水産海洋研究
Online ISSN : 2435-2888
Print ISSN : 0916-1562
82 巻 , 3 号
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原著論文
  • 多賀 真, 山下 洋
    2018 年 82 巻 3 号 p. 121-126
    発行日: 2018/08/25
    公開日: 2021/02/26
    ジャーナル フリー

    マサバは生時にはその全身が鱗と粘液に覆われるが,まき網では漁獲時にこれらが脱落し誤飲されることによって,胃内容物分析結果が正確でない可能性が指摘されている.そこで本研究では,誤飲の影響がほとんどないと考えられる釣獲によって得たマサバと,まき網で漁獲されたマサバの胃内容物を比較した.その結果,まき網では99個体中90個体(90.9%)から誤飲物と考えられる鱗や粘液状内容物が出現したが,釣獲ではこれらはほとんど出現しなかった(8.3%).まき網で漁獲されたマサバの胃に含まれた鱗がさば属の鱗の特徴を示し,胃内容物重量指数は,誤飲物を含む重量で比較するとまき網標本で有意に高かったが,誤飲物を除くと差はわずかであった.以上から,鱗や粘液状内容物は漁獲時の誤飲物であると判断された.まき網で漁獲されたマサバの胃内容物分析において,誤飲物による影響は大きいと推定され,これらを除いた分析を行うことが求められる.

  • 森山 充
    2018 年 82 巻 3 号 p. 127-130
    発行日: 2018/08/25
    公開日: 2021/02/26
    ジャーナル フリー

    取引の結果から,漁協に水揚げされた漁獲物のサイズについての経年変化を調べた.越前町漁協が取引に用いている受託販売品売立書を使用し,2006, 2011および2016年漁解禁直後の雌ズワイガニの銘柄別漁獲尾数を調べ,水産試験場が行う銘柄別甲幅組成の測定結果と合わせて漁獲物の平均甲幅を推定した.その結果,銘柄組成は小型銘柄にシフトした一方,銘柄別の甲幅組成は大型化した.両者から推定した2011年の平均甲幅は2006年よりも小さくなったが,2016年は2011年よりも大きくなった.以上の結果から,市場における銘柄組成の小型化は漁獲物全体の甲幅組成の小型化を意味している訳ではないと結論された.今回行った解析は日常的な漁協の商行為の結果と水産試験場が毎年実施している甲幅測定の結果から実施可能であり,データ蓄積の継続性からも有用な方法であると言える.

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