農作業研究
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47 巻, 4 号
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研究論文
  • 平田 聡之, 永山 毅, 荒木 肇
    2012 年 47 巻 4 号 p. 127-137
    発行日: 2012/12/20
    公開日: 2013/06/20
    ジャーナル フリー
    コムギ栽培では,古くから地力維持を目的としたカバークロップの利用が進められてきた.本研究では,冷涼積雪地帯である北海道におけるヘアリーベッチ,野生エンバク,ヘアリーベッチと野生エンバクの混播および休閑を導入した 4種の 1年輪作体系において春コムギのバイオマス生産と窒素吸収量を調査した.以下に結果の概要を示す.
    1)カバークロップを栽培した区では,コムギの収量が増加したが,カバークロップ種間で有意な差異が認められなかった.
    2)2008年と2009年のコムギ収量を比較したところ,カバークロップを栽培していない区では 55.4%に低下したが,カバークロップを導入した区では 36.7%以下の減少率に留まった.このことから,カバークロップによりコムギ収量の安定性が増加すると考えられた.
    3)推定窒素源、カバークロップ種および耕起法を説明変数とした重回帰分析の結果から,コムギの窒素吸収量は,野生エンバクによる負の効果が認められた.このことから,マメ科カバークロップであるヘアリーベッチの有効性が示された.
    4)カバークロップを栽培した区では,コムギ収量に春耕による効果が認められなかった.このことは,カバークロップ栽培を取り入れた春コムギの不耕起播種の有効性が高いことを示している.
研究報文
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