日本食品微生物学会雑誌
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26 巻 , 2 号
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総説
教育講座
シンポジウム:ストレス環境における微生物とその制御
原著
  • 荻原 博和, 河原井 武人, 古川 壮一, 宮尾 茂雄, 山崎 眞狩
    2009 年 26 巻 2 号 p. 98-106
    発行日: 2009/07/31
    公開日: 2009/08/27
    ジャーナル フリー
    京都で製造されているすぐきの製造工程における微生物叢および化学的成分の変遷を検討した.製造工程における菌数の推移は,工程が進むにつれてグラム陰性菌や大腸菌群数が減少するのに対して,乳酸菌数が増加する傾向を示し,室発酵終了時には108 CFU/gに増加した.製造工程における微生物叢の推移は,原料からは多種多様な菌が検出され,なかでもPseudomonas 属菌が多く検出された.荒漬および本漬工程後ではMicrobacterium 属菌の占める割合が高く,M. testaceum が多く検出された.追漬工程ではLactobacillus 属菌が優占種となり,なかでもL. sakeiL. curvatus が多く検出された.室工程後ではL. plantarum L. brevis が優占種であった.塩濃度は原料および面取り工程では低く,荒漬工程では6.3%を示し,その後の工程では塩濃度は3%程度の数値で推移した.pHについては製造工程が進むにつれて低下する傾向が認められ,室工程後では4.2を示した.酸度ならびに乳酸値は原料から荒漬工程までは大きな変化は認められなかったものの,室工程から数値が増加し,熟成後が最も高い数値を示した.
  • 宮原 美知子, 田口 真澄, 久米田 裕子, 神吉 政史, 郡司 明博, 森田 友美, 太田 順司, 高山 正彦, 高須 一重, 木股 裕子 ...
    2009 年 26 巻 2 号 p. 107-113
    発行日: 2009/07/31
    公開日: 2009/08/27
    ジャーナル フリー
    サルモネラは重要な食中毒原因菌の一つである.しかし,わが国では食品からのサルモネラ試験法は食品区分ごとにその成分規格ならびに試験法が決められた経緯があるため,3方法が存在する.そのため,どの区分の食品にも適応しうる新しい試験法を検討した.
    まず,硫化水素産生と非産生の2種類のサルモネラを用い,食肉製品に接種して検出感度を検討した.硫化水素産生性のサルモネラでは3個,硫化水素非産生株の接種実験では7個の接種で検出可能であった.
    次に,本試験法を用いて鶏挽肉および未殺菌液卵のサルモネラ汚染調査を行った.その結果,本試験法が鶏挽肉や液卵のサルモネラ検査に有用であること,さらに少数のサルモネラ検出にも適切であることを確認した.検出したサルモネラ血清型は鶏挽肉ではS. Infantis,未殺菌液卵では S. Enteritidis が主であった.PCRなど遺伝子検査法をBPW増菌後に行うと,培養法でのサルモネラ検出結果との一致率は鶏挽肉では68.6~82.2%であり,未殺菌液卵では100%であった.液卵検体では,BPW増菌培養液のPCRなど遺伝子検査により,サルモネラ汚染の予測が可能である.日本ではサルモネラ食中毒事例から分離される血清型の首位はS. Enteritidisで,卵およびその加工品が原因推定食品となることが多い.特に液卵のサルモネラ汚染実態については,今後も調査を継続する必要があると思われる.
    提案した改良サルモネラ検出法は食品中の少数サルモネラ検出にも有用であると思われる.
短報
  • 清水 美和子, 磯部 順子, 木全 恵子, 嶋 智子, 金谷 潤一, 倉田 毅, 綿引 正則
    2009 年 26 巻 2 号 p. 114-119
    発行日: 2009/07/31
    公開日: 2009/08/27
    ジャーナル フリー
    The official method for screening Escherichia coli O157 and O26 in food involves the detection of the VT genes by PCR. In this study, we evaluated the efficacy of the application of an internal control (EC3 DNA is coamplified with the VT gene) in preventing false-negative results of VT gene screening. A modular approach was applied to consider the effect of each parameter: (1) 4 food samples were tested by using 3 types of cultures artificially inoculated with E. coli O157 before or after enrichment; (2) 2 commercial kits were used; and (3) 2 DNA extraction methods in the official method were employed. We found that the PCR performance was greatly affected by each experimental parameter; in particular, the DNA extraction method that influenced the concentration of PCR inhibitors in each food sample. Hence, the use of internal control was found to be critical for avoiding false-negative results. Isolation of bacteria is the final assessment in the official method. If it is true-negative, however, any steps for isolating the E. coli will not be required. In conclusion, the results of our study may be useful in establishing an overall rapid and efficient test.
技術
  • 樋脇 弘, 馬場 愛, 江渕 寿美, 古田 宗宜, 小田 隆弘, 宮本 敬久
    2009 年 26 巻 2 号 p. 120-126
    発行日: 2009/07/31
    公開日: 2009/08/27
    ジャーナル フリー
    C. jejunihip 遺伝子,C. coli に特異的なglyA 遺伝子配列,およびC. jejuni/coli に共通するglyA 遺伝子配列を増幅する3種類のLUX蛍光プライマーセットを作製した.C. jejuni を検出するJ-hip-FU/RLはC. jejuni に対して,C. coli を検出するC-glyA-FU/RLはC. coli に対して,C. jejuni/coli を検出するJC-glyA-FL/RUはC. jejuniC. coli の両菌種に対して特異的であるとともに,定量性に優れ,検出感度も良好であった.
    食品サンプル25 gの増菌液10検体を用いて,これらのLUX蛍光プライマーによるLUX-qPCRを実施した結果,LUX-qPCRの成績は培養法の成績と完全に一致した.さらに,食品サンプル10 gの増菌液35検体を用いて,J-hip-FU/RLとC-glyA-FU/RLを組合せたM-LUX-qPCRを実施した.その結果,M-LUX-qPCRが陰性であった増菌液では培養成績も陰性となったが,M-LUX-qPCRが陽性となったすべての増菌液から菌が分離されず,M-LUX-qPCRと培養法の成績は完全には一致しなかった.本法は,増菌液からのスクリーニング試験あるいは分離した菌の迅速な鑑別・同定検査に有用であると考えられた.
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