老年歯科医学
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10 巻, 3 号
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  • 松浦 英夫
    1996 年 10 巻 3 号 p. 187
    発行日: 1996/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 加藤 武司, 宇佐美 雄司, 長谷川 雅哉, 野田 幸裕, 上田 実, 鍋島 俊隆
    1996 年 10 巻 3 号 p. 189-193
    発行日: 1996/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    この研究の目的は歯牙喪失状態が情動行動に及ぼす影響を検討することである.研究方法は抜歯老齢ラットと対照としての非抜歯老齢ラットを用い日内活動性試験および情動性試験を行った.対照群に比べて臼歯喪失させたモデルである抜歯群では日内活動量が有意に減少した.また情動性試験により抜歯群に情動性の変化が観察された.以上臼歯抜歯老齢モデルにおいて夜行性行動の障害, 自発性の低下, 不安の増加などの痴呆の周辺症状が観察されたことから長期の歯牙喪失状態が痴呆の危険因子の1っとなる可能性が示唆された.
  • 小柴 慶一, 小笠原 正, 野村 圭子, 太田 慎吾, 渡辺 達夫, 笠原 浩
    1996 年 10 巻 3 号 p. 194-203
    発行日: 1996/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    要介護高齢者にとっての有床義歯使用の可能性を検討するために, 有床義歯の使用状況とそれに関与する因子について調査した.対象は特別養護老人ホーム入所中の65歳以上の者102名とした.102名のうち, 有床義歯を使用している者が37名, 有床義歯が必要であるにも拘わらず使用していない者が54名いた.tこの両群を分析対象とし, 有床義歯の使用・非使用に関与する本人の能力及び口腔状態について検索した.その結果, 以下のことが明らかとなった.
    1.調査項目のうち, 着衣, 排泄, 食事, 口腔清掃, 移動, 手の機能及び痴呆の程度 (長谷川式簡易知的機能スケール) の7項目については, 有床義歯使用・非使用との間に関連性 (p<0.01) が認められた.
    2.視力, 聴力, 欠損歯数, 歯冠数, DMFT, 欠損歯の分布状態及び年齢の7項目にっいては, 関連性は認められなかった.
    3.関連性の認められた項目を説明変数とし有床義歯の使用・非使用を外的基準として数量化II類による分析を行った結果, 相関比は0.372で判別的中率は76.9%であった.
    4.有床義歯の使用・非使用に最も強く影響するものは, 着衣であった.
    要介護高齢者に対して, 有床義歯による補綴を行う際には, ADLの評価と, 痴呆の程度の把握によって, 有床義歯使用の可能性をある程度判断できることが明らかになった.
  • 岩堀 正俊, 堺 誠, 澤田 尚昌, 徐 彦彬, 山内 六男, 長澤 亨
    1996 年 10 巻 3 号 p. 204-209
    発行日: 1996/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    複製義歯用レジン2種 (FL, RE) の理工学的性質についてリライニング用常温重合型レジン (RR) および加熱重合レジン (AC) と比較検討した.
    曲げ強度はFL: 684.6±47.9kg/cm2, RR: 387.3±67.4kg/cm2, RE: 277.3±69.3kg/cm2, AC: 593.1±33.8kg/cm2であった.ヌープ硬さはFL: 14.1±0.5, RE: 11.8±1.3, RR: 11.2±0.5, AC: 18.0±0.6であった.流動性はFLが最も良く次いでREであり, RRが最も悪かった.吸水量はRE: 0.47±0.12mg/cm2, RR: 0.63±0.11mg/cm2, FL: 0.65±0.19mg/cm2であった.線収縮率はFL: 0.32±0.07%, RR=0.32±0.04mg/cm2, RE: 0.30±0.05%であった.表面粗さ (Ra) はRR: 0.08±0.01μm, RE: 0.10±0.02μm, FL: 0.11±0.01μm, AC: 0.07±0.01μmであった.細部再現性はFLが最も良好であり, RRは上部の平滑面でややうねりを生じており, REではこの傾斜がさらに顕著で微小な凹凸を伴っていた.研磨面のSEM像では加熱重合レジンでは滑沢な面を呈していたが, RE, FL, RRでは表面に多数の気泡が見受けられた.
