日本消化器がん検診学会雑誌
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45 巻 , 4 号
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原著
  • 村上 晴彦, 土亀 直俊, 村田 友佳, 粟津 雄一郎, 前田 将臣, 緒方 一朗, 西 潤子
    2007 年 45 巻 4 号 p. 399-404
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/03/25
    ジャーナル フリー
    最近11年間の間接胃集検について前期および高濃度バリウムを使用した後期に分け検討した。受診者数は延べ604,959人であり, 発見胃癌数は626例(前期298例, 後期328例)であった。要精検率は減少し, 癌発見率はほとんど差がなく, 早期胃癌率は増加した。また, 発見された10mm以下の小胃癌の占める割合は増加した。さらに胃集検フィルムの後期の胃癌の描出率は, 以前に検討した前期との比較で, 早期胃癌・進行胃癌ともに若干上昇した。以上より, 胃集検において高濃度バリウムの有効性は認められた。
    また, 直接胃集検についても最近3年間における検討を行った。受診者数は延べ27,975人で, 発見胃癌数は9例であった。一般に精度が高いと言われる直接胃集検のほうが間接胃集検に比べて, 早期胃癌率は高かったものの, 要精検率は高く癌発見率・描出率ともに低かった。
  • 北村 晋志, 安田 貢, 鳥巣 隆資, 山ノ井 昭, 林 亨, 青木 利佳, 村田 昌彦, 鹿児島 彰, 井上 博之
    2007 年 45 巻 4 号 p. 405-411
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/03/25
    ジャーナル フリー
    胃X線検診要精査例のうち, 当センターの内視鏡検査で鳥肌胃炎と診断された20例を対象に, その内視鏡所見とX線所見を比較検討した。鳥肌胃炎の特徴的X線所見は2~3mm大の類円形透亮像が均一かつ密に分布する像であった。鳥肌胃炎の内視鏡所見を, 前庭部から胃角部に全周性に広く分布するgrade A, 非全周性であるが半周を超えて広がるgrade B, 半周に満たず散在性に限局するgrade Cに分類すると, grade Aの6例中4例, grade Bの4例中2例, grade Cの10例中1例がX線で診断可能であり, grade Aではgrade Cに比較して有意に診断可能例が多かった。X線で診断できた7例では, 二重造影第1斜位, 腹臥位前壁二重造影での示現例が多かった。鳥肌胃炎は未分化型癌の合併が多いと報告されており, 胃X線検診で鳥肌胃炎と診断した場合には特に注意して読影する必要があると考えられた。
  • 林 亨, 鳥巣 隆資, 野村 昌弘, 安田 貢, 北村 晋司, 青木 利佳, 鹿児島 彰, 井上 博之, 山ノ井 昭, 伊東 進
    2007 年 45 巻 4 号 p. 412-420
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/03/25
    ジャーナル フリー
    施設における内視鏡検診の有用性を確認するために, 検診発見胃癌についてX線検診と比較検討した。また内視鏡検診の受容度や偶発症などの問題に対し, 経鼻内視鏡検査の導入を検討した。
    内視鏡検診は, 車検診, 施設間接X線検診および直接X線検診に比較して, 胃癌発見率, 陽性反応的中率, 早期癌率, 内視鏡的粘膜切除率(EMR)/早期癌率が高率だった。血圧と心電図RR間隔に対する周波数スペクトル解析を用いた内視鏡検査中の自律神経活動の変動では, 経鼻内視鏡検査のHF値およびLF/HF比の変動は, 通常径および経口細径内視鏡に比べ軽度だった。前処置の塩酸リドカインとエピネフリンの鼻腔噴霧では持続的な血圧の上昇を認めた。
    経鼻内視鏡検査は, 検査時の苦痛や自律神経活動の変動が軽度であり, 施設検診に適しており, 特に強い嘔吐反射や心肺系の合併症のある受診者に有用と思われる。
  • 大野 康寛, 入口 陽介, 大浦 通久, 中村 尚志, 冨野 泰弘, 小田 丈二, 水谷 勝, 高柳 聡, 岸 大輔, 細井 亜希子, 山田 ...
