農作業研究
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研究報文
  • -知的障害特別支援学校における授業実践を通して-
    佐竹 寛之, 林 孝洋
    2020 年 55 巻 4 号 p. 203-210
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2021/06/22
    ジャーナル フリー

    知的障害者が農業に従事する際の課題として,任せられる仕事が限られることが挙げられる.その理由としては,慣行農法では知的障害者の作業内容への理解が難しいこと,理解不足や不器用さから作業精度が低いことなどが考えられる.本研究では,知的障害者が自立して作業を行えるように,作業工程を1動作まで細かく分解し(以下,素工程分解),その有効性を検討した.実験と調査は特別支援学校高等部の生徒20名を対象に調査を行った.素工程分解農法の有効性を検証するために(1)発芽数を比較する実験と,(2)大和マナの栽培における収穫物の比較調査と,各素工程における生徒の作業様態の記述調査を行った.その結果,素工程分解した栽培法では慣行農法に比べ発芽数が0.1%水準で有意に多くなった.収穫物の草丈は同程度のものを栽培することができた.記述調査の分析では,①素工程分解と補助具の利用を組み合わせて実施することで,生徒が作業の順序が理解しやすくなる,②任せられる作業範囲が広がる,③これまでの経験などによって適材適所に振り分けやすくなる,などの示唆が得られた.以上のように,素工程分解することは知的障害のある生徒がより自立的に作業を行うために有効であることが示された.

研究論文
  • 藤﨑 涼香, 堤 淑貴, 髙橋 賢人, 元木 悟
    2020 年 55 巻 4 号 p. 211-219
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2021/06/22
    ジャーナル フリー

    ミニトマトは,大玉トマトに比べて収穫作業に多大な時間を要することから,収穫労力の省力化および軽作業化が望まれている.生食用ミニトマトでは,省力収穫特性であるへた離れ性および果柄の離脱性に品種間差異が認められていることから,ミニトマトにおけるへたの有無が収穫作業時間に及ぼす影響を検討した.その結果,へたなし収穫の収穫作業時間は,へたあり収穫と同等か有意に短かった.また,へたあり収穫の収穫作業時間は,縦横比が小さい‘ロッソナポリタン’および‘アイコ’では長くなる可能性が認められた.以上の結果から,ミニトマトにおけるへたなし収穫により,収穫労力を省力化および軽作業化できることが示唆された.

  • 竹下 正哲, 益満 ひろみ, 後藤 元, 戸祭 克, 中西 一弘, 蓑原 隆, 前山 利幸, 高橋 丈博, 日比 哲也, 上村 雪, 山中 ...
    2020 年 55 巻 4 号 p. 221-229
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2021/06/22
    ジャーナル フリー

    スイートコーンの総生産量に関して日本は世界14位となっているが,1 ha収量になると24位まで落ちる.その生産効率をあげるために,以前の研究において,ドリップ・ファーティゲイションを露地栽培に導入した.その結果,ドリップ・ファーティゲイションによりスイートコーンを増収できることが示されたが,Nを増やしていったとき,どこまで増収可能なのかは未知数であった.そこで様々なNレベルおよび灌水頻度を設定することにより,増収に最適な窒素量,灌水頻度を求めることを本実験の目的とした.試験区はN1:窒素1.5 kg ha-1 day-1,灌水4回day-1;N2:窒素15 kg ha-1 day-1,灌水4回day-1;N3:窒素30 kg ha-1 day-1,灌水4回day-1;N1-a:窒素1.5 kg ha-1 day-1,灌水1回day-1;N1-b:窒素1.5 kg ha-1 day-1,3日に1回灌水;C:灌水なし(降雨のみ)固形化成窒素肥料130 kg ha-1とした.結果は,ドリップ・ファーティゲイションにより2–2.5倍に増収が可能となったが,収量の頭打ちも見られ,N3レベルの多施肥は弊害の方が大きいことがわかった.灌水頻度は,2018年のように乾燥した年には強く収量に影響しており,毎日の灌水が最適と思われた.

研究報文
  • -持続的なサトウキビ生産を可能とする有効な収穫・運搬作業体系モデル-
    赤地 徹, 恩田 聡, 玉城 麿, 米須 勇人, 宮平 守邦, 山田 義智, 正田 守幸, 新里 良章, 井上 英二
    2020 年 55 巻 4 号 p. 231-245
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2021/06/22
    ジャーナル フリー

    沖縄県南北大東島におけるサトウキビ収穫・運搬作業体系のダウンサイズモデルについて,シミュレーションの手法によりその経済性等を分析した.老朽化した現行の作業機の代替えを進めるにあたっては,運搬トラックが収穫機の伴走を兼ねる大型,中型のモデルやハイダンプ式の伴走・搬出機を用いる中型モデル等を中心に進めることが有利であり,現行の作業料金を維持できる可能性がある.単収や作業能率の向上は,コストの低減につながり,製糖工場のプラントの処理量をコントロールできる技術や仕組みがあれば,より自由度の高い作業体系が構築できると考えられる.シーズンを通して各作業機の1台当りの処理量を増やすことや,アイドリング時間を減らす方向で種々の対策を講ずることが重要である.

  • -土壌圧密がサトウキビの初期生育や根群の発達に及ぼす影響-
    赤地 徹, 恩田 聡, 戒能 亜紀, 米須 勇人, 玉城 麿, 井上 英二
    2020 年 55 巻 4 号 p. 247-255
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2021/06/22
    ジャーナル フリー

    機械作業による土壌の圧密がサトウキビの初期生育や根群の発達に及ぼす影響について解明するため,土壌密度を4水準設けたルートボックス試験を行った.サトウキビの根群の発達や根量は,土壌密度が高いほど抑制される傾向となったのに対し,仮茎長と茎径は土壌密度と明確な関係は見られず,地下部と地上部では異なる結果となった.圧密された土壌では,灌漑水の浸入能が低いため上層部で停滞し,根域も比較的上層部に集中していることから,水分の吸収において有利に作用したと考えられる.土壌圧密がマイナス要因ばかりではないとの報告も散見されることから,温暖期での再評価試験が必要である.

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