日本食品微生物学会雑誌
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21 巻, 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 小澤 義博
    2004 年 21 巻 3 号 p. 173-178
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2010/07/12
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  • 特にノロウイルスおよびA型肝炎ウイルス
    西尾 治, 吉澄 志磨, 野田 衛
    2004 年 21 巻 3 号 p. 179-186
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
  • 刑部 陽宅, 田中 大祐, 清水 美和子, 磯部 順子, 木全 恵子, 香取 幸治, 永井 美之
    2004 年 21 巻 3 号 p. 187-192
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
    PCR法を水と食品の大腸菌および大腸菌群検査に適用するための検討を行った.PCR法では, 大腸菌のtransferase遺伝子 (wecF), β-galactosidase遺伝子 (lacZ) およびE.coli 16S rRNA遺伝子 (E.coli 16S rRNA) を標的としたプライマーを使用した.結果は次のようであった.
    1) ヒトおよび食品由来大腸菌のwecF, lacZおよびE.coli 16S rRNA遺伝子保有率はそれぞれ12/12 (100%), 99/99 (100%), 99/99 (100%), 食品由来Klebsiella属, Citrobacter属などの大腸菌群のwecF, lacZ E. coli16S rRNA遺伝子保有率はそれぞれ28/63 (44%), 70/177 (39%), 0/177 (0%) であった.
    2) 食品69検体 (食肉23検体, 野菜46検体) のBGLB培養液からのwecF, lacZ E. coli 16S rRNA遺伝子検出率はそれぞれ, 73%, 65%, 37%であった.E. coli 16S rRNA遺伝子検出と大腸菌検出との間には, 統計的に有意な相関が認められた.しかしE.coli 16S rRNA遺伝子検出と大腸菌群検出との間に有意な相関は認められなかった.wecFあるいはlacZ遺伝子検出と大腸菌群検出との間にも, 有意な相関は認められなかった
    3) 水道の原水など153検体の水の大腸菌汚染をコリラート培地を用いた特定酵素基質法で調べたところ, E.coli 16S rRNA遺伝子検出と大腸菌検出との間に有意な相関が認められた.
    以上の結果から, E.coli 16S rRNA遺伝子を標的としたPCR法は, 水および食品中の大腸菌を迅速, かつ特異的に検出する目的に使用できることが示唆された.
  • 岸本 満, 鈴木 匡弘, 森田 妃美子, 後藤 珠梨, 樫尾 一, 日置 祐一, 岡野 哲也, 小沼 博隆, 高見 澤一裕, 春日 文子
    2004 年 21 巻 3 号 p. 193-200
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
    学生の調理実習において, 実習生および調理器具, 施設から分離したS.aureus64株についてRAPD法, BSFGE法およびPFGE法 (CHEF法) による遺伝子多型解析を行い, 施設内での本菌の伝播実態を調べた.型別の結果から特定実習生の手指に保有していたS.aureusが使用包丁, 調理したサラダに拡散していることが推定された.また, カランとフライパンにも伝播が認められた.
    RAPD法による型別では2つのプライマーを組み合わせにより11型に, BSFGE法およびPFGE法では12型に区別することができた.また, BSFGE法とPFGE法型別では両者は完全に一致したが, RAPD法とPFGE法による型別で8型 (73%) は一致したが残りの型は不一致であった
    RAPD法はPFGE法に比べ識別能では劣るが, 迅速性および簡便性の特徴を有しており, S.aureusの汚染源調査などに十分に活用できると考えられる.
  • 寺村 哉, 水落 慎吾, 小高 秀正
    2004 年 21 巻 3 号 p. 201-206
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    大腸菌群数測定用簡易培地, コンパクトドライCF (CDCF) の評価を行った.大腸菌群に属する26菌株を供試し, 非大腸菌群との鑑別能を確認した.その結果, 大腸菌群に属する26菌株 (100%) はすべて青-緑色集落を形成したが, 大腸菌群以外のグラム陰性菌8株は無色の集落を形成した.また, グラム陽性菌 (30株) および酵母 (2株) はCDCF上で発育を認めなかった.
    さらに市販食肉や食肉加工品80検体を用い, CDCFとviolet red bile agar (VRBA), デソキシコレート寒天培地 (Deso), X-GAL寒天培地 (X-GAL) を用いた混釈培養法およびペトリフィルム法 (PCC) との間で発育した大腸菌群数の比較を行ったところ, CDCFとVRBA, CDCFとDeso, CDCFとX-GALおよびCDCFとPCCとの間での発育菌数の相関係数は, それぞれ0.97, 0.97, 0.97および0.99で, いずれも高い相関を示した.