    2007 年 45 巻 4 号 p. 421-426
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/03/25
    ジャーナル フリー
    大腸がん検診で便潜血検査偽陰性であった進行大腸癌(偽陰性群)の特徴を明らかにするために, 1994年7月から2006年3月までに当センターで経験した便潜血偽陰性進行大腸癌34例について, 臨床病理組織学的検討を行った。ここでは偽陰性群を, 便潜血検査にて陰性と判断された後, 2年以内に進行大腸がんと診断された症例と定義し, それ以外の進行大腸がんを対照群として比較検討を行った。年齢・性別・腫瘍径では有意差は認めなかったが, 女性に多い傾向があった。占拠部位に関しては, 偽陰性群で, 上行結腸と盲腸に多く, 対照群と比較して右側大腸に多かった(p<0.01)。壁深達度・肉眼型・組織型・脈管侵襲(ly・v)・リンパ節転移に関しては, 両群に有意差を認めなかった。したがって, 便潜血偽陰性進行大腸がんは, 女性で上行結腸と盲腸に多い傾向を認めた。
  • 原田 明子, 西田 博, 松本 貴弘, 谷 知子, 辰巳 嘉英
    2007 年 45 巻 4 号 p. 427-433
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/03/25
    ジャーナル フリー
    松下健康管理センターにおいて全大腸内視鏡検査(TCS)を受け, 5mm未満の腺腫が発見された830例をTCSのみで経過観察を行った単独群, 便潜血検査(FOBT)を併用して行った併用群に分類し, さらに併用群をTCS受診契機でFOBT陽性群と陰性群に分類し, それらの癌腫もしくは5mm以上の腺腫(要治療病変)の出現率とその腫瘍長径を同時期にTCSを受け腺腫を認めなかった群と比較検討した。単独群と陽性群においては要治療病変出現率は有意に高かったが腫瘍長径には差がなかった。陰性群においては要治療病変出現率に差はなく腫瘍長径は有意に小さかった。また各群の平均TCS間隔は単独群が21ヶ月, 陽性群が27ヶ月, 陰性群が52ヶ月だった。この経過観察方法は要治療病変が発見されるリスクを考慮しながら必要以上の検査を回避でき, 効率的な観察方法であると考えられた。
経験
  • 河端 秀明, 趙 栄済, 安田 健治朗
    2007 年 45 巻 4 号 p. 434-438
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/03/25
    ジャーナル フリー
    胃内視鏡検診における極細内視鏡の有用性を検討するため, 当院人間ドックで胃内視鏡検診を希望した196人を, 無作為に熟練度の異なる3人の術者に割り付け, 上部内視鏡検査を施行した。使用機器はオリンパス社製極細内視鏡GIF-XP260(先端部外径5mm)あるいは同社製従来型内視鏡(同9.0~10.2mm)である。検査後, 受診者に今回の検査の受容性についてアンケートを行った。極細群の54%(65/121), 従来型群の28%(21/75)が楽であったと回答し, 内視鏡経験のある受診者における前回との比較でも, 極細群の73%(80/109), 従来型群の28%(17/60)が楽であったと回答した。いずれも有意差があり, 熟練した術者で顕著であった。両群とも通常観察に支障なく, 全例検査を完遂でき, 合併症を認めなかった。極細内視鏡は検査の受容性を著明に向上させ, 胃内視鏡検診においてきわめて有用であると考えた。
  • 杉山 和久, 武山 直治, 芳野 純治, 乾 和郎, 渡辺 真也, 高島 東伸, 服部 昌志, 三沢 大介, 山本 智支, 大沼 俊和
    2007 年 45 巻 4 号 p. 439-444
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/03/25
    ジャーナル フリー
    岐阜県飛騨地域における集団住民大腸がん検診の集計を行ない, 便潜血検査陰性大腸癌について検討した。平成5年度から平成16年度に行った集団住民大腸がん検診受診者は88,354人, 要精検者は5,666人, 要精検率は6.41%であり, 精検受診者は4,180人, 精検受診率73.8%であった。検診を契機に発見された大腸癌は152例(早期癌98例, 進行癌54例)で大腸癌発見率は0.17%であった。受診前歴から“便潜血検査で陰性と判定された後, 2年以内に検診で判明した大腸癌”と定義した偽陰性癌は72例(早期癌48例, 進行癌24例)で発見大腸癌の47.4%であった。偽陰性癌は早期癌では肛門側に多く, 進行癌では右側結腸に多かった。偽陰性癌の多くは無症状で発見されており, 単回の検診で見逃された症例も毎年検診を受診することで拾い上げられていた。これらを認識した上で逐年検診と精検受診を勧奨する必要があると考えられた。
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