老年歯科医学
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16 巻, 2 号
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  • 野首 孝祠
    2001 年 16 巻 2 号 p. 145
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 森戸 光彦, 山本 健
    2001 年 16 巻 2 号 p. 147-151
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
  • 飯田 良平, 菅 武雄, 森戸 光彦
    2001 年 16 巻 2 号 p. 152-155
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
  • 有歯顎者および総義歯装着者について
    砂治 國隆
    2001 年 16 巻 2 号 p. 156-164
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    パーソナルコンピュータに汎用インターフェースを介して小型2軸加速度センサーを接続する方法により, 特別な装置を必要とせずに, 比較的簡単に安価な咀嚼運動観察装置を作ることに成功した。本装置は, センサー部を下顎正中オトガイ部に装着するだけで計測でき, X-Y2軸データが同時に得られるので, 咀嚼運動を2次元加速度の変化として記録保存できる。
    本装置を用いて, 天然歯列者と総義歯装着者2名ずつに対し, チューインガム咀嚼時の運動を約10秒間記録し, 咀嚼運動軌跡の2次元的原波形の観察, FFTによる周波数成分分析, およびカオス解析を試み, 本システムの臨床応用の可能性について検討することを目的とした。
    その結果, 加速度運動時系列グラフでは, 天然歯列者の振幅は小さな, 義歯装着者では大きな振幅であった。また, FFTによる周波数解析で比較すると, 義歯装着者は規則性のある周波数成分の運動であり, 単調なリズムの波形であった。天然歯列者では規則性を持たない周波数成分で, 特定の傾向を示さなかった。
    カオス解析においても, 義歯装着者の方が不安定で複雑性が少なかった。特に上下総義歯装着者では顎を大きく動かしているものの複雑性の観点から見ると最も単調な動きをしていた。逆に天然歯列者は咬合後, 水平方向に歯を微妙にすり合わせている動きで, 自由な複雑性のある咀嚼運動をしていた。
    以上のように, 本装置は比較的簡便な装置にもかかわらず, 臨床の現場で咀嚼運動を観察するのに有用であることが示された。
  • 第4報たんぽぽ歯科診療所における印象採得が呼吸・循環動態に及ぼす影響
    岡 俊一, 高田 耕司, 見崎 徹, 森谷 良孝, 森谷 良彦, 島田 雅章, 根岸 哲夫, 山崎 一男, 塚本 亨, 白橋 知幸
    2001 年 16 巻 2 号 p. 165-170
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    我々は寝たきり老人を対象に, 印象採得が呼吸機能および循環動態に及ぼす影響について, 2種類の印象材を用いて調べた。
    全顎印象採得を必要とする患者20例を, 印象材の種類により無作為にI群: アルジネート印象材使用群, II群: シリコーンラバー印象材使用群の2群に分けた。
    測定項目は, 終末呼気炭酸ガス濃度 (ETCO2), 呼吸数 (RR), 経皮的動脈血酸素飽和度 (SpO2), 心拍数 (HR) および血圧 (BP) とした。測定は, 安静時, 上顎印象時, 下顎印象時, 印象採得後に行った。
    その結果, ETCO2はII群で, 安静時35.4±3.7mmHgに比べ上顎印象時41.9±2.1mmHgと有意に上昇した。さらに上顎印象時にII群はI群に比べて有意に高かった。RRはII群で, 安静時21.8±1.7回/分に比べ上顎印象時16.7±3.2回/分と有意に減少した。SpO2はII群で, 安静時99.0±0.9%, 上顎印象時95.6±2.0%, 下顎印象時97.0±1.3%と安静時に比べ上下顎印象時に有意に減少した。HRおよびBPは両群とも有意な変化はなかった。
    本研究より, 寝たきり老人に印象採得を行う場合, 特に上顎印象時には印象時間を短くし, また呼吸状態を含めた全身状態のモニタリングを行う必要があると思われた。
