食品と微生物
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2 巻 , 2 号
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  • 第1報微生物の生育におよぼす脱酸素剤使用時の包装条件の影響
    星野 純, 藤波 一男, 上野 一恵
    1985 年 2 巻 2 号 p. 73-79
    発行日: 1985/08/20
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
    微生物の生育におよぼす脱酸素剤使用時の包装条件の影響を検討し, 次の結果を得た.
    1) 偏性好気性菌である細菌, 酵母, カビに対して脱酸素剤は静菌効果の他, 菌を殺す効果もあることが認められた.
    2) 酵母や特殊なカビであっても, その生育には分子状酸素が必須であることが明らかになった.
    3) 偏性好気性細菌以外の細菌は, 分子状酸素がなくても生育可能であることが再確認された.
    4) 酸素透過度の著しく低いフィルムの使用, 二重脱酸素剤嫌気包装, あるいは脱酸素剤使用量の増加などにより, 完全に酸素透過のない包材を使用しなくても, 一般的な脱酸素剤嫌気下で生育可能な酵母やカビの生育を阻止または著しく抑制することが可能であることが明らかになった.
  • 諸角 聖, 和宇慶 朝昭, 一言 広, 小原 哲二郎
    1985 年 2 巻 2 号 p. 80-87
    発行日: 1985/08/20
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
    生および焙煎コーヒー豆におけるカビの増殖および毒素産生の相違がいかなる原因によるものかを明らかにする目的で, コーヒー豆成分のカビに及ぼす影響を検討し, 以下の結論を得た.
    1) 蒸留水またはYES培地を用いて水分含量を50%に調整した生および焙煎コーヒー豆粉末にA. flavus, A. ochraeusなど6種のカビを接種し, 発育と毒素産生の有無を調べた. その結果, 生豆粉末においては全菌種が発育し, ochratoxin A産生もみられたのに対し, 焙煎豆粉末においてはYES培地を添加した条件でA. ochraceusの発育が認められたのみで, 他の菌の発育は全くみられなかった.
    2) 焙煎コーヒー豆成分中には抗カビ物質の存在が示唆されたため, その単離を試み, 活性物質本体としてカフェインを得た.
    3) カフェインはA. flavusおよびA. versicolorの発育をいずれも2.5mg/mlで, P. glabrumおよびC. cladosporioidesの発育を5.0mg/mlで, F. solaniの発育を10mg/mlで完全に阻止したのに対し, A. ochraceusの発育は10mg/mlの濃度においても阻止しなかった. また, カフェインは生豆中にも存在することから, そのカフェインを単離し焙煎豆由来カフェインと抗菌活性を比較したところ, 両者の活性に差は認められなかった.
    4) 生および焙煎豆からの温湯抽出画分についてカフェイン含有量および抗菌活性をそれぞれ比較した. その結果, 両画分中のカフェイン含有量に差が認められなかったにもかかわらず, 抗菌作用は焙煎豆由来画分のみに認められ, 生豆由来画分には全くみられなかった.
    5) この結果から, 生豆由来温湯抽出画分中にカフェインの抗菌作用を不活化する物質の存在が疑がわれたため, その物質の単離を試み, 最終的にクロロゲン酸を得た.
    6) クロロゲン酸はカフェイン2.5mgに対して15mg, 5.0mgに対して30mgと, カフェインの3倍のモル量で最も顕著にカフェインの抗菌作用を不活化した. このクロロゲン酸は生豆中でカフェインと複合体を形成して存在し, 焙煎によりその含有量が半減することから, カビが生豆において発育可能であるのに対して焙煎豆で発育できない理由が, 主として両者におけるクロロゲン酸含有量の差であることが明らかとなった.
  • 三瓶 憲一, 今野 純夫, 品川 邦汎, 小沼 博隆, 倉田 浩, 尾上 洋一
    1985 年 2 巻 2 号 p. 88-91
    発行日: 1985/08/20
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
    ブドウ球菌簡易同定キットとして市販されているIDテスト・SP-18を用い, 食肉および食肉製品由来S. aureusの生化学的性状を検討した結果, 以下の成績を得た.
    1. 供試234株のうち, 従来法で定型的性状を示した株は231株で, そのうち225株 (97.4%) がS. aureusと同定された. また, 非定型3株では2株がS. aureus, 1株はS. aureusまたはS. intermediusと同定された.
    2. IDテストによりS. aureusと同定された227株は19種類の性状パターンに類別された.
    3. 従来法およびIDテストによる性状は, リボース分解性において両者は異なり, 一致率は42.0%であった. 本テストでは特にVP反応, ノボビオシン感受性試験において判定が困難であった. さらに, IDテストを使用する場合, コアグラーゼ試験を併用して行う必要のあることが認められた.
  • 池亀 公和, 持永 泰輔, 寺田 厚, 徳重 進, 高野 浩子, 内田 和夫, 五十嵐 英夫, 潮田 弘, 坂井 千三
    1985 年 2 巻 2 号 p. 92-96
    発行日: 1985/08/20
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
    そぼろ肉, いり卵および米飯における黄ブ菌の増殖とEnt A産生に及ぼすK. pneumoniae, E. cloacaeおよびE. coliの影響について検討した.
    1) 黄ブ菌のEnt A産生の最もよい食品はそぼろ肉, ついでいり卵であり, 米飯はあまりよくなかった.
    2) 黄ブ菌とG (-) 菌の等量接種において, いずれのG (-) 菌でも, そぼろ肉といり卵ではEnt A産生は僅かに抑制され, 米飯では著しい抑制が認められた.
    3) 黄ブ菌103/gとG (-) 菌106/gの混合接種では, いずれの食品においても黄ブ菌の増殖とEnt A産生が完全に抑制された.
    4) 黄ブ菌の増殖, Ent A産生に対するG (-) の影響は, E. cloacaeE. coliではほぼ同様で, 僅かな抑制が認められたが, K. pneumoniaeは大きな抑制効果を示した.
  • 伊藤 武, 高野 伊知郎, 高橋 正樹, 富岡 芳彦, 高橋 栄一
    1985 年 2 巻 2 号 p. 97-101
    発行日: 1985/08/20
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
    カンピロバクター食中毒の予防対策に必要な基礎資料を得るため, ストレッチ包装, 真空包装, CO2とN2ガス充填包装およびO2とCO2ガス充填包装の生牛肉中でのC. jejuniの生存について検討を行った結果, 牛肉中のC. jejuniの生存は包装条件によって影響を受けることを明らかにした.
    1. 真空包装や70%CO2+30%N2ガス充填包装あるいは30%CO2+70%N2ガス充填包装した牛肉を1℃に保存した場合, C. jejuniの生残菌数はほとんど減少せず, 長期間本菌が生存した. 簡易なストレッチ包装でも10日間の観察では本菌の著明な減少を認めなかった. しかし, 70%O2+30%CO2ガス充填包装では保存期間とともにC. jejuni菌数が減少し, 14日保存で2.0×101個/gであった.
    2. 各包装食肉を7℃の温度条件下に保存した場合でも1℃保存と同様に, O2とCO2ガス充填包装ではC. jejuniの死滅がみられ, 10日後で2.0×101個/gに減少した.
  • 一言 広, 諸角 聖, 和宇慶 朝昭, 倉田 浩
    1985 年 2 巻 2 号 p. 102-109
    発行日: 1985/08/20
    公開日: 2010/07/12
    ジャーナル フリー
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