    以上の結果より, 市販されている複製義歯用レジンはリライニング用常温重合レジンと物性に差異がないことが判かった.また, 複製義歯用レジンは表面性状や物性が加熱重合レジンに比べて劣るため, 口腔内で長期的に使用するのは避けるべきと思われる.
  • 佐藤 健, 林 直樹, 糸山 暁, 金 賢成, 廣瀬 陽介, 廣瀬 伊佐夫
    1996 年 10 巻 3 号 p. 210-217
    発行日: 1996/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    今回, 著者らは昭和59年10月から平成6年12月までの10年間に全身麻酔下に切開排膿術を施行した72歳から91歳までの男女5症例について術中, 術後の管理上の問題点を検討した.全症例に循環器系疾患, 内分泌疾患, 膠原病などの内科的基礎疾患の合併を認めた.手術は5症例中2例で緊急手術が行われた.麻酔導入は全症例で緩徐導入法が選択され, 気管内挿管法は3症例で意識下気管内挿管が行われた.その他, エンドトキシンショックのため病棟で緊急に気管内挿管を行つた後, 手術室に入室した症例や手術室に入室後少量の鎮静薬投与により呼吸抑制をきたし緊急気管内挿管を行つた症例があつた.麻酔維持は3症例がGOと低濃度の揮発性麻酔薬で他の2症例はGO-NLA変法により行った.術中管理ではエンドトキシンショック症例で循環管理にドパミンを使用したほか, 糖尿病合併患者でインスリン療法が必要となった症例があつた.術後管理においては覚醒遅延や呼吸抑制に対する呼吸管理を必要とする症例があった.以上の経験から, 高齢者に発症した重篤な化膿性炎症に対する切開排膿手術は急速に悪化する全身状態のもとで行われることが多く, 術中・術後の患者管理においては, 加齢による身体機龍の低下と内科的疾患の合併に配慮して呼吸・循環・代謝・栄養の管理を慎重に行わなければならないと考えられた.
  • 第1報 歯科保健に対する保健婦の意識
    下山 和弘, 岡田 弥生, 内田 達郎, 石川 直人, 小林 章二, 長尾 正憲
    1996 年 10 巻 3 号 p. 218-227
    発行日: 1996/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    在宅寝たきり老人の口腔環境を快適に保つためには, 歯科医師, 歯科衛生士は在宅ケアにおいて重要な役割をもつ保健婦と密接な連携をとる必要がある.在宅ケアでの歯科保健の充実を図るためには, 歯科保健に対する保健婦の意識および行動を明らかにすることが有効であると考え, 東京都および埼玉県で勤務する保健婦を対象に在宅ケアに関連する事項を中心に歯科保健に関するアンケート調査を行った.保健婦161名から回答が得られ, 記載不備のない155名の回答を分析した.回答者の40.0%は保健婦としての経験年数が5年以下であった.自分自身が口腔清掃指導を受けた経験のある保健婦の割合は81.9%, 保健婦の72.3%が口腔清掃に対して熱心またはどちらかといえば熱心と考えていた.歯科全般に対する知識が不十分と思っている者の割合は63.2%であった.在宅ケアにおける保健婦の業務としての歯科の位置付けでは, 重要性を「中位」とした者の割合は76.1%であった.在宅寝たきり老人を対象とした口腔清掃の教育・指導を受けた経験のある者の割合は18.1%, 在宅寝たきり老人の歯科保健指導のための教育・指導を大いに希望する者の割合は51.6%であった.これらの結果から, 歯科保健に関する教育, 指導が必要とされており, 歯科医師, 歯科衛生士から保健婦への積極的なアプローチが保健婦と歯科医師, 歯科衛生士との連携を強め, 口腔領域の在宅ケアの質の向上に繋がると考える.
