日本消化器がん検診学会雑誌
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44 巻 , 4 号
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  • 齋藤 貴生, 徳永 章二, 北川 晋二
    2006 年 44 巻 4 号 p. 355-364
    発行日: 2006/07/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    福岡県内市町村が胃がん集検を委託している検診実施機関の事業評価を行ない, その精度格差を検討した。2004年度に, 県内96全市町村が胃集検を委託した検診機関数は16, うち福岡地区胃読影研究会資料によって精度評価が可能であった機関数は7であり, この7機関に74市町村が委託していた。検診機関の事業精度を3レベルに区分し, 陽性反応的中度, 精検受診率の両方が平均値以上を精度A, いずれか一方が平均値以上をB, 両方が平均値未満をCとした。平均値は, 上記資料における地域検診実施10機関の平均を用いた。96市町村のうち, 38市町村 (39.6%) が精度Aの2機関に, 36市町村 (37.5%) が精度BまたはCの5機関に委託していた。また, 検診事業精度の高い機関から, 精度が低く検診単価の安い機関への委託変更が, 最近10年間に増加していた。検診機関の事業精度向上への措置が必要と考えられる。
  • 吉川 裕之, 久保 公了, 大條 浩
    2006 年 44 巻 4 号 p. 365-374
    発行日: 2006/07/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    脂肪肝 (FL) は肥満やインスリン抵抗性などの動脈硬化危険因子と関連しているが, 動脈硬化との関連は不明な点が多い。そこで今回は, FLと上腕・足首脈波伝播速度 (baPWV) の関連について検討した。アルコール多飲歴がなく, HBs抗原とHCV抗体が陰性であった計872名を対象とした。男性の 32.6%, 女性の15.2%にFLを認め, FL群のbaPWV (cm/sec) は正常群に比較して高値を示した (男性: FL群; 1449±277, 正常 (N) 群; 1433±274, 女性: FL群; 1468±236, N群; 1353±244)。男女ともFL群は耐糖能異常や肥満, 脂質代謝異常を示す頻度が高く, さらに年齢, 高血圧, 喫煙習慣で補正したlogistic回帰分析から, FLはbaPWV上昇の有意な因子であった (男性; OR1.63, 95%CI1.04-2.56, 女性; OR2.11, 95%CI1-06-4.18)。以上からFLは生活習慣病と密接に関連し, 動脈硬化の進展に関与することが示唆された。
  • 加藤 勝章, 猪股 芳文, 相田 重光, 島田 剛延, 大原 秀一, 下瀬川 徹, 渋谷 大助
    2006 年 44 巻 4 号 p. 375-384
    発行日: 2006/07/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    I.I.-DRの普及により, 胃がん検診のデジタル化は必然の流れとなった。しかし, 検診精度の向上効果については十分な検討がなされていない。そこで, 当施設における人間ドック胃がん検診において,(A) 120%ゾル性バリウムとフィルム増感紙撮影系,(B) 180%高濃度低粘性バリウムとフイルム増感紙撮影系,(C) 200%高濃度低粘性バリウムとI. I. -DR装置を用いた3期に分けて検討した。要精検率はA, B, C期それぞれ2, 7.5, 7.4%であり, 胃がん発見率もそれぞれ0.11, 0.18, 0.16%と高濃度バリウム導入による効果が大きかった。そこで, I. I. -DR装置導入前後の確実診断率を見てみるとB73.7%, C85.7%であり, とくに早期胃がんでの確実診断例が増加していた。I. I. -DRでは質的診断の向上が期待できる。今後, DR時代に即した検診システムの構築が求められる。
  • 志和 忠志, 川並 義也, 横山 知子
    2006 年 44 巻 4 号 p. 385-395
    発行日: 2006/07/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    当センターでは, 平成8年度より職域上部消化管検診を直接X線と内視鏡を受診者が自由に選択する方式とした。平成8年度に12.0%だった内視鏡選択者の比率は平成12年度以降は75%を超えた。胃・食道癌発見率は内視鏡が0.39%と, 直接X線の0.15%より高かった。胃・食道癌1件を発見する費用は, 内視鏡では337万1千円と, 直接X線の517万5千円より安かった。前処置の方法の工夫, 極細径スコープの使用などにより, 安全で被検者に負担の少ない内視鏡検診が可能となった。特に, 経鼻的検査の導入により, さらに安全で被検者に負担の少ない内視鏡検診が可能となり, 経口的検査と経鼻的検査を経験したほぼ全員が, 次回も経鼻的検査を希望し, 90%の受診者が胃X線検査より経鼻的内視鏡検査が楽と回答した。今後経鼻的検査は, 検診内視鏡の主流になると考えられる。
  • 田中 志乃, 八木 順子, 有馬 範行, 渡辺 誠
    2006 年 44 巻 4 号 p. 396-405
    発行日: 2006/07/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    2002年より実施された老人保健法による肝炎ウイルス検査 (以下肝炎検診) の当施設における実態に関して検討した。肝炎検診は人間ドック受診者と比較して, 高齢者, 女性, 家事, 農業従事者に多かった。
    肝炎検診はHCV抗体陽性率3.6%, HCVキャリアー (持続感染者) 率1.8%, HBs抗原陽性率1.4%であった。HCV陽性者のALT値は人間ドックのそれと比較して有意に低値であった。肝炎検診は住民基本健康診査 (以下住民健診) の肝機能検査だけでは発見されにくいHCVキャリアーを拾い上げていたが, 陽性者多発地域がある, あるいは節目検診の受診率35%前後である, などの問題点もみられた。
    2次精査以後の対応も含めた今後の対応が必要と考えられた。
  • 日山 亨, 吉原 正治, 田中 信治, 伊藤 公訓, 茶山 一彰
    2006 年 44 巻 4 号 p. 406-416
    発行日: 2006/07/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    上部消化管内視鏡検診の標準的方法の作成に向けて, 上部消化管内視鏡検診の実態ならびに受診者側の内視鏡検診に対する期待度について, アンケート調査を行った。対象は, 任意に選んだ広島県内の医師71人およびコメディカルスタッフ55人, 非医療従事者50人である。内視鏡検診の目的を, 「内視鏡治療により治癒できる早期胃癌の発見」とした者が, 医師, 非医療従事者, コメディカルスタッフいずれも3人に2人以上と多数を占めた。また, 受診者側が内視鏡検診に一一番に望むことは, 「検査を楽に」ということであった。しかし, 非医療従事者とともにコメディカルスタッフも, 内視鏡の診断能や偶発症などについて十分に理解しているとは言えず, 内視鏡検診に関して更なる教育啓蒙活動が必要と考えられた。今後, 内視鏡検診の実態と受診者側の期待を踏まえ, コンセンサスが得られる内視鏡検診の標準的方法を確立していく必要がある。
  • 2006 年 44 巻 4 号 p. 418-426
    発行日: 2006/07/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
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