ニジマス15例,ヒメマス1例の稚魚の疾病を調査し,以下に要約する結果を得た。13例が寄生性疾病,そのうち7例が原虫類寄生,3例がカビ,細菌などの混合寄生,他の3例が吸虫,原虫,細菌などの混合寄生による鰓病であった。検出された病原生物はTrichodina sp., Chilodonella sp.,Ichthyophthirius multifiliis, Trichophrya sp., Costia necatrix, Cryptobia branchialis, Chondrococcus様細菌,水生菌,Gyrodactylus elegansであった。 Cryptobiaはヒメマス稚魚の鰓から検出された。決定的な病原生物が検出されなかった不明病が3例あった。これらの病例は発病時期,発病期間,病魚の行動斃死状況,流行病的性格,および膵臓組織におこる病変などの諸点でIPNに類似している。Costia, Cryptobiaなどの原虫を駆除するには1:30~40万の濃度になるようにマラカイトグリーンを発病池に流下浸漬する。この場合,Costia対しては40~60分間, Cryptobiaに対しては20分間の浸漬が必要である。
抄録全体を表示