  • 角 保徳, 永長 周一郎, 道脇 幸博, 砂川 光宏, 三浦 宏子
    2001 年 16 巻 2 号 p. 171-178
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    目的: 最近, 口腔の状態と種々の全身疾患との関連についての関心が高まりつつある。本研究では, 要介護高齢者の義歯および咽頭表面の肺炎起炎菌, 日和見感染原因菌, 細菌性心内膜炎の起炎菌の有無を検討することを目的とする。また, 義歯から同定された微生物と咽頭粘膜上にて同定された微生物との関連性の有無について検討する。
    方法: 要介護高齢者20名の義歯と咽頭の微生物叢を培養法によって評価した。
    結果: 要介護高齢者の義歯および咽頭に誤嚥性肺炎, 日和見感染, さらに心内膜炎の起炎菌が多種認められた。さらに, 義歯と咽頭の微生物叢の比較を行ったところ, 検出微生物種の一致率は, 70.6%と高値を示した。
    考察: 本研究の結果, 要介護高齢者の義歯および咽頭に誤嚥性肺炎, 日和見感染, 心内膜炎の起炎菌が存在することが明らかとなった。義歯が咽頭に対するいわゆる “菌のリザーバー (reservoir)” となりうる危険性が存在することを示唆している。
  • 牧浦 哲司, 池田 和博, 平井 敏博, 寺澤 秀朗, 石島 勉
    2001 年 16 巻 2 号 p. 179-185
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    近年, 咬合・咀嚼機能と全身の機能との密接な関連が報告されている。特に, 歯の喪失が中枢神経系へ及ぼす影響が注目されている。本研究は, 咬合支持の喪失とそれに伴う粉末飼料飼育への変更がラットの学習・記憶機能に及ぼす影響について検討した。
    実験には, Wistar系雄性ラットを用い, 固形飼料にて飼育した固形飼料群, 25週齢時点で飼料を粉末に変更した粉末飼料群, 25週齢時点で臼歯歯冠部を切除し粉末飼料で飼育した臼歯切除群の3群を設定した。実験動物が40週齢になった時点で, 行動学的解析, 生化学的解析, 免疫組織学的解析を行った。
    得られた結果は以下の通りである。
    1. 受動的回避反応実験の反応潜時は, 固形飼料群に比して臼歯切除群において有意な短縮が認められた (p<0.05) 。
    2. 大脳皮質のドーパミン濃度は, 固形飼料群および粉末飼料群に比して臼歯切除群において有意な低下が認められた (p<0.05) 。
    3. 中脳腹側被蓋野におけるドーパミン作動性ニューロン数は, 固形飼料群に比して臼歯切除群および粉末飼料群において有意な減少が認められた (p<0.05) 。
    以上の結果から, ラットにおける咬合支持の喪失とそれに伴う粉末飼料飼育は, 中脳腹側被蓋野におけるドーパミン作動性ニューロン数の減少, さらには大脳皮質へのドーパミン性入力の低下を引き起こすことによって, 記憶・学習行動に影響を及ぼす可能性が示唆された。
  • 未来院となった患者の調査から
    丸山 淑子, 長谷川 洋人, 杉山 哲也, 石崎 憲, 三澤 壮太郎, 小林 健一郎, 櫻井 薫
    2001 年 16 巻 2 号 p. 186-195
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    総義歯装着後の患者への適切な対応を検討するために, 東京歯科大学千葉病院補綴科で1990年から1997年に総義歯を製作し, 2年以上未来院となっている患者の実態調査を行った。上下顎無歯顎患者136名 (男性56名, 女性80名, 年齢50~92歳, 平均75歳) に対し, 電話による来院およびアンケート調査の依頼を行い, 来院した患者には, 口腔内と義歯の診査を行った。
    連絡がついた患者は136名中76名 (55.8%) で, アンケートに答えたのは60名 (回収率78.9%), 来院したのは15名 (11.0%) であった。
    アンケート有効回答者57名中, 現在も当科製作義歯を使用していたのは49名 (85.9%) で, うち6名が義歯安定剤を使用していた。定期診査の必要性を感じていたのは, 義歯安定剤不使用者では43名中22名 (51.2%) いたのに対し, 義歯安定剤使用者では1人もいなかった。