    以上のことからCDCFは食品における大腸菌群数測定に有用であり, 従来の混釈培養法およびペトリフィルム法と同等の方法となりうると思われた.
  • 川本 千枝, 宮城 和文, 鈴木 一郎, 森 英人, 橋本 智, 江本 雅三, 内田 幸憲
    2004 年 21 巻 3 号 p. 207-212
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
    S.sonneiの検査を実施する食品検体の搬送および保管について, 冷蔵または冷凍いずれの保管条件が適切か検討した.試験品として生理食塩水および食品 (カキ, アカガイ, クルマエビ, イカ, ヤングコーン) を用いた.その結果, S.sonneiの生存性は本菌単独の環境において冷蔵保管時に良く, 一般生菌が混在する食品中では冷凍保管時に良い傾向が見られた.また, 2002年に厚生労働省により示された2つの赤痢菌検査法 (試料の増菌方法として, (1) 直接嫌気培養を行う方法, (2) あらかじめ好気培養を行ってから嫌気培養を行う方法) について, E.coli存在下でのS.sonneiの検出感度を調べ, さらに実際の食品中 (カキ, クルマエビ, アカガイ, ヤングコーン) にS.sonneiを添加してその検出感度を調べた.その結果, 両検査法の検出感度はE.coliもしくは一般生菌数の影響を受けたが, 両方法ともPCR法の方が培養法よりも高感度であった.一般生菌の生存しない食品検体では≦10-1 CFU/gレベルまでS.sonneiを検出できたが, 一般生菌の存在する生鮮食品においては食品の種類によって上記2つの検査法の検出感度が異なった.これらの結果から, 検査実施の際は試験品の種類によって保管条件と検査法を選択する必要があると思われた
  • 指原 信廣, 大河内 美穂, 長谷川 峯夫, 伊藤 壽啓
    2004 年 21 巻 3 号 p. 213-215
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
    Since chicken and egg products are widely exported and imported, there is a distinct possibility that Avian Influenza Virus (AIV) may be transmitted and cause epidemics among poultry. There is the additional fear that AIV may become infective to humans.
    From the point of food safety and risk, we attempted to determine AIV survivability in egg products. We investigated the inactivation of AIV in mayonnaise, which is a typical and widely consumed egg product.
    A model mayonnaise was made of salad oil, vinegar, egg yolk and salt, similar to commercial products. The following isolates of AIV virus were used in this experiment: A / whistling swan/Shimane/499/83 (H5N3) (H5 AIV), A/whistling swan/Shimane/42/80 (H7N7) (H7 AIV) and A/duck/Hokkaido/26/99 (H9N2) (H9 AIV).
    After the model mayonnaise and AIV were mixed, H7 AIV and H9 AIV were inactivated immediately, and their infectivity titers decreased to under the detection limit . In the case of H5 AIV, the infectivity titer decreased from 105.0EID50/0.1 ml to under the detection limit after 30 min. These results demonstrated that different isolates of AIV were inactivated in mayonnaise. The inactivation of AIV may be caused by the chemical properties of mayonnaise, such as salt concentration, acid concentration and /or pH.
  • 神吉 政史, 石橋 正憲, 依田 知子, 塚本 定三
    2004 年 21 巻 3 号 p. 216-220
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
    赤身魚について生鮮魚20検体および加工品39検体を調査した結果, 好塩性ヒスタミン生成菌を生鮮魚7検体および加工品5検体から分離し, 腸内細菌科のヒスタミン生成菌を生鮮魚8検体および加工品13検体から分離した.マグロ10検体中6検体よりPhotobacterium phosphoreumを分離したが, その他の魚種では10検体中1検体からPhotobacterium damnselaeを分離したのみであった.腸内細菌科のヒスタミン生成菌については生鮮魚と加工品で検出率に差はなかった.しかし, その菌数は加工品2検体で104cfu/g以上となったのに対して, 生鮮魚では3.2×103cfu/gが最高であった.我々は今回の結果により, ヒスタミン食中毒の原因菌は生鮮魚では主にP.phosphoreumであり, 加工品では主に腸内細菌科の菌である可能性が高いと結論づけた.
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