  • 権田 悦通, 伊崎 克弥, 田中 球生, 三木 基二, 木田 順子, 上野 美奈, 榎並 祥子
    1996 年 10 巻 3 号 p. 228-236
    発行日: 1996/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    義歯や口腔のケアについての現状や認識度を知る目的で, 本学附属病院に来院した96名の義歯装着者にアンケート調査を行った.
    そのうちラポールのとれた患者については, 義歯の清掃の実際をビデオ録画した.また, 義歯清掃時に義歯用ブラシを使用している者10名, 普通の歯ブラシを使用している者10名の上顎総義歯を染色液で染色し, プラークの残存状態を調べた.
    1.アンケート調査の結果からは
    (1) 義歯についての満足な点は “かめる”, 不満な点は “痛い” が多かった.また, 不満な点には, 義歯が汚れやすく, 手入れが面倒とする者があった.
    (2) 義歯取扱いについての指導は, 受けたと回答した者が全体の52%あったが, 実際に指導内容を覚えている者は少なかった.
    (3) 義歯の清掃については100%の者が清掃していると回答した.また, 口腔内を清掃している者は局部床義歯で95%, 総義歯で73%であつた.
    (4) 義歯および口腔内の清掃用品については, 義歯洗浄剤で89%, 洗口剤で44%, 義歯用ブラシで35%, 義歯用歯みがきで18%の者が知っていると回答した.また, これらを実際に使用しているものはそれぞれ半数を超えていた.
    (5) 義歯安定剤については, 知っている者が68%あったが, そのうち, 使っている者は15%であった.
    2.ビデオ録画の結果からは, 流水下で義歯を清掃していた者はほとんど観察されなかった.
    3.上顎義歯のプラークの残存状態の調査結果からは, 歯ブラシ使用者と義歯用ブラシ使用者ともに全ての部位で粘膜面のプラーク残存程度が研磨面よりも高く, とくに, 切歯乳頭部はほとんど清掃できていなかった.また, 義歯用ブラシ使用者のほうが全般的にプラーク残存程度が少ない傾向がみられた.
  • 都尾 元宣, 岡本 武志, 下村 卓也, 谷口 正芳, 山内 六男, 長澤 亨
    1996 年 10 巻 3 号 p. 237-243
    発行日: 1996/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    近年, 複製義歯を用いた全部床義歯製作法が行われるようになってきた.本論文では, われわれが行っている複製義歯を用いた全部床義歯製作方法について報告した.
    複製義歯を用いた義歯製作の一般的な手順としては, まず旧義歯の咬合が適正かどうかを調べ, 問題があれば主に下顎義歯の咬合面を修正する.また, 義歯床辺縁や粘膜面に問題があればリライニング用レジンで修正を行う.次に, 粘膜調整材を用いて粘膜調整を行いながら, 床下粘膜を正常に戻すとともに適正な辺縁形態を求める.このようにして改造した旧義歯を複製義歯用フラスコを用いて複製し, 複製した義歯で印象採得と咬合採得を同時に行う.
    複製義歯を用いて義歯を製作する方法は, 旧義歯を改造しながら行えるため, 患者からあるいは口腔からの情報を得やすいとともに, 旧義歯をそのまま使えることから患者の負担も少ない.また, 患者が改造した義歯に慣れているため新義歯装着後に患者の満足も得やすく, 装着後の調整回数も少ない.そのため, 本法は特に高齢患者には有効な義歯製作方法と思われる.
  • 糸山 暁, 林 直樹, 佐藤 健, 金 賢成, 廣瀬 陽介, 廣瀬 伊佐夫
    1996 年 10 巻 3 号 p. 244-249
    発行日: 1996/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    1985年4月から1995年3月までの10年間に本大学病院外来を受診し, 各診療科より当科に術中全身管理を依頼された65歳以上の高齢者患者を対象として臨床統計的検討を行った.