    来院した15名による義歯に対する評価と術者による評価の関連性を調べた結果, 上顎義歯の維持の評価以外は関連がなく, 患者の主観的評価は的確ではないことがわかった。
    本調査から患者は義歯に対する不的確な評価と, 身体的理由や通院環境などの要因から未来院となっていることがわかった。総義歯装着後の患者への対応として, 患者教育および病診連携や在宅診療の重要性が示唆された。
  • 行動学的検討
    穂積 英治, 加藤 大輔, 村上 弘, 横山 隆, 伊藤 裕, 前田 初彦, 亀山 洋一郎
    2001 年 16 巻 2 号 p. 196-203
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    目的: 近年, 歯の喪失が, 学習・記憶能力の低下を引き起こす一つの原因であることが明らかになってきた。一方で学習・記憶能力の低下は加齢とともに自然発症する。しかし, これまで, 歯の喪失が学習・記憶能力に及ぼす影響を, 個体の加齢に伴う全身的変化とともに検討した研究はみられない。そこで我々は, 老化促進モデルマウス (以下SAMと略す) を用い, 歯の喪失期間の違いと個体の加齢が, 学習・記憶能力に及ぼす影響を検討した。
    方法: 実験には, 2ヵ月齢のSAMP8//Ymiのオス60匹を用いた。それらを, 対照として, それぞれ3ヵ月齢 (若齢期), 5ヵ月齢 (中年期), 8ヵ月齢 (老齢期) まで飼育したマウスをA群, B群, C群とした。これに対し, 上顎臼歯をすべて喪失させ, それぞれ3ヵ月齢, 5ヵ月齢, 8ヵ月齢まで飼育したマウスをa群, b群, c群とした。臼歯喪失方法は, 全身麻酔下で, 上顎両側臼歯すべてを抜歯した。学習・記憶能力については, 飼育期間終了後, 受動的回避実験により評価した。また老化度には, Grading Score System (老化度判定基準) を用いた。
    結果および考察: 臼歯喪失を伴うSAMP8//Ymiでは, 臼歯喪失を伴わないものより早期に学習・記憶能力の低下を起こし, また, 老化が促進する現象も認められた。以上から, 臼歯喪失により, 個体の加齢現象が早まり, 同時に学習・記憶能力の低下も早期に出現したと推察された。
  • 那須 郁夫, 斎藤 安彦
    2001 年 16 巻 2 号 p. 204-212
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    高齢者のみならず, 私たちの咀嚼能力は現在歯の数やその機能に依存しており, 自分の歯の数が多いほど咀嚼能力が高い。しかし, 一方で多くの高齢者は, 義歯などの補綴物による人工の歯の力を借りることにより, 喪失した咀嚼機能を維持回復して日々の生活を営んでいるという実情もある。本研究は, 機能歯三角マップを応用して, 現在歯数ばかりでなく補綴歯数も考慮に入れた機能歯数と咀嚼能力との関係を検討することを目的とした。
    資料は, 日本大学総合学術情報センターの縦断研究プロジェクトによる全国訪問聞き取り調査の結果を用いた。今回分析に供したサンプル数は4, 049名であり, 性, 咀嚼能力別に機能歯三角マップ上に個人を布置しその分布を調べた。
    その結果, 咀嚼能力の高い咀嚼能力5の群では, 現在歯数20本以上が, 男性で41.2%, 女性で33.2%であった。これとは別に総義歯を含めた機能歯数25本以上の高齢者は, 男性で53.3%, 女性で62.2%と高い割合を示しており, 総義歯装着などの補綴処置が咀嚼能力回復に確実に貢献していることを実証的に示した。
    咀嚼能力が低下するにつれ, 現在歯数の多い者の割合は減少していた。特に十分な咀嚼能力が得られない咀嚼能力1は, 人数にして1割未満であるが, 義歯装着などにより歯の本数はほぼ回復されていたものの, 十分な機能回復はなされていなかった。女性の方が男性に比べ相対的に咀噛能力の低い者の割合が高かったので咀嚼筋力の関連もあろうが, 現在使用中の義歯の質が向上すれば, さらに多くの高齢者の咀嚼能力回復が期待できよう。
  • 本田 公亮, 高橋 由美子, 清水 明彦
    2001 年 16 巻 2 号 p. 213-219
