 広範な空気の清浄度を管理する環境に適用できると考えられてきたこと等によって利用されてきた.
    しかし, 浮遊微粒子濃度と浮遊微生物濃度をNASA規格と同様の方法で比較して見ると, 必ずしも同規格と同様の結果になるとは限らないことが近年明らかになりつつある.これは四季により, 環境条件が大きく異なる日本国内においては, その傾向が顕著になるとも言われている.
    こうした状況を踏まえ, 浮遊微粒子濃度を気中の浮遊微生物濃度のモニターとして利用する場合, 浮遊微生物の粒径分布特性上の観点から調査を行い, 浮遊微生物の濃度分布特性が, 気中に浮遊する一般的な微粒子濃度分布として認知されているJunge分布とは大きく異なり, ある粒径域を中心に対数正規分布に近似した分布であることが分かった.
    また浮遊微生物濃度と浮遊微粒子濃度の関係は, 測定個所域で考えれば, 高い相関関係が得られると推測され, 浮遊微粒子濃度により浮遊微生物濃度を管理する有効性を示唆できた.
  • Kenji SAKAI, Yumiko SADAMITSU, Mami SAKURAI, Kumiko SAKAI
    2005 年 6 巻 3 号 p. 205-208
    発行日: 2005/09/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    Development of prebiotics and probiotics would be beneficial for human health, and several kinds of oligosaccharides have been commercially available recently, as food additives with a promoting effect of Bifidobacterial growth in gut. But few studies on regulation of oligosaccharide assimilation by the bacteria have been reported. In this report we have shown that utilization of cellobiose by Bifidobacterium breve 203 is under plural regulations: production of β-glucosidase I of the strain was repressed by glucose and induced by cellobiose, hardly assimilable oligosaccharide by this strain. While after long-term acclimation to cellobiose the strain came to be assimilable of cellobiose and a mutant showed higher β-glucosidase I activity than that of the parental strain constitutively, indicating both of the regulation have released in the acclimated mutant.
  • 鈴木 実, 渡辺 学, 酒井 昇
    2005 年 6 巻 3 号 p. 209-212
    発行日: 2005/09/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    本研究は, 先に行った遠赤外線を積極的に用いた真空乾燥の続報である.大型で厚みのある食品の乾燥は, 真空凍結乾燥では長時間を要することから, ほとんど実施されていない.前報では, 遠赤外線真空乾燥によって大型の水産食品であるホタテ貝を対象として検討した.本研究では, 一般的に需要の高い水産食品であるエビとイカを対象として前報の結果と比較検討を行った.その結果, 乾燥後の品質は, エビを試料とした場合が色と形状の変化が少なく, 硬さおよび復水性についても優れた結果を示したことから, 遠赤外線真空乾燥に適する試料であることがわかった.一方, イカは, 色と形状, 復水性のどの結果も品質劣化が著しいことがわかった.
  • 高富 哲也
    2005 年 6 巻 3 号 p. 213-214
    発行日: 2005/09/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 2005 年 6 巻 3 号 p. e1a
    発行日: 2005年
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 2005 年 6 巻 3 号 p. e1b
    発行日: 2005年
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
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