日本食品微生物学会雑誌
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17 巻 , 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 篠田 純男
    2000 年 17 巻 3 号 p. 155-161
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
  • 宇田川 俊一, 戸矢崎 紀紘
    2000 年 17 巻 3 号 p. 163-169
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
    オーストリアから輸入されたチョコレートを汚染していた白色菌糸状のカビは, 分離した菌株の生育性状・形態観察の結果から, わが国では未報告のChrysosporium farinicolaと同定された.C.farinicolaの有性時代 (テレオモルフ) は子のう菌類ハチスカビ目のBettsia属とされている.しかし, ハチミツなどの天然基質を含む培地など5種類の培地を使用して培養したが, 子のう胞子の形成は認められなかった.
    本菌は麦芽エキス・酵母エキス・50%グルコース寒天培地 (MY50G, Aw0.897) 上でよく生育し, 多量の分生子を形成, 白色, 粉状の集落となった.本菌の生育至適温度は30℃, 最低生育温度は15℃, 最高生育温度は37℃ 付近であった.また, pH3~9の範囲で生育した.
    本菌の耐熱性試験では, 65℃, 1分間の加熱処理でも生残率80~100%を示し, 死滅温度は65℃, 5分間であったため, 比較のために用いた子のう胞子を形成する好乾性糸状菌 (Eurotium spp., Monascus lunisporas) ほどの耐熱性はなかった.しかし, 薄壁の分生子を形成するAspergillus spp., Wallemia sebiのような好乾性の不完全菌と比較すると, 厚壁の分生子を形成するために熱抵抗性が強かった.したがって, 本菌は水分活性の低い加熱食品の場合でもその熱抵抗性が事故原因となる可能性があり, その制御には70℃ 以上での十分な加熱殺菌が必要であると結論された.
    本菌の生育性状, チョコレートを用いた再現性試験の結果とこれまでの外国からの報告を重ね合わせて見ると, 甘味菓子類, 蜂蜜, ドライフルーツ, 製菓原料など糖質の食品におけるChrysosporiumのさらなる汚染事故発生の機会も十分あると思われる.
  • 高垣 紀子, 橋渡 佳子, 伊藤 文明, 児玉 実, 石村 勝之, 毛利 好江, 河本 秀一, 笠間 良雄, 山岡 弘二, 荻野 武雄
    2000 年 17 巻 3 号 p. 171-180
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
    広島市域において, 1997年9月以降, サルモネラ属菌による散発的な食中毒事例の疫学的解析を行い, 食中毒の発生と起因菌株の動向把握を試みた.1998年末よりサルモネラO7群のS.Oranienburgの漸増傾向が認あられ, 同時期にサルモネラO4群のS.Chesterの増加もみられた.その発生は, 全国的な青森県産イカ乾製品を起因としたS.Oranienburgによるdiffuse outbreakの発生時期と一致していた.
    今回, 本市での散発性食中毒とイカ菓子事例との関連性を究明するため, 生化学的性状, 血清型および薬剤感受性などの表現型別と分子疫学的解析手法であるRAPD法およびPFGE法による遺伝子型別を併用して検討した.RAPD法ではキット付属の6種類のプライマーの各パターンの組合せにより, 由来の異なるS.Oranienburgは4群に分類され, S.Chesterは3群に分類された.本市の散発性食中毒事例株およびイカ菓子関連株にこの方法を適用した結果, それらの多くは同一パターンを示し, PFGE法を含む他の疫学的解析の結果と総合すると, 本市の散発性食中毒事例が, S.OranienburgのみならずS.Chesterも関与したdiffuse outbreak事例であったと考えられた.検討したRAPD法はS.OranienburgおよびS.Chesterの迅速なスクリーニング法として実用的であった.
  • 内藤 茂三, 関 啓数, 水野 龍二
    2000 年 17 巻 3 号 p. 181-187
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
    1. 食パン由来のオレンジ色カビを同定した結果, M.suaverolensであった.本菌はエタノール濃度0.5~2.0%では無添加より良好に生育し, 最高エタノール濃度10%まで生育した.
    2. 食パン工場の空中浮遊カビを測定した結果, M.suaverolensはすべての工程より検出され, 原料混合, 中種混合, 焙炉, 冷却工程に多く検出された.最も多い空中浮遊カビはCladosporiumであり, ついでM.fuaverolens, Aspergillus, Penicillium, Aureobacidiumであった.
    3. 製造工程の半製品と製品のカビの汚染状況を検討した結果, M.suvaverolensはスライス, 包装後の製品より3.5~3.7×102cfu/g検出され, その他のカビは中種発酵以降から焙炉工程後の生地に3.5~8.3×102cfu/g検出された.