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    高齢者の歯科疾患の中で高い罹患率を示す根面翻蝕に対し, 最近注目されているエアーアブレージョン法を適用し, その有用性について検討した。兵庫医科大学病院歯科口腔外科に来院した隣接面歯頸部に中等度の根面翻蝕を有する60歳以上の健康な高齢者15名 (18歯) を対象とした。エアーアブレージョンの装置として, 歯面の色素沈着などを研削除去するための歯面清掃器を独自に改良し, 安全性を十分に確かめた上で本研究に用いた。研削材として重炭酸ナトリウム粉を用い, これを水と一緒に加圧して歯離虫病巣部に噴射した。その結果, 直径が2~3mm程度の翻窩では約30秒間の噴射で, 罹患象牙質 (翻蝕感染象牙質層) のみを選択的に除去することが可能であった。また流線形をした噴射ノズルは, 隣接面歯頸部に直接アプローチしやすく, そのため健全歯質を損ねることがなかった。しかし閉鎖型の翻窩ではアンダーカット内に残留する軟化象牙質の研削除去が困難で, 他の方法によってわずかに齲窩を開拡する必要があった。研削時にはいずれの症例においても疹痛がみられず, 局所麻酔は必要としなかった。また噴射される粉や水が大気中に飛散し, 患者に与える影響が懸念されたが, ラバーダムの装着と術野近傍の適当な位置に口腔外バキュームを設置することで十分に対処できた。したがって高齢者の根面齲蝕に対する本法の有用性は高く, 殊に開放型の齲窩に適していると思われた。
  • 羽田 勝, 蟹谷 容子, 市川 哲雄, 佐藤 修斎
    2001 年 16 巻 2 号 p. 220-227
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    介護認定審査会における要介護認定では, 訪問調査員による認定調査表の「基本調査」と「特記事項」, かかりつけ医による「主治医意見書」を参考に, 要介護度が判定される。
    しかし, 基本調査と特記事項の全85項目中, 歯科関連調査項目は, 「嚥下」, 「食事摂取」と「口腔清潔」のわずか3項目に過ぎず, また主治医意見書においても, 「歯科」受診の有無, 「嚥下性肺炎」の発生の可能性, 「訪問歯科診療」や「訪問歯科衛生指導」の必要性の有無, 「嚥下」や「摂食」についての介護サービス上の留意事項などに限られている。
    そこで, 介護認定審査にかかる統計資料 (507件, 平均年齢80.4±7.5歳) について歯科関連項目の調査状況を検討し, 以下のような結論を得た。
    1. 基本調査について: 要介護高齢者のおおよそ40%強は, 嚥下, 食事摂取, 口腔清潔において日常生活上何らかの介助を必要としていた。
    2. 特記事項について: 口腔清潔に何らかの問題があった事例に対する特記事項の記載率は, 40%弱と嚥下や食事摂取 (70~80%) に対してよりも低かった。
    3. 主治医意見書について: 訪問歯科診療や訪問歯科衛生指導に対する必要性の認識は極めて低く, 嚥下性肺炎や摂食・嚥下障害の可能性に対して歯科系介護サービスの必要性を認めた主治医はわずか3~5%に過ぎなかった。
    このような認定調査表や主治医意見書における歯科関連項目の調査, 記載状況を改善するには, 訪問調査員や医療関係者に対する歯科的知識の啓蒙や広報活動, 口腔アセスメント表の提案や特記事項の記載方法の指導など多方面にわたる努力が必要とされよう。
  • 第2報生活状況と歯, 歯肉の状況・口腔内の状況, その関連性について
    小向井 英記, 桐田 忠昭, 露木 基勝, 杉村 正仁
    2001 年 16 巻 2 号 p. 228-235
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    第1報では, 将来, 我が国が直面する超高齢化社会のモデルとして, 超高齢化地域である島根県隠岐郡五箇村における要介護者の生活状況と口腔内状況について, 身体障害老人と痴呆性老人に分けて分析し, その結果について検討を行った。そして, 結論として, 口腔機能障害, 口腔疾患, 義歯の状況についての問題点が明確になり, その対策も検討した。
    本報告では, さらに, 歯, 歯肉の状況, 口腔内の状況と, それらの生活状況との関連性について分析し, その結果について考察を加えた。そして, 要介護者の口腔内状況における問題点を明確にし, その対策を検討した。また, 生活状況との関連性が見出されるものもあった。
  • 第2報高齢入院患者について
    新井 康司, 角 保徳, 三浦 宏子, 道脇 幸博
    2001 年 16 巻 2 号 p. 236-241
