ナギナタガヤ草生ミカン園における,秋肥窒素のウンシュウミカン樹とナギナタガヤによる吸収特性を把握するため,ポット栽培条件下において
15Nトレーサー法を用いて検討した.
ミカン樹による秋肥窒素吸収量は,草生区が裸地区の41%と著しく少なく,特に吸収窒素の集積が大きい新葉と細根における差異が大きかった.草生区におけるナギナタガヤの秋肥窒素吸収量は,同区の樹体の約2倍であった.また,ナギナタガヤは吸収窒素の多くが地上部に分配されていた.樹体の
15N寄与率は,草生区に比べて裸地区の方が明らかに高かった.一方,ナギナタガヤにおける
15N寄与率は,樹体に比べて著しく高かった.秋肥窒素の利用率は,樹体を比較すると草生区19.5%,裸地区48.1%であり,裸地区の方が顕著に高かった.しかし,ナギナタガヤによる吸収量を加えた草生区の利用率は60.9%となり,裸地区の約1.3倍になることが示された.
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