イカ菓子食中毒事件の原因となった
S .Oranienburgと
S.Chesterの愛媛県における侵淫状況を知るため, 1998年1月から1999年5月までの期間に県下7ヵ所の病院, 臨床検査所で分離されたサルモネラの中から
S.Oranienburgと
S.Chesterの検索を行った.その結果, 1999年1月以降, 12歳以下の下痢患者を中心に
S.Oranienburgが18株,
S.Chesterが6株分離されていた.これら2種類の血清型菌は, 便以外に血液や尿からも分離された.さらに, イカ乾製品から分離された菌株と患者由来株について, 生化学的性状検査, 薬剤感受性試験, PFGEによるDNA分析を実施したところ, いずれの菌株とも同一パターンを示した.これらの疫学的調査と細菌学的検査の結果から, 愛媛県においても, イカ菓子食中毒事件に関与したと推定される
S .Oranienburgと
S.Chesterによるdiffuse outbreakが確認された.
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