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    高齢社会を迎えた現在, 高齢者の口腔状態と歯科医療や口腔ケアのニーズを把握することは重要である。本研究では, 高齢社会における入院患者に対する歯科医療の役割を認識する具体的な資料を提供することを目的に, 高齢入院患者の歯科初診時に口腔内調査を行った。
    対象は, 国立療養所中部病院の高齢者専門病棟である包括医療病棟に入院した患者のうち, 歯科初診を受診した高齢患者85名 (60~99歳, 平均80.0±7.5歳) である。対象患者の年齢, 主訴, 基礎疾患, 移動能力, 日常生活自立度, 食事の性状, 歯科保健行動等を, 口腔内診査, アンケート, 問診等で評価した。その結果, 以下のことが判明した。
    1. 主訴は, 義歯不適合が一番多く43%であった。必要とされた処置内容は義歯製作が37%であった。
    2. 移動能力は, 介助を必要とする者が81%認められた。移動手段に補助器具が必要な者は75%であった。
    3. 食事に介助を必要とする者は27%であった。摂食が容易になるよう調理された食事を摂取していた者は56%であった。
    4. 歯科保健行動は, 歯磨きに介助を要する者が全体の54%であった。義歯を持ちながら患者自身で清掃できない者が59%あり, 痴呆の進行に伴い増加傾向を示した。
    以上より, 疾病により入院した高齢者は, 口腔の維持管理に問題のある者が多く, このような患者の口腔環境維持には, 適切なマンパワー配備と口腔ケアシステムの導入が急務と思われた。
  • 介護職員の口腔ケアに対する認識について
    中村 康典, 三村 保, 野添 悦郎, 平原 成浩, 宮脇 昭彦, 西原 一秀, 守山 泰司, 角 保徳
    2001 年 16 巻 2 号 p. 242-246
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    鹿児島県下の特別養護老人ホーム59施設に従事する職員の口腔ケアに対する意識に関してアンケート調査を行い, 45施設, 1, 211人より回答を得た。回答者は男性183人, 女性1, 028人, 平均年齢41.8歳だった。
    口腔ケアを行ったことがあると回答した職員は1, 028人 (84.9%) で, 看護婦, 寮母はそのほとんどが行っていた。95.8%の職員が口腔衛生に関心を示し, 99.7%の職員が口腔ケアの重要性を認識し, さらに77.7%の職員が口腔ケアと誤嚥性肺炎等の全身疾患との関連についても認識していた。その一方, 多くの職員が今の口腔ケアでは不十分と感じていた。42.9%の職員が口腔ケアの指導を受けてたことがあると回答していたが, 94.8%の職員が口腔ケアの指導を受けたいと回答していた。介護現場職員の口腔ケアに対する認識は高いものの, 十分な教育指導がされておらず, その充実が今後の課題であると思われた。
    口腔ケアの実施に関しては43.6%の職員が負担に感じており, ほとんどの職員が簡単に口腔ケアができる器具やより有効な方法の開発を望んでいた。また, 一定の基準に基づき系統だった方法による標準化された口腔ケアを行ったことがある職員は3割にも達していなかった。要介護高齢者への口腔ケアの普及と向上を進めていくうえで, 職員の口腔ケア実施に対する労力, 負担を軽減する支援機器を開発し安全確実で標準化された口腔ケアの方法を確率し提示していくことが必要であると考えられた。
  • 佐藤 信義
    2001 年 16 巻 2 号 p. 247-251
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    要介護高齢者の生活状況別に口腔状態の特徴を検討するため, 特別養護老人ホーム入居者82名を対象に生活状況と口腔内の調査を実施した。生活状況としては介護期間, 痴呆, 移動能力及び食事形態について調査した。
    介護期間を検討すると, 11年以上群で健全歯数が少なく未処置歯数が多かった。
    痴呆群は, 喪失歯数に占める要補綴歯数が多かった。
    移動能力については, 歩行群で健全歯数および処置歯数が多く, ベッド群で健全歯数, 処置歯数および補綴歯数が少なかった。
    食事形態は, 普通食群, きざみ食群, 極小食群となるほど段階的に健全歯数, う歯数, 天然歯数および機能歯数が減少し, 喪失歯数が増加していた。
