農作業研究
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55 巻 , 3 号
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研究論文
  • 川﨑 陽一郎, 浜名 洋司, 竹岡 賢二, 塩田 勝紀, 塩田 俊
    2020 年 55 巻 3 号 p. 135-142
    発行日: 2020/09/20
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

    ウンシュウミカン‘石地’(以下,‘石地’と記す)の主幹形樹について,開花2週間後から収穫期まで地表をマルチで被覆し,生育ステージに合わせた灌水管理を行う透湿性光反射シート被覆栽培(以下,マルチ栽培と記す)を行い,栽植後11年間にわたり収量および果実形質に及ぼす影響を調査した.その結果,‘石地’の主幹形樹は,開心自然形樹に比べて早く圃場栽植後3年目で,成園目標収量の2.8 t/10 aに到達できることを実証した.さらに,‘石地’の主幹形樹は,甘味比12以上となる果実や高単価が期待されるSML階級の果実を安定して生産できることを示唆した.また,長期間の調査結果から,根域の拡大による土壌水分制御の限界等の課題を提示した.

  • ザカリア ホセイン アマハド, 高橋 是成, 小松﨑 将一
    2020 年 55 巻 3 号 p. 143-153
    発行日: 2020/09/20
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

    農業用ロボットの需要が増大している.茨城大学農学部附属国際フィールド農学センターのナシ園において,2018年から2019年において芝刈りロボットを果樹園の草刈に応用した場合の性能について評価した.慣行草刈り区では,年間の園内の草高は,15–281 mmと変動したが,ロボット草刈区では,35–87 mmと変動幅が小さくなった.さらに,ロボット草刈,乗用型草刈り機,歩行型草刈り機および肩掛け式草刈り機の比較においてエネルギー消費(10aあたり6, 13, 56, および18 kWh),ランニングコスト(1か月あたり133, 206, 1122および277円/10 a),二酸化炭素排出量(10 aあたり3, 3.4, 14, および4.5 kWh),作業労力(10 a当たりそれぞれ,28, 40, 604および62分)の面で,ロボット草刈の優位性が認められた.また,ロボット草刈り機は,作業中の心拍増加などの労働負担が認められないが,乗用型草刈り機,肩掛け式草刈り機および歩行型草刈り機では,それぞれ1.2, 1.5,および1.4の心拍増加率を示した.これらのことから高齢化や人手不足に直面するナシ園管理において,ロボット草刈は農作業改善が期待できる.

研究報文
  • 菊地 麗, 奥野 林太郎, 佐藤 達也, 亀井 雅浩
    2020 年 55 巻 3 号 p. 155-162
    発行日: 2020/09/20
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

    急傾斜法面における人力での刈払い作業は危険を伴い,作業者の負担が大きいことから,急傾斜法面対応の簡便な小型草刈ロボットの開発が求められている.本研究の目的は,急傾斜法面に特化した誘導式小型草刈ロボットを開発し,草刈作業の動作軌跡から作業特性を明らかにすることである.巻き取りリールを用いて機体位置を調整し人力でけん引を行う草刈機であるけん引式小型草刈機と巻き取りリールの代わりに機体の移動に用いる誘導用モータを取り付けた誘導式小型草刈ロボットを開発した.開発機と市販の法面草刈機について動作解析から得られた正味作業面積を作業時間で除した値の正味作業量を比較した.各機体の作業特性を比較すると,正味作業量は対照機5.6 m2/minが一番高く,開発機けん引式2.4 m2/min,開発機誘導式1.3 m2/minの順であった一方で正味作業面積は,開発機けん引式22 m2が一番広く,開発機誘導式16 m2,対照機11 m2の順となった.開発機けん引式および開発機誘導式は移送時の積込みおよび荷下ろし時間が短いことや,人力での移送も可能であることから,細かく移送が必要な小規模かつ法面の斜面長が長い法面での作業が適していると考えられた.開発機けん引式は,最大ワイヤ長8 mをより長くすることで,中山間地域でよく見られるような斜面長5 m以上の長大法面での草刈作業全体の作業量が高くなることが期待できる.

解説
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