    当科で術中全身管理を行った外来総数は1, 621例であった.そのうち高齢者は236例で, 全体の14.6%を占めていた.性別では, 236例中男性128例 (7.9%), 女性108例 (6.7%) であった.平均年齢は男性71.2±5.29歳, 女性72.8±5.24歳であった.
    全身疾患の合併率は94.9%で, 循環器系疾患が78.4%と最も多く, そのうち高血圧症が50.7%を占めていた.高齢者の特徴である複数の全身疾患合併率は57.1%に認められ, 1人当たりでは1.53の合併数であった.
    術中の全身管理方法は全例血圧計, 心電計, パルスオキシメーターなどモニターの監視下で, 笑気吸入鎮静法43例, 静脈内鎮静法22例, 笑気吸入鎮静法と静脈内鎮静法を併用した症例10例, Stand by症例161例であった.
    術中血圧の異常上昇に対して, Ca++拮抗薬を主とする降圧薬を用いて積極的な循環管理を行った症例が43例あり, 高齢者全体の18.2%を占めていた.
    将来, さらに増加する高齢者の歯科治療への対応には, 歯科医師の高齢者の特殊性の認識および管理スタッフと設備の充実を図り, 積極的な全身管理を行って合併症の増悪や, 二次的合併症発症の予防が必要である.
  • 冨士田 益久, 木原 秀文, 藤本 嘉治, 吉田 裕, 三吉 一子, 米虫 和子
    1996 年 10 巻 3 号 p. 250-257
    発行日: 1996/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    大阪市では在宅寝たきり高齢者の歯科保健対策について調査研究を行うため, 訪問診査を実施している.1993年 (平成5年) 1月から3月まで大阪市内4区 (東部-城東区, 西部-大正区, 南部-東住吉区, 北部-東淀川区) に居住する65歳以上の在宅寝たきり高齢者の歯科保健の実態とニーズを調査し, その概要を把握した.それに基づき, 大阪市東淀川区歯科医師会では1994年 (平成6年) 6月1日より大阪市からポータブル歯科診療器具の貸与を受け, 実際の訪問歯科診療を行っている.今回, 大阪市4区の訪問診査の結果を報告すると共に, 現在実施している大阪市東淀川区の在宅寝たきり高齢者訪問歯科診療について報告する.
    訪問診査の調査対象者は, 大阪市環境保健協会訪問指導員による訪問指導を受けている者のうち厚生省寝たきり度判定基準B, Cランクに属し, 65歳以上で, 上記4区に居住し, 訪問診査を希望する者で, 総計52名に実施した.そのうち歯科診療を希望する者が26名 (50.0%) あり, 診査に当たった歯科医師は, 29名 (55.8%) に歯科診療の必要性を認めた.また, 1994年6月1日から1995年3月31日までの間に大阪市東淀川区で実施した訪問歯科診療の件数は, 8名で, 延べ訪問回数は55回であった.
    これらの結果から, 在宅寝たきり高齢者の口腔内の状態の改善と向上を図り, 歯科保健指導ならびに訪問歯科診療の推進が必要であり, それらを整備し, 充実することは, 在宅寝たきり高齢者の口腔保健と福祉の向上に有意義であることが示唆された.
  • 1996 年 10 巻 3 号 p. 258-264
    発行日: 1996/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 10 巻 3 号 p. 265-272
    発行日: 1996/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 10 巻 3 号 p. 273-292
    発行日: 1996/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 10 巻 3 号 p. 293-308
    発行日: 1996/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 10 巻 3 号 p. 309-319
    発行日: 1996/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 10 巻 3 号 p. 320-331
    発行日: 1996/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 10 巻 3 号 p. 332-333
    発行日: 1996/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
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