    天然歯数と機能歯数について移動能力群別に食事形態群を対応させて検討したところ, 普通食群からきざみ食群, 極小食群になるのに応じて, 天然歯数および機能歯数が減少していた。
    食事形態群別に移動能力群を対応させたところ, 普通食群ときざみ食群では普通食歩行群で天然歯数が最大であるのを除いて, 歩行群, 車椅子移乗群, 車椅子介助群へと移動能力が低下するにつれて天然歯数と機能歯数が増加していた。極小群では車椅子介助群で天然歯数が少なく, 機能歯数は各群ともほぼ同数であった。
  • 大薮 秀昭, 藤田 智代
    2001 年 16 巻 2 号 p. 252-256
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    65歳以上の人口が27%と高齢化率の高い町に明治鍼灸大学附属病院は位置している。当科における初診患者の平均年齢も55歳であり, 60, 70歳代が約半数を占めている。そこで平成11年8月から1年間に受診した外来初診患者1, 177人のうち65歳以上の高齢者544人に対し, 口腔状態および口腔と全身疾患との関係を知る目的で, 臨床統計的観察を行い, 次のような結果を得た。
    1. 主訴は咀嚼障害が79%で, 次に歯痛の13%であった。
    2. 処置は義歯に関するものが52%, 次にう蝕治療, 歯周治療, 根管治療の順であった。
    3. 歯科疾患以外の有病率は95%であった。
    4. 歯周病を歯槽骨の吸収度という基準から分類し, 心疾患, 脳血管障害との相関を調べたが, 歯周病の罹患率と心疾患, 脳血管障害の罹患率との間に有意な差はなかった。
    5. 残存歯の部位は, 上下犬歯が多く残存していたのに対し, 下顎大臼歯の喪失率が高かった。
    6. 残存歯数では65歳以上の平均残存歯数が9.9本, 80歳の残存歯数が5.6本であった。
    7. 全身疾患と歯数との関係では, 心疾患を有する者の平均残存歯数が8.74本, 脳血管障害を有する者が8.04本, 糖尿病を有する者が10.09本, その他の者が10.52本であり, p<0.05において, 心疾患・脳血管障害を有する者の残存歯数は, その他の者に比べ有意に少なかった。
  • 第1報歯ブラシ先端部の開発
    角 保徳, 西田 功, 中島 一樹
    2001 年 16 巻 2 号 p. 257-260
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
  • 義歯洗浄剤
    下山 和弘, 秋本 和宏
    2001 年 16 巻 2 号 p. 261-264
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
  • 茶山 裕子
    2001 年 16 巻 2 号 p. 265-270
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
  • 山根 瞳
    2001 年 16 巻 2 号 p. 271-276
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
  • 渡邊 裕
    2001 年 16 巻 2 号 p. 277-282
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
  • 荒木 久美子
    2001 年 16 巻 2 号 p. 283-288
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 在宅からさらに施設, 病院へ
    阿川 真澄
    2001 年 16 巻 2 号 p. 289-293
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 章
    2001 年 16 巻 2 号 p. 294
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 野首 孝祠, 小野 高裕
    2001 年 16 巻 2 号 p. 295-296
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2011/12/05
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