老年歯科医学
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17 巻, 2 号
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  • 濱田 泰三
    2002 年 17 巻 2 号 p. 105
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 金子 昌平, 梁 洪淵
    2002 年 17 巻 2 号 p. 107-119
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    日和見感染症の原因微生物の一つであるcandidaの検出率は要介護高齢者の口腔で高く, その菌数も多くなることが知られている。一方, 要介護高齢者の口腔ケアには介護者の介助が必要とされるが, 介護者の口腔ケアに対する認識は必ずしも高くない。本研究では, 舌ブラシによる口腔ケアを指導することにより, 口腔ケアに対する認識を高め, しかもCandida菌数を減少させることができるかどうかとCandida菌数の減少が口腔内あるいは要介護者の生活行動に与える影響にあわせて検討した。要介護高齢者33名, 歯科外来に通院する高齢者 (外来群) 34名の計67名を被検者として舌ブラシによる清掃指導を行い, 指導前, 指導後44日 (指導後1), 99日 (指導後2) に舌背部のCandida菌数を調べた。口腔内診査は指導前と指導後2に, アンケート調査は指導後2に行った。Candidaの平均菌数は要介護者の方が外来群よりも指導前, 指導後1・2のいずれの場合でも多く, 両群間で統計学的に有意な差があった。また, 要介護者ではCandida菌数の減少により, 口腔内清掃状態が良好になり, 味覚改善と健康の自覚が得られ, 唾液の増加, 食事内容の変化があり, 発音改善も得られた。今回の結果から, 舌ブラシの使用は効果的にCandida菌数を減少させ, 口腔衛生管理に有効であることが示唆された。また, Candida菌数の減少は要介護高齢者の生活行動の変化をもたらすことが示された。
  • 高橋 保樹, 平野 滋三, 石川 恭敬, 早川 巖, 関 哲哉
    2002 年 17 巻 2 号 p. 120-126
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    近年, チューインガムを咬むことによる顎口腔系への効果が明らかにされ, 老化防止の可能性も示されている。そこで本研究では, 義歯に付着しにくくかつ義歯装着者が容易に咬むことができるチューインガムを開発するために, まず粘度を指標とした硬さの異なるガムを試作し, 各ガムの針入応力および補綴材料に対する付着力を測定した。次いで, 試作したガムを全部床義歯装着者に咬ませ, ガムの義歯に対する噛みごこちと付着性について, 質問紙を用いて調査し, その評価をスコア化した。得られたスコアがガムの硬さ, 義歯装着者の性別, 年齢, 義歯使用期間および咬合力によって受ける影響を検討したところ, 以下の結論が得られた。
    1. 針入応力
    ガムの硬さによって有意に影響を受け, 柔らかいガムにおいて有意に小さい値となった。
    2. 補綴材料に対する付着力
    ガムの因子, 補綴材料の因子ともに有意性が認められ, 柔らかいガムが付着しやすく, かついずれのガムもレジン系の材料に付着しやすいとの評価が得られた。
    3. 噛みごこちのスコア
    ガムの硬さによって影響を受けなかった。咬合力との間についてのみ有意な弱い正の相関が認められ, 咬合力が低い被験者において, 柔らかいガムの方が咬みやすいとの評価が得られた。
    4. 付着性のスコア
    ガムの硬さが有意に影響し, 柔らかいガムが義歯に付着しやすいとの評価が得られた。また義歯使用期間との間で有意な弱い負の相関が認められた。
  • 内田 達郎, 大木 洋輔, 早川 巖
    2002 年 17 巻 2 号 p. 127-134
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    下顎無歯顎顎堤の形態は全部床義歯による口腔機能の回復に重大な影響を与える。無歯顎顎堤形態の評価はその高さや可動粘膜の付着部位などから評価されている。
    本研究の目的は全部床義歯を製作する模型の体積と面積を計測することにより, 下顎全部床義歯支持域の評価方法を検討することである。
    10人の無歯顎患者について咬合採得が終了した後, 下顎全部床義歯支持域の計測を行った。計測項目は義歯床内面体積 (V), 義歯床内面表面積 (S), 義歯支持基盤面積 (B), 咬合平面に対する義歯床内面投影面積 (P) とした。顎堤の形態と可動組織の付着部位から義歯支持域の臨床的評価を行い支持域スコアとした。計測結果と支持域スコアの単相関係数を計算した。また計測結果を独立変数に, 支持域スコアを従属変数にした重回帰分析を行った。
    この結果以下の結論を得た。
    1. 本研究の計測値は過去に報告された結果と同様であった。
