魚病研究
Online ISSN : 1881-7335
Print ISSN : 0388-788X
ISSN-L : 0388-788X
16 巻, 3 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 破壊菌体で前処理した魚の生菌攻撃に対する反応
    宮崎 照雄, 窪田 三朗
    1981 年 16 巻 3 号 p. 101-109
    発行日: 1981/11/30
    公開日: 2009/10/26
    ジャーナル フリー
     1. V.anguillicidaの破壊菌体注射により感作した魚に生菌攻撃を行ない,感作魚の感染防御反応について病理組織学的に検討した。2. その結果,生残率は60%に達し,生残魚では顕著な好中球反応が観察された。3. 瀕死魚では好中球反応が弱いながらも認められた。
  • 畑井 喜司雄, 安元 進, 安永 統男
    1981 年 16 巻 3 号 p. 111-118
    発行日: 1981/11/30
    公開日: 2009/10/26
    ジャーナル フリー
     1. 1980年6~10月に長崎県橘湾に面した養殖場で,飼育されているマアジにへい死を伴う疾病が発生したため,その原因を調査した。2. 病魚は眼球が発赤または白濁していることが多く,さらに症状の進行した個体では突出が生じ,重篤魚では脱落がみられた。3. 罹病魚の諸臓器からは起病性を有する一種のVibrio細菌が純培養的に分離されたことから,本病をビブリオ病と断定した。4. 分離菌は広義の腸炎ビブリオに近似したが,8%NaCl加培地および42℃では発育不能であるため,腸炎ビブリオに包含するには問題があると判断された。5. 本菌の至適pHは6~9,至適温度は28.8~34.0℃および至適NaCl濃度は1~3%であった。6. 本菌は供試した7種類の抗菌剤(OTC・TC・CTC・CP・TP・OX・NF-Na)のすべてに感受性を示した。
  • 宇賀 神光夫
    1981 年 16 巻 3 号 p. 119-127
    発行日: 1981/11/30
    公開日: 2009/10/26
    ジャーナル フリー
     1. 1980年7月から10月にかけて,栃木県下の養殖アユに流行した連鎖球菌感染症の原因菌を分離しその性状を調べた。2. その結果,本菌はグラム陽性の連鎖球菌で10℃,45℃,6.5%NaCl, pH 9.6および0.1%メチレンブルーミルクに発育せずにアルギニンからアンモニアを産生しβ溶血を示すことからBergey's manual第8版(BUCHANAN and GIBBONS,1974)の第Iのグループに包含され,また馬尿酸ナトリウムを加水分解しないことからAのグループに包含された。3. しかし,詳細な検討結果から分離菌株は現段階ではgenus Streptococcusのどのspeciesにも同定し得ないと考えられる。
  • 陳 秀男, 郭 光雄
    1981 年 16 巻 3 号 p. 129-137
    発行日: 1981/11/30
    公開日: 2009/10/26
    ジャーナル フリー
     ニホンウナギの(Anguilla japonica)卵巣から株化細胞EO-2を確立した。その細胞は32±1℃下で,10%の牛胎児の血清を加えた培地Leibovitz's L-15を用いて,19ケ月の間に110代継代している。また20~37℃の範囲でEO-2株化細胞を維持できた。本株化細胞は,大型または小型の核をもつ線維芽性細胞から成っている。大部分の培養細胞中に多核細胞が存在していた。100個の細胞分裂中期のEO-2細胞について計数した染色体数は,38を中心にして22から74の範囲であった。低い濃度で細胞を接種すると,8%しか付着しなかった。EO-2細胞はEVE, EVEX及びEVAに対して感受性を示した。この3種のウイルスに対するEO-2細胞の感受性は, RTG-2, FHM細胞のそれよりも高かった。この株化細胞は,細菌,真菌及びマイクロプラズムに感染していないことがわかった。
  • 室賀 清邦, 河東 勝康, 市園 肇
    1981 年 16 巻 3 号 p. 139-144
    発行日: 1981/11/30
    公開日: 2009/10/26
    ジャーナル フリー
    From August in 1978 to August in 1980, a continuous field investigation was made on Alella macrotrachelus infestation in black sea-bream (Acanthopagrus schlegeli) cultured in a private farm in the Inland Sea of Japan.
    1) A. macrotrachelus was observed on the gills of the fish from the farm throughout the year.The parasite was also common in some other farms, but few in which were situated near the mouth of rivers.
    2) The average number of the female parasites on a fish began to increase immediately after the start of rearing (August), and reached the first peak (ca. 15 worms/fish) in winter (January or February). It attained the second peak in the next spring, then decreased considerablly in late summer, when some of the cultured population began to be harvested.
    3) The most dangerous stage of this parasitic disease seemed to be in the first winter.
    4) From histopathological observations, it was found that the female parasite took the epithelial cells of gill lamellae and erythrocytes. The hyperplasia of the epithelial cell layer, edema and hemorrhage in the gill lamellae were also caused by the parasite.
  • 森 真朗
    1981 年 16 巻 3 号 p. 145-149
    発行日: 1981/11/30
    公開日: 2009/10/26
    ジャーナル フリー
     コイ・キンギョ血液から白血球を分離する技法について検討した。採血後,血液を静置する方法およびficollとsodium diatrizoateの混液(比重1.077)に血液を重層し遠心分離する方法により両魚種から血液1mlあたり約106個の白血球を分離することができた。分離された白血球はトリパンブルーに染まらず,黄色ブドウ球菌,大腸菌に対し食作用を示し,一部のものにはガラス壁付着能も認められた。これらの知見から今回用いた方法は魚類白血球の各種機能を調べる為の白血球分離技法として適切なものと考えられた。
feedback
Top