日本食品微生物学会雑誌
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24 巻 , 4 号
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Special Lecture
原著
  • 田中 達也, 秋場 哲哉, 森 功次, 野口 やよい, 林 志直, 小沼 博隆, 吉田 靖子, 山田 澄夫
    2007 年 24 巻 4 号 p. 157-162
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル フリー
    カキに蓄積されたNVをPCR法を用いて検出する際, カキに含まれるPCR阻害物質による検出率の低下が問題とされている. そこでわれわれは, PCR阻害物質の除去を目的にカキからのNVの核酸抽出法としてフェノール-クロロホルム-イソアミルアルコール (25 : 24 : 1) 混合液による処理を行った後に, QIAamp Viral Viral RNA MiniKitを用いてウイルスRNAを抽出する核酸抽出法, PQ法を用いて, 厚生労働省のノロウイルス検査指針による核酸抽出方法との比較を行った. また, CTAB法による抽出処理を行った後に標準法による核酸抽出を行うCTAB複合法についても併せて検討した.
    NV, GI/4近似株, GII/4近似株を添加した10%カキ乳剤から各抽出方法を用いて得られた検出率では, 標準法が57%, CTAB複合法が88%であったのに対し, PQ法では97%であった. また, 定量値においてもPQ法は最も高い値を示した. PQ法は簡易な操作で実施できることから, カキ検体からのNV検出方法として有用であると示唆された.
  • 堀 牧恵, 岩井 和也, 木村 良太郎, 中桐 理, 高木 道浩
    2007 年 24 巻 4 号 p. 163-170
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル フリー
    コーヒー豆中の主要な細胞壁構成成分であるアラビノガラクタン (AG) について, このAGの腸内細菌による資化性をBifidobactenum 属10種23株, Clostndium 属5種5株, Lactobacillus 属8種8株, Enterococcus faecalis 1株, Escherichia coli 1株の合計5属25種38株を用いてin vitro で調べた.
    1. Bifidobacteriumlongum およびBifidobacterium pseudocatenulatum は, コーヒー豆由来AGを炭素源として添加, 培養することにより生菌数の増加, 培地のpHの低下, 乳酸, 酢酸の蓄積が認められた. このことからコーヒー豆由来AGはビフィズス菌に極めて特異的に利用されることが明らかとなった.
    2. B. longum は菌体外酵素を生産し, コーヒー豆由来AGをアラビノース, ガラクトースおよび2糖と思われるオリゴ糖に分解・資化していることが示唆された.
    3. コーヒー豆由来AGのヒトおよびラット消化液による分解性をin vitro で調べたところ, 人工唾液, 人工胃液, 人工膵液, 人工小腸液にほとんど分解されなかった. 以上のことからコーヒー豆由来AGは効果の高い新規のプレバイオティクスであることが示唆された.
  • 川崎 友美, 村田 容常, 冨永 典子, 川本 伸一
    2007 年 24 巻 4 号 p. 171-177
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル フリー
    接種鶏卵からのサルモネラの回収に関してふき取り法とクラッシュ法との比較検討を行った. 37℃のリン酸緩衝液を用いたクラッシュ法が最も菌の回収率が高く, ふき取り法と比べて10倍高い菌数値を得た. 107 CFU/eggのサルモネラ汚染卵を, 50℃, 200 ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液で殺菌処理した場合, ふき取り法は2分間処理で菌数が検出限界以下となったが, クラッシュ法は10分間処理においても最大5オーダーの菌数の減少しか観察できなかった. 洗浄中における有機物の混入を想定して, 次亜塩素酸ナトリウム水溶液200 ppmへの液卵の添加実験 (0~1.0%) を行った. 液卵が0.5%以上混入したときでは有効塩素濃度が直ちに低下した. 液卵を0.5%添加して50℃, 10分間処理を行った場合, ふき取り法による検出では101~102 CFU/eggのサルモネラ菌数が検出された. 一方, クラッシュ法による計測では105~106 CFU/eggのサルモネラ菌数が検出され, ふき取り法での検出結果から期待されるような顕著な殺菌効果は観察されなかった. さらに4,000個の市販鶏卵を購入し, 両方法で微生物汚染レベルを調べたところ, 接種実験と同様にクラッシュ法はふき取り法と比べて10倍高い一般生菌数値を示した. クラッシュ法は卵殻からの菌回収法としてより優れており, 従来のふき取り法では殺菌効果の過大評価や汚染レベルを過小評価している可能性がある.
短報
  • 第二報 新たな選択増菌法の検討
    仲里 尚子, 屋比久 善昭, 上間 優子, 福村 圭介, 内田 和之, 澤口 勧, 中川 弘
    2007 年 24 巻 4 号 p. 178-182
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル フリー
    In our previous report, we evaluated and reported some VIDAS protocols for the detection of Salmonella. In this report, we evaluated the new additional protocol “Easy SLM” with “SX broth”, a new unique enrichment broth. This method needs about 2 days to complete the total protocol, 1-2 days less than the conventional culture method. We tested 77 food samples with and without artificial inoculation with Salmonella strains. The positive rate for each method of testing food samples with and without artificial inoculation of Salmonella strains were almost the same, and as a result, the sensitivity and specificity of the Easy SLM protocol and the conventional culture method were equal. Therefore, the Easy SLM protocol is useful for routine quality control for the detection of Salmonella because of its rapidity, ease of handling and automation for standardization.
  • 森田 幸雄, 藤田 雅弘, 斎藤 美香, 塚越 博之, 星野 利得, 加藤 政彦, 小澤 邦寿, 西尾 治, 木村 博一
    2007 年 24 巻 4 号 p. 183-188
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル フリー
    In 2003, the Ministry of Health, Labour and Welfare in Japan presented the official assay using ABI PRISM 7000® for the detection of Norovirus (NV) genogroups I (GI) and II (GII). We have recently modified the official assay and, using LightCycler® PCR equipment, have developed the “LC cDNA” and “LC One-Step” detection assays. These two assays enabled detection and quantitation of the NV genome within 6 hrs using the LC cDNA assay, and within 3 hr using the LC One-Step assay. The primers and probes used in both assays were identical to those used in the official assay, because there are no idiosyncrasies between them. The detection limits of our assays for the GI and GII genomes were 10 copies/5 μl. Results of field samples using both the LC cDNA and One-Step assays were the same. In correlation analysis between log transformed genome copy numbers of the LC cDNA and One-Step assays, fecal samples from food poisoning cases (n = 27) were y = 0.9627x-0.1034 (R2 = 0.9888), and patient samples from a hospital (n = 22) were y = 1.0064x-0.3473 (R2 = 0.9610). Utilizing LightCycler® PCR equipment, our assays detected NV GI and GII. In particular, the One-Step assay could detect within 3 hrs; hence, it is a very useful laboratory technique for the detection of NV from field samples.
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