    2. V, S, V/B, V/Pは支持域スコアと有意な正の相関を示した。
    3. V/P, S/P, B/Pを独立変数にし支持域スコアを従属変数にした重回帰係数は0.98 (p<0.0001) であり, これらの変数を用いて義歯支持域の評価を行うことが可能であることが示唆された。
  • 守澤 正幸, 早川 巖
    2002 年 17 巻 2 号 p. 135-142
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    義歯安定剤を使用している全部床義歯装着者の特徴を調べ, 適切な対応方法を検討するため, 東京医科歯科大学歯学部附属病院での臨床実習で上下顎全部床義歯を製作した160名 (男性66名, 女性94名, 平均年齢73歳) を対象に, 口腔内および新旧義歯の診査とアンケート調査を行い, 以下の結果を得た。
    1. 旧義歯に義歯安定剤を使用していた患者は, 160名中44名 (男性23名, 女性21名, 平均年齢74歳) であった。
    2. 義歯安定剤使用者群は義歯安定剤不使用者群に比べ上顎顎堤の高さが低い傾向を示していたが, その他の顎堤状態と義歯安定剤の使用の有無との間には関連は認められなかった。
    3. 義歯安定剤の使用の有無と旧義歯の床縁の長さ, 適合, 安定および維持との間には関連が認められなかった。
    4. 義歯安定剤使用者群は義歯安定剤不使用者群に比べ旧義歯に対する満足度が有意に低かった。
    5. 義歯安定剤使用者群は, 義歯安定剤不使用者群に比べ新義歯装着後の調整回数が有意に多かった。しかし, 新義歯は旧義歯に比べて有意に満足度が高く, 咀嚼能力も有意に大きかった。
    従って, 義歯安定剤使用者において適切な治療を受ければ, 良好な新義歯の製作が可能であることが示唆された。
  • 片倉 伸郎, 山本 あかね, 小宮山 ひろみ, 藤島 一郎, 植松 宏
    2002 年 17 巻 2 号 p. 143-155
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    脳血管障害は高齢者にとって頻度の高い疾患で, 今後さらに増加することが考えられる。本研究では, 脳血管障害の既往のあるものの医学的・歯科学的特徴を明らかにするために, リハビリテーション科外来を訪れた282名に全身状態と日常生活自立度, 口腔内所見, 口腔衛生管理に関して調査を行い検討した。
    対象者は平均66.1±11.4歳で, 65歳以上の高齢者は155名であった。脳梗塞が159名, 脳出血が116名, くも膜下出血が19名で, 経過症状として片麻痺が最も多く220名に認められた。日常生活自立度ではランクJ, Aが全体で82.6%を占め, 機能的自立度では, 移乗や歩行に修正自立の割合が多かった。いずれの要素も高齢者で自立度の低下が認められた。現在歯数は平均7.7歯で, 高齢者群では4.5歯に減少した。喪失歯数は平均11.6歯, 高齢者群では15.5歯で, 喪失歯数の増加とともに義歯補綴を要する対象者が高齢者で増加している。治療や指導の必要があると判断された者は全体で72.6%, 高齢者で70.3%であるが, 治療を希望するものは全体で31.9%, 高齢者群では29.7%であり, 多くのものが, 治療の必要性がありながら治療を希望していなかった。今回対象となった患者は通院可能であるが, 歯科治療に対する動機付けが不十分で, 移乗や歩行に何らかの問題を抱えるものが多く, 歯科医療機関へのアクセスに関して十分な配慮が必要と考えられた。
  • オゾンバブル法によるCandida albicansの殺菌効果について
    水口 三保, 村上 弘, 服部 正巳, 鬼頭 喬, 伊藤 裕, 河合 達志, 浅井 昭博, 野口 俊英
    2002 年 17 巻 2 号 p. 156-161
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    Candidaは義歯装着者に多く認められ, 義歯性口内炎や根面う蝕などの口腔内疾患のみならず, 高齢者の嚥下性肺炎など, 全身疾患との関連が報告されている。したがって, 義歯を可及的に清潔に保つことが重要である。現在は, 義歯洗浄剤を使用する化学的洗浄法が広く普及しているが, 義歯洗浄剤の誤用, 誤飲などの報告もあり, より安全で効果的な洗浄法が望まれる。一方, オゾンは強い殺菌力, 脱臭力を持つ気体で, 耐性菌を作らず, 作用後も有害な化学物質を残さない。また, 水中に溶存させるか, あるいは水中に微細な気泡 (オゾンバブル法) として供給すると, 低濃度で, 高い効果が得られる特徴も合わせもっており, 義歯の洗浄・殺菌に適していると考えられる。
    そこで, 今回はCandida albicansを対象として, オゾンバブル法の殺菌効果について検討した。
    基準株, 臨床分離株など3種類の
    C. albicansに対して, オゾン濃度を3段階に変化させ, その生存率を調べた。
    その結果, 基準株と臨床分離株ともにほぼ同様の殺菌効果を示し, 99%不活化時間は, オゾン濃度23ppmでは約30分, 41ppmでは約20分, 49ppmでは約15分であった。本研究により, オゾンバブル法は
