日本食品微生物学会雑誌
Online ISSN : 1882-5982
Print ISSN : 1340-8267
ISSN-L : 1340-8267
28 巻 , 4 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
総説
原著
  • 川崎 晋, 鄒 碧珍, 難波 豊彦, 有馬 和英, 木内 勲, 上﨑(堀越) 菜穂子, 川本 伸一
    2011 年 28 巻 4 号 p. 219-225
    発行日: 2011/12/31
    公開日: 2012/01/25
    ジャーナル フリー
    食中毒菌多重検出システム “[TA10] Pathogenic Bacterial Multiplex PCR Detection System” を用いて,果物・野菜からの検出法について評価した.16種類の果物・野菜を上記キットに供したところ,いずれも35±1℃, 22時間培養後の前培養液1 ml からMultiplex PCR法で検出可能であった.しかしながら,pHの低い試料では増菌時での増殖への影響が示唆されたため,増菌培地間の比較と試料液の中和操作を行った場合での培養改善効果について検討した.その結果,試料液の事前の中和操作よりもむしろ夾雑微生物の増殖により引き起こされる培地pH低下の緩和が重要である可能性を示唆した.前培養培地のpH緩衝能は,上記の遺伝子検査法や培養法での検出において検討すべき重要な因子となりうる.
  • 山田 裕子, 桑山 勝, 重本 直樹, 谷澤 由枝, 松尾 健, 福田 伸治
    2011 年 28 巻 4 号 p. 226-231
    発行日: 2011/12/31
    公開日: 2012/01/25
    ジャーナル フリー
    われわれは,ノロウイルス (NoV) 遺伝子グループI (GI)および遺伝子グループII (GII)の同時遺伝子増幅を行い,クエンチャーによる蛍光消光現象を利用して,1本のチューブでNoV GIおよびGIIを迅速かつ簡便に検出・識別するDuplex RT-LAMP法を確立した.本法は,RT-LAMP反応後に電気泳動あるいはハイブリダイゼーションなどの追加操作を必要とせず,増幅に使用した蛍光標識プライマーと相補配列を有するクエンチャー標識オリゴヌクレオチドを反応チューブに加えるのみで,紫外線を反応チューブに照射した際の蛍光色から増幅された遺伝子を視覚的に検出・識別可能である.RT-PCR法でNoV陽性の糞便70検体を用いてDuplex RT-LAMP法を検証したところ,1反応チューブ当たりの遺伝子コピー数が103から104以上でそれぞれNoV GIは赤色,GIIは緑色,GIおよびGII混合は一部が混色の黄色の陽性反応を示し,その有用性が確認された.本法は,NoV食中毒または感染症発生時に,糞便検体からのNoV GIおよびGII遺伝子の迅速検出および遺伝子グループのスクリーニング試験法として,多くの検査機関での利用が期待される.さらに,われわれの開発したクエンチャー標識オリゴヌクレオチドによる蛍光消光現象は,すべての遺伝子増幅法に応用可能であり,幅広い分野への応用が期待される.
Epidemiology
  • 大仲 賢二, 古畑 勝則, 原 元宣, 福山 正文
    2011 年 28 巻 4 号 p. 232-238
    発行日: 2011/12/31
    公開日: 2012/01/25
    ジャーナル フリー
    Vibrio vulnificus 感染症に関する基礎的研究の一環として,甲殻類における本菌の汚染状況,血清型別および各種抗菌剤に対する薬剤感受性試験を検討した.甲殻類4,769例について本菌の分離を試みたところ,328例(6.9%)から分離された.その内訳は,シャコが1954例中272例(13.9%)と最も多く,次に穴シャコが434例中22例(5.1%),エビが2,381例中34例(1.4%)であった.地域別における分離状況では,12県中10県(83.3%)から分離され,宮城県が40.0%と最も多く,次に鹿児島県が20.8%であった.しかし,香川県と福井県からは1例も分離されず,地域間に差が認められた.血清型別状況では,供試した328株中208株(63.4%)が14菌型に型別され,O19が13.7%と最も多く,次にO16が9.1%,O14とO23が各7.3%などであった.薬剤感受性試験結果をMIC90値で比較すると,CPFXが最も低く,次にMEPM,MINO,TC,DOXY,CPおよびNAの順にMIC値を示し全株が感受性を示した.しかし,LCM,CMZ,KM,AMK,ABPC,PIPC,CER,CET,CPZ,GM,CTXおよびLMOXでは高いMIC値を示し,耐性株が多く認められた.
feedback
Top