    4. 食パン由来の肱M.suvaverolensのオゾン水殺菌を行った結果, 初発菌数2.7×105cfu/gは, 15ppmオゾン水濃度で5分間処理において完全に死滅した.
  • 吉敷 ゆみこ, 石崎 直人, 草野 友子, 金子 誠二, 宮崎 奉之
    2000 年 17 巻 3 号 p. 189-193
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
    免疫磁気ビーズ分離法を用いて87件の鶏肉からサルモネラの分離を行った.日本国内で入手可能なサルモネラ検出用免疫磁気ビーズは2種類ある.両者ともサルモネラの抗体が磁気ビーズの周りに付着されているが一方はサルモネラO抗体が付着され, もう一方はサルモネラH抗体が付着されている.今回はこれら2種類の免疫磁気ビーズを混合して使用することで2種類の免疫磁気ビーズを単独で使用したときと免疫磁気ビーズを使用しない従来法より検出率が上がるかを比較した.その結果, 2種類の免疫磁気ビーズを混合して使用する方法が最も多くのサルモネラを検出した.これら2種類の免疫磁気ビーズはそれぞれが目的としている抗原が異なることから, 混合することで相乗効果が生じて検出率があがったと考えられる.したがって, 2種類の免疫磁気ビーズを混合して使用する方法はサルモネラの検出率を高めることが示唆された.
  • 神吉 政史, 吉田 綾子, 塚本 定三, 柴田 忠良
    2000 年 17 巻 3 号 p. 195-199
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
    赤身魚を中心とした生鮮魚およびその加工品を検査した結果, 食品36検体中21検体 (58.3%) からヒスタミン生成菌を分離した.グルコース加Niven's agar上で周囲が紫色のコロニーを形成した菌株を分離し, ヒスタミン生成能を測定したところ, すべての菌株が3,090~11,790ppmのヒスタミンを生成した.分離したヒスタミン生成菌の菌種は, Morganella morganii, Klebsiella oxytoca, Pantoea spp., およびKlebsiella ornithinolyticaなど8菌種であった.しかし, すべての食品のヒスタミン量を測定したところ50μg/gを超えたのは1検体のみであった.
  • 工藤 由起子, 小西 良子, 春日 文子, 伊藤 嘉典, 岩城 正昭, 斎藤 典子, 小沼 博隆, 熊谷 進
    2000 年 17 巻 3 号 p. 201-205
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
    It is known that vegetables can serve as vehicles of food-borne illness when they are grown from seeds contaminated with pathogens. In this study, we investigated the fate of enterohemorrhagic Escherichia coli O157: H7 in experimentally contaminated radish and komatsuna seeds, after long-term storage at 4°C. The bacteria survived for 36 weeks in radish seeds initially contaminated at 103 cfu/ml, and 20 weeks survival . observed at as low as 102 cfu/ml. On komatsuna seeds, the bacterial count decreased more rapidly . Using scanning immunoelectron microscopy, the bacteria were detected on the surface of sprouts grown from contaminated seeds, and the bacteria were also present inside the stomata . However, heat treatmentat 100&degC for 5 sec effectively eliminated the bacteria from the sprouts . These results underscore the possible health risk from contaminated vegetable seeds even after long-term storage at a low temperature, and also the importance of heat treating of harvested vegetables.
  • 楠 くみ子, 神 真知子, 岩谷 美枝, 石上 武, 森本 敬子, 斉藤 香彦, 山田 澄夫
    2000 年 17 巻 3 号 p. 207-212
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
    Salmonella contamination of raw meat from domestic chickens in Tama, Tokyo between 1992 and 1999, investigated. Salmonella was detected in 197 (25.2%) of 783 samples, raning from 9.4% to 40.8% per year. On serological typing test, 202 strains isolated were classified into 20 serovars including a strain of untypable O7 and O8. The most predominant serovar was Salmonella serovar Infantis (S. Infantis) (45.0%), following S. Hadar (6.9%), S. Typhimurium (4.5%), S. Schwarzengrund and S. Vichow (2.0%). Especially, the increases in S. Infantis in the past 3 years is notable, accounting for 77 strains (84.6%).
    On drug-resistance test using 9 drugs (CP, TC, SM, KM, ABPC, ST, NA, FOM and NFLX), 90% of strains tested were resistant to some of the drugs. S. Infantis isolated was resistant to all, and the main resistance patterns were TC/SM/KM/ST (28 strains), TC/SM/KM (26 strains), and TC/SM (20 strains). Almost all strains of S. Hadar and S. Typhimurium also were resistant to 2 to 5 drugs.
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