水産海洋研究
Online ISSN : 2435-2888
Print ISSN : 0916-1562
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総説論文
  • 黒田 啓行, 北島 聡, 後藤 常夫, 佐々 千由紀, 田中 秀一, 平松 一彦, 向草 世香, 安田 十也, 山田 明徳, 山田 東也, ...
    2019 年 83 巻 4 号 p. 237-251
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2021/02/26
    ジャーナル フリー

    マサバ対馬暖流系群は主に日本,韓国,中国のまき網漁業により漁獲され,商業上重要な水産資源である.しかし,資源の生態についてはいまだ不明な部分が多い.また資源状態は1990年代以降低水準にあり,より効果的な資源管理が求められている.本稿では,分布回遊や系群,成熟など本資源の生態に関するこれまでの研究に加えて,漁業や資源評価など資源管理に関する知見を整理し,今後さらに研究を進めるべきテーマについて検討した.より効果的な資源管理のためには,加入量の変動メカニズムや回遊パターンの解明などとともに漁業の実態把握を国際的に協調して進めていく必要がある.

原著論文
  • 曽根 亮太, 和久 光靖, 石田 俊朗, 宮脇 大, 山田 智
    2019 年 83 巻 4 号 p. 252-259
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2021/02/26
    ジャーナル フリー

    愛知県六条潟では毎年大量のアサリ稚貝が発生するが,秋季から冬季に減耗し,その原因は明らかでない.そこで3年間の春季から冬季の調査により減耗時期を特定するとともにステンレスかごを用いた野外実験を行った.また,アサリの成長,肥満度および成熟度の生理状態をモニタリングした.いずれの年も10–11月に個体数が1/10以下に減耗した.野外実験では試験区のかごの中でへい死が見られ,かごを被覆しなかった対照区と同様に個体数が減少したため波浪による散逸やカモ類・大型巻貝等による摂食圧が主な要因とは考えられなかった.一方,群成熟度は10–11月に高まり,その後低下する際に個体数が急減しており,成熟・産卵放精と減耗との関連が考えられた.六条潟では7–8月頃から群成長が停滞し,夏季以降は十分な栄養状態でないと考えられた.このような低栄養状態にもかかわらず,成熟が進行し,秋季の産卵放精によるエネルギー消費が大量へい死の原因と考えられた.

  • 日野 晴彦, 東元 俊光, 田中 優平
    2019 年 83 巻 4 号 p. 260-270
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2021/02/26
    ジャーナル フリー

    八丈島周辺海域におけるクサヤモロの漁況の変動要因について,一般化線形モデル(GLM)と混合正規分布のパラメータ推定により検討した.GLMによる解析の結果,年,月,黒潮流路が漁獲量・魚体重量に影響することが示された.操業隻数の増加に伴って1隻当たりの漁獲量が減少し,その要因として出荷可能量を勘案して設定する漁獲制限が考えられた.GLMの年の係数から,2015年以降の資源動向・魚体重量はそれぞれ減少・増加傾向にあることが示唆された.漁獲量は8–11月に増加して11–12月に減少することが示され,その要因として混合正規分布の結果から漁獲対象となる1–3歳魚の成長と年齢組成の変動が考えられた.黒潮が八丈島の南側を通過するC型流路に移行すると同月の漁獲量が非C型流路よりも1.1–1.2倍増加することが示され,その要因として栄養塩の増加に伴う餌料環境の改善により高成長となった同年齢魚の加入と年齢組成の高齢化による魚体重量の増加が考えられた.

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