    C. albicansの殺菌に有効と思われた。
  • 角 保徳, 新井 康司, 譽田 英喜, 中島 一樹
    2002 年 17 巻 2 号 p. 162-167
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    痴呆性高齢者は, 口腔衛生状態が悪く口腔の慢性感染症が頻繁にみられ, その口腔衛生に対する認識や能力には限界があり, 口腔ケアの施行には困難が伴うことが多い。介護者による口腔ケアに非協力的な痴呆性高齢者の口腔ケアに口腔ケア支援機器を1日1回臨床応用したところ, 口腔ケア開始後短期間で歯周炎が改善し, 同時に歯垢指数および歯肉炎指数が低下し, その有効性が確認された。介護者による口腔ケアに非協力的で自分で含嗽が不可能な痴呆性高齢者には, 短時間で口腔清掃効果が期待される口腔ケア支援機器の応用は, 極めて有用であると考えられた。
  • 戸原 玄, 伊藤 淳二, 水口 俊介, 植松 宏
    2002 年 17 巻 2 号 p. 168-176
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    高齢化の進展しつつある日本では, 歯科を受診する高齢者数は増加し続けると予想される。またそれと同時に, 高齢化は, 要介護高齢者数の増加をも意味する。従って今後, 歯科医療従事者は, 要介護高齢者の抱える諸問題を理解し, おかれた状況を正しく把握することが必要となる。しかし現在の学生の世代は, 核家族化により高齢者とのかかわりが乏しく, 高齢者に対する理解は知識の範疇を越えないものが多い。そこで我々は, 一般的に連想される高齢者というイメージから脱却し, 歯科医療従事者としての要介護高齢者に対する理解を深めること, および介護・介助に対する理解を深めること, そして現存する問題点の把握を目的として, 歯学部5年生の学生実習に介護体験実習を組み込んだ。老人保健施設での見学, 食事および移乗の実習後にアンケートを行い, 歯学部学生が要介護高齢者の生活および口腔内環境をどのように理解したかを調査し, 体験実習の有用性および問題点について評価した。90%の学生が, やや不十分ながらも要介護者の身体機能・介助法に理解が深まったとし, 83%の学生が今回の実習に意味があったとしていた。また, 学生は要介護高齢者に潜在する様々な問題点を認識し, また介護・介助・リハビリテーションに対する理解を深めることができたと考えられた。今後とも更に効果的な実習方法を再考し, 継続していきたいと考える。
  • 奥 寿良, 木田 保男, 定森 義典, 藤原 秀樹, 久保 隆夫, 加茂野 太郎, 村中 智, 前田 光宣, 谷 哲
    2002 年 17 巻 2 号 p. 177-178
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 着脱方法
    下山 和弘, 高野 紗恵子
    2002 年 17 巻 2 号 p. 179-183
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 山根 瞳
    2002 年 17 巻 2 号 p. 184-189
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
  • 窪寺 敏恵
    2002 年 17 巻 2 号 p. 190-193
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
  • 渡辺 三恵子
    2002 年 17 巻 2 号 p. 194-198
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 章
    2002 年 17 巻 2 号 p. 199
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 17 巻 2 号 p. 200-208
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 17 巻 2 号 p. 209-218
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 17 巻 2 号 p. 219-230
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 17 巻 2 号 p. 231-240
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 17 巻 2 号 p. 241-251
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 17 巻 2 号 p